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  • 令和4年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
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  • 第1 内閣府(内閣府本府)|
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  • (3) 事業の一部を実施していなかったもの

地方創生推進交付金による事業の実施に当たり、事業の一部を実施していなかったもの[内閣府本府](11)


(1件 不当と認める国庫補助金 15,316,500円)

 
部局等
補助事業者等
(事業主体)
補助事業等
年度
事業費
左に対する国庫補助金等交付額
不当と認める事業費
不当と認める国庫補助金等相当額
          千円 千円 千円 千円
(11)
内閣府本府
熊本県
地方創生推進交付金
平成30、
令和元
167,784 35,947 30,633 15,316

この交付金事業は、地域再生法(平成17年法律第24号)、地方創生推進交付金制度要綱(平成28年府地事第16号等)、地方創生推進交付金交付要綱(平成28年府地事第291号)等(以下「制度要綱等」という。)に基づき、熊本県が、地域経済のけん引役として期待される県内企業の設備投資を支援し、雇用の創出や交流人口の増加を図り、更なる地域経済の活性化につなげるために、「地方創生未来型農業の拠点づくり支援プロジェクト」(以下「支援事業」という。)を実施したものである。

制度要綱等によれば、地方創生推進交付金(以下「交付金」という。)は、地域再生法に定める地域再生計画に記載され、都道府県まち・ひと・しごと創生総合戦略等に位置付けられた自主的・主体的で先導的な事業の実施に要する費用に充てるために、国が地方公共団体に対して交付するものとされている。そして、地方公共団体が地域再生法に基づき作成する実施計画に掲げる事業を交付の対象とし、交付対象事業費の補助率は2分の1とすることなどとされている。

同県は、実施計画に基づき、平成30年度(令和元年度に一部事業を繰越し)において、支援事業を、平成30年度の事業費37,312,496円(交付金充当経費18,656,248円)、繰越し後の令和元年度の事業費130,471,814円(同17,291,000円)、計167,784,310円(同計35,947,248円)で実施したとして、内閣府本府に実績報告書を提出し、内閣府本府による審査及び額の確定を受けるなどした上で、交付金計35,947,248円の交付を受けていた。そして、同県は、A社による設備の整備等に係る補助金について、平成30年度に実施した事業分として30,633,000円、令和元年度に繰り越して実施した事業分として30,633,000円、計61,266,000円をA社に対して交付したとして、支援事業の交付対象事業費に同額を含めて計上していた。

しかし、A社が元年度に繰り越して実施することを予定していた設備の整備を断念したことから、上記補助金のうち同県が元年度に交付したとする30,633,000円(交付金の交付対象事業費同額)については、実際には同県からA社に交付されていなかった。

したがって、上記の補助金30,633,000円に係る交付金相当額15,316,500円が不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、熊本県において交付金事業の適正な実施に対する認識が欠けていたこと、内閣府本府において支援事業に係る交付金の額の確定時の審査が十分でなかったことなどによると認められる。