子育て世帯等臨時特別支援事業費補助金(子育て世帯等臨時特別支援事業(子育て世帯への臨時特別給付(先行給付金))等)の補助対象事業費を過大に精算していたもの［3県］(5)―(7)

「子育て世帯等臨時特別支援事業(子育て世帯への臨時特別給付(先行給付金))」及び「子育て世帯等臨時特別支援事業(子育て世帯への臨時特別給付(追加給付金、クーポン給付))」(以下、これらを合わせて「子育て世帯支援事業」という。)は、「令和3年度子育て世帯等臨時特別支援事業費補助金交付要綱」(令和3年11月26日府政経運第398号内閣総理大臣通知別紙。以下「交付要綱」という。)に基づき、新型コロナウイルス感染症が長期化しその影響が様々な人々に及ぶ中、我が国の子供たちを力強く支援し、その未来を拓(ひら)く観点から、臨時特別の給付を実施することにより、子育て世帯に対する適切な配慮を行うことを目的とするものである。

交付要綱等によれば、市町村(特別区を含む。以下同じ。)は、令和3年9月分の児童手当法(昭和46年法律第73号)による児童手当(児童手当法附則第2条第1項の給付を除く。以下同じ。)の受給者、3年9月30日において15歳に達する日以後の最初の3月31日を経過した児童であって18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者を養育する者(所得額が児童手当法施行令(昭和46年政令第281号)第1条に規定する額(以下「所得制限限度額」という。)未満の者に限る。)等に対して、児童1人当たり10万円等(以下「子育て給付金」という。)を支給することとされている。

また、交付要綱によれば、市町村は、事業実績報告書等を都道府県に提出し、都道府県は、その内容を審査することとされている。そして、国は、市町村が支給対象者に支給した子育て給付金について、子育て世帯等臨時特別支援事業費補助金(以下「補助金」という。)を交付している。

本院が、8道県の148市町村において会計実地検査を行ったところ、3県の3市において、支給対象とならない者や既に支給を受けている者に対して子育て給付金を支給したり、子育て給付金の支出手続を取りやめていて支給の事実がなかったりしていたことを把握していたにもかかわらず、誤って、これらに係る金額を控除することなく補助対象事業費に含めていたため、補助対象事業費が過大に精算されていて、これに係る補助金計7,900,000円が不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、3市において補助対象事業費の算定に対する理解及び確認が十分でなかったこと、3県において事業実績報告書等に対する審査が十分でなかったことなどによると認められる。

前記の事態について、事例を示すと次のとおりである。

以上を部局等別に示すと次のとおりである。