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  • 昭和53年度|
  • 第2章 所管別又は団体別の検査結果|
  • 第2節 団体別の検査結果|
  • 第1 日本専売公社|
  • 不当事項|
  • 物件

ファイル等の購入価額が著しく高価となっているもの


(129) ファイル等の購入価額が著しく高価となっているもの

科目 (項)共通費
部局等の名称 日本専売公社本社、同東京病院
購入物品 ファイル6,980冊、防臭剤276箱、YSマット27枚、封筒16,650枚、ファイリングキャビネット6個、すじ入り長マット2枚、灰皿7個、書庫3個、消火器5本
購入価額 10,757,500円(うち昭和52年度契約分7,240,500円)
契約の相手方 共栄工業株式会社ほか25名
契約 昭和52年5月〜53年8月 随意契約
支払 昭和52年5月〜53年10月 65回
(うち52年度支払分40回7,240,500円)

 これらの物品の不当な価格での売込みに対して適切な処置を講じないままその購入を繰り返したため、購入価額が約800万円高価となっていると認められる。

(説明)
 これらの物品は、庁用として上記本社及び東京病院で購入したものである。
 しかして、これらの物品は、いずれも市中で一般に販売されているものであって、これら物品の購入価格と市販価格等とを対比してみると、本件購入価格は市販価格等を著しく上回っており、これを主な品目についてみると、次のとおりである。

品目 (品質・規格) 単位 本件購入単価 市販価格等
ファイル (B5判) 1冊
300〜
500

60
 〃 (B4判)  〃 300〜
1,000
90
防臭剤 (12個入り) 1箱 5,000〜
10,000
2,400
 〃 (大玉ひも付き水洗用12個入り)  〃 25,000 6,000
 〃 (24個入り)  〃 20,000 4,800
YSマット (ビニール製 0.9m×1.8m) 1枚 60,000又は
80,000
14,000

 そして、これら物品の購入の経緯についてみると、前記各部局では、団体等の職員と称する者から長時間にわたり執ように物品購入の要請を受けるなど異常な状況のもとで、本社においては、契約事務を行う権限を持っている本社業務室課長代理がその購入及び購入価格を約束し、東京病院においては、契約事務を行う権限を持たない用度課長がその購入及び購入価格を約束し、これを受けて契約事務を行う権限を持っている事務部長等が、また、契約事務を行う権限を持っている事務部長代理が同様に約束したうえで、それぞれ価格調査を行う十分な余裕もないまま上記団体等の職員と称する者又はこれらの者から物品納入の依頼を受けた共栄工業株式会社等と前記の約束した価格により契約を締結し、この種の購入を繰り返して行ったものである。

 しかし、これらの物品の購入価格は、この種物品の販売業者について調査すれば著しく高価であることが判明したと認められるのに、このような事態の再発を防止するための対策も講じないまま同様の購入を繰り返したのは、その処置当を得ないと認められる。

 いま、仮に本件物品を市販価格等によって購入したとするとその価額は2,755,450円となり、本件購入価額はこれに比べて約800万円(うち昭和52年度約540万円)高価となっていると認められる。