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船員保険の保険料の徴収に当たり、徴収額が不足していたもの


(25) 船員保険の保険料の徴収に当たり、徴収額が不足していたもの

会計名及び科目 船員保険特別会計(款)保険収入(項)保険料収入
部局等の名称 富山県ほか4県(2保険課及び4社会保険事務所)
保険料納付義務者 94船舶所有者
徴収不足額 61,765,138円

 船員保険の保険料の徴収に当たり、船舶所有者からの届出に対する調査確認及び指導が十分でなかったなどのため、上記の94船舶所有者について徴収額が61,765,138円不足していた。これらについては、本院の指摘により、すべて徴収決定の処置が執られた。

1 保険料の概要

(船員保険)

 船員保険は、主として総トン数5トン以上の船舶を所有する者(船舶の借入人等を含む。以下「船舶所有者」という。)に雇用される船員を被保険者として、疾病、負傷、失業、職務上の事由による障害又は死亡等に関し医療、療養費、傷病手当金、失業保険金、年金等の給付を行う保険である。

(保険料の徴収)

 保険料は、被保険者と船舶所有者とが負担し、船舶所有者が納付することとなっている。
 そして、これらの船舶所有者は、都道府県の保険課又は社会保険事務所に対し、次の届け書を提出することとなっている。

(ア) 新たに船員を雇用したときには、資格取得年月日、報酬月額等を記載した被保険者資格取得届

(イ) 被保険保険者の報酬が歩合により定められているときには、毎年9月1日現在において報酬月額を所定の算式により算定して記載した報酬月額基準日届

(ウ) 被保険者の報酬月額が所定の範囲以上に増減したときには、報酬月額変更届

 これらの届け書の提出を受けた都道府県の保険課及び社会保険事務所は、届け書に記載された被保険者の報酬月額に基づいて標準報酬月額(注) を決定し、これに保険料率を乗じて得た額を保険料として徴収している。

(注)  標準報酬月額 第1級68,000円から第39級710,000円までの等級に区分されている。被保険者に実際に支給される報酬月額はこの等級のいずれかに当てはめられる。

2 検査の結果

(検査の対象)

 富山県ほか4県の2保険課及び4社会保険事務所管内の1,207船舶所有者のうち166船舶所有者を対象として、県における保険料の徴収の適否について検査した。

(徴収不足の事態)

 検査したところ、上記の166船舶所有者のうち94船舶所有者について、徴収額が61,765,138円不足していた。これは、上記の5県において、船舶所有者が前記の届出に当たり、誠実でなかったり、制度を十分理解していなかったりなどして、報酬月額に算入しなければならない諸手当を算入していないなど届出を適正に行っていなかったのに、これに対する調査確認及び指導が十分でなかったことなどによるものである。
 なお、これらの徴収不足額については、本院の指摘により、すべて徴収決定の処置が執られた。
 これらの徴収不足額を県別に示すと次のとおりである。

県名 保険課・社会保険事務所 本院が調査した船舶所有者数 徴収不足があった船舶所有者数 徴収不足額
千円
富山県 富山
社会保険事務所
12 9 2,251
石川県 金沢北
社会保険事務所
21 14 3,247
山口県 保険課 29 12 2,330
愛媛県 松山西ほか1
社会保険事務所
52 10 8,867
熊本県 保険課 52 49 45,067
 計 166 94 61,765