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  • 第2章 個別の検査結果|
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架空の名目によって旅費を支払い、これを別途に経理するなどしていたもの


(5) 架空の名目によって旅費を支払い、これを別途に経理するなどしていたもの

会計名及び科目 国立学校特別会計(項)国立学校(項)研究所
部局等の名称 東京大学
旅費の概要 国立学校との事務打合せ等のための出張旅費
不正に支払った旅費の合計額 昭和62年度 40件 846,950円
昭和63年度 70件 2,160,550円
平成元年度 39件 1,087,405円
149件 4,094,905円

 上記部局の一部において、架空の名目や出張日数の付増しにより旅費を支払い、これを別途に経理して夜食代等に使用したり、職員に支給したりしていたものが昭和62年度、63年度及び平成元年度で計149件4,094,905円あった。これについては、2年11月末までに全額国庫に返納された。

1 旅費支給の概要

 東京大学教養学部及び同大学物性研究所において、昭和62年度、63年度及び平成元年度に、国立学校との事務打合せ等を用務内容とする旅行命令に基づき支払った旅費は、教養学部で1,782件70,136,000円、物性研究所で5,048件107,418,140円、合計6,830件177,554,140円である。

2 検査の結果

 上記の旅費について検査したところ、次のように、不正に旅費を支払っていたものが物性研究所において110件2,259,100円、教養学部において39件1,835,805円、合計149件4,094,905円あった。

(ア) 架空の名目による出張命令伺、旅費請求書等の関係書類を作成するとともに、これに合わせて出勤簿等を整理する方法により、出張の事実がないのに出張したこととして、不正に旅費を支払っていたものが、物性研究所において、昭和62、63両年度で計23件1,420,820円あった。また、教養学部において、同様の事態が63年度及び平成元年度で計24件1,623,695円あった。これらの旅費については、物性研究所の分は当局の説明によれば、全額を別途に経理して夜食代等に使用したとし、また、教養学部の分は3件187,045円は職員に支給し、21件1,436,650円は架空の命令の対象となった職員が翌年度に現地に赴いた際の経費に使用していた。

(イ) 日帰りの出張を1泊2日にするなど、出張日数を付増しして不正に旅費を支払っていたものが、物性研究所で昭和62年度、63年度及び平成元年度で計87件838,280円、教養学部で昭和63年度及び平成元年度で計15件212,110円あった。
なお、この不正に支払った旅費の金額については、2年11月末までに全額国庫に返納された。