昭和５３年度決算検査報告
帝都高速度交通営団は、東京都の区の存する区域及びその付近における交通機関の整備拡充を図るため地下高速度交通事業を営むことを目的として設置されているもので、５３事業年度末の資本金は４２１億円（うち日本国有鉄道出資２３０億３４３１万余円）となっている。
５３事業年度の決算についてみると、貸借対照表においては、資産（鉄道業固定資産、建設仮勘定等）６３４９億０３６９万余円（対前事業年度比１７２億９７１１万余円増）、負債（交通債券、長期借入金等）６１０９億６８９３万余円（同１１０億９３５３万余円増）、資本（資本金、欠損金）２３９億３４７６万余円（同６２億０３５８万余円増）となっており、また、損益計算書においては、経常損益で、営業収益等の収益１４３３億２１１８万余円、営業費等の費用１３３６億９０９５万余円で９６億３０２３万余円の利益を生じ、これに特別利益、特別損失等を加減して４２億０３５８万余円の当期利益を生じており、前事業年度からの繰越損失２２３億６８８１万余円からこれを差し引いた１８１億６５２３万余円が翌事業年度に繰り越されている。
上記の決算に係る業務実績の主なものは、旅客の輸送１５億１３８６万余人（５３事業年度末営業キロ程１２７．６km）及び東京都市計画高速鉄道第８号線（和光市、明石町間）等４線の建設である。
なお、５３事業年度末における交通債券の発行残高は３５４０億９８４０万円となっているほか、借入金の残高は１９５６億７９００万余円（資金運用部資金、簡易生命保険及び郵便年金の積立金）となっている。