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  • (4) 工事費の積算が過大となっていたもの

護岸工の積算が過大となっていたもの[近畿農政局](221)


(1件 不当と認める国庫補助金 2,585,000円)

 
部局等
補助事業者等
間接補助事業者等
補助事業等
年度
事業費
国庫補助対象事業費
左に対する国庫補助金等交付額
不当と認める事業費
国庫補助対象事業費
不当と認める国庫補助金等相当額
            千円 千円 千円 千円
(221)
近畿農政局
兵庫県
(事業主体)
農村地域防災減災
元、2
152,617
(152,617)
83,939 4,700
(4,700)
2,585

この補助事業は、災害の未然防止を目的として、兵庫県が丹波市山南町村森において老朽化した堰(せき)本体、護床工及び取付護岸を改修する工事を工事費152,617,300円(国庫補助金83,939,515円)で実施したものである。このうち、取付護岸を改修する護岸工は、河川の右岸側に大型ブロック(幅1,500mm、高さ1,000mm、控え長(注)1,250mm又は1,500mm)を計212m2設置するなどするものである。

同県は、上記大型ブロックの設置費について、「農林水産省土地改良工事積算基準(土木工事)平成30年度」(農林水産省農村振興局整備部設計課監修)に基づき積算しており、1m2当たりの設置費を算定した上で、これに設置面積を乗ずることにより積算していた。そして、1m2当たりの設置費については、見積りを徴して決定した大型ブロックの1個当たりの材料単価(以下「ブロック単価」という。)を、1m2当たりの単価に換算するために1m2当たりで使用する個数0.596個で除し、これに1m2当たりの設置に要する労務費等を加えて、控え長が1,250mmのものは77,586円、1,500mmのものは79,886円と算定していた。

しかし、上記の0.596個は1m2当たりで使用する大型ブロックの個数であることから、ブロック単価を1m2当たりの単価に換算するためには、ブロック単価を0.596個で除するのではなく、ブロック単価に0.596個を乗ずるべきであった。

したがって、ブロック単価に0.596個を乗じて適正な大型ブロックの1m2当たりの単価に換算し、これに1m2当たりの設置に要する労務費等を加えて、適正な大型ブロックの1m2当たりの設置費を算定すると、控え長が1,250mmのものは29,866円、1,500mmのものは30,676円となる。そして、これに基づき修正計算すると、諸経費等を含めた工事費総額は147,851,000円となり、本件工事費152,617,300円はこれに比べて約470万円割高となっていて、これに係る国庫補助金相当額2,585,000円が不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、同県において、本件工事費の積算内容についての確認が十分でなかったことなどによると認められる。

(注)
控え長  ブロック等の材料の奥行きの長さをいう。