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  • 昭和31年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の不当事項および是正事項|
  • 第3 大蔵省|
  • (一般会計)|
  • 不当事項|
  • 租税

租税払もどしに関し処置当を得ないもの


(15)−(17)租税払もどしに関し処置当を得ないもの

国税収納金整理資金

(15)  関東信越国税局および佐野税務署で、昭和31年10月および12月、磐城化工株式会社(旧常磐鉱業株式会社)に対し、同会社が28年4月から30年3月までの2事業年度中に納付した所得税額の一部25,129,311円を還付(うち24,599,014円は未納法人税に充当)し、これに対する還付加算金4,684,400円のうち4,500,100円を支払っている(184,300円は未納法人税に充当)が、右還付金額のうち17,448,981円について佐野税務署の還付手続が著しく遅延したため約220万円多額に還付加算金を支払う結果となっている。
 右は、同会社が、29年5月および30年5月、前記2事業年度中に納付した所得税額で各事業年度の法人税額から控除することができなかった5,532,410円および11,916,571円の還付をそれぞれ請求していたのであるから、その還付申請書受理後遅滞なく還付手続をとるべきであったのに、佐野税務署において長期にわたってその手続をとらなかったため多額の還付加算金を支払う結果となったものである。
 いま、仮に当該還付申請書受理後3箇月以内に処理を了し還付したとすれば、還付加算金約220万円は支払う要がなかったものである。

(16)  名古屋国税局で、昭和30年5月、野々部某に対し、23年分所得税過誤納金632,172円を還付し、これに対する還付加算金723,240円を支払っているが、昭和税務署において同人の所得金額の調査を著しく遅延したため約50万円多額に還付加算金を支払う結果となっている。
 右は、24年2月、昭和税務署において、同人の23年分確定申告所得金額1,200,000円を2,800,000円と更正したのに対し、同人は、これに対する税額1,956,875円(ほかに加算税65,102円)のうち1,619,586円を24年3月までに分割納付し、別に同月名古屋財務局長あてに右更正に対する審査の請求をしたにもかかわらず、これを受理した昭和税務署においては、請求の日後5年余にわたり調査することなく29年6月にいたってようやくその調査に着手し、30年2月、所得金額1,484,351円これに対する税額930,654円(ほかに加算税57,610円)と誤びゅう訂正をしたため多額の還付加算金を支払う結果となったものである。
 いま、仮に審査請求受理後直ちに調査に着手し、誤びゅう訂正後3箇月以内に処理を了し還付したとすれば、還付加算金約50万円は支払う要がなかったものである。

(17)  広島国税局で、昭和31年4月、中国電力株式会社に対し、同会社が26年10月から27年9月までの2事業年度中に納付した所得税額2,740,520円を還付し、これに対する還付加算金1,336,960円を支払っているが、広島東税務署の還付手続が著しく遅延したため約120万円多額に還付加算金を支払う結果となっている。
 右は、同会社が、27年5月および11月、前記2事業年度中に納付した所得税額で各事業年度の法人税額から控除することができなかった788,232円および1,952,288円の還付をそれぞれ請求していたのであるから、その還付申請書受理後遅滞なく還付手続をとるべきであったのに、広島東税務署において長期にわたってその手続をとらなかったため多額の還付加算金を支払う結果となったものである。
 いま、仮に当該還付申請書受理後3箇月以内に処理を了し還付したとすれば、還付加算金約120万円は支払う要がなかったものである。