会計名及び科目 | 労働保険特別会計(徴収勘定) (款)保険収入 (項)保険料収入 |
部局等の名称 | 北海道労働基準局ほか24労働基準局、福島県ほか5府県 |
保険料納付義務者 | 徴収不足があった事業主数 588事業主 徴収過大があった事業主数 229事業主 |
徴収過不足額 | 徴収不足額 316,522,476円 徴収過大額 103,695,188円 |
1 保険料の概要
(労働保険)
労働保険は、労働者災害補償保険(以下「労災保険」という。)及び雇用保険を総称するもので、いずれも、工場、事務所、商店等に雇われる労働者を被保険者としている。このうち、〔1〕 労災保険は業務上の事由又は通勤による負傷、疾病等に対する療養補償給付等を、また、〔2〕 雇用保険は失業等に対する失業給付等を行う保険である。
(保険料の徴収)
保険料は、労災保険分については事業主が負担し、雇用保険分については、失業給付に充てる部分を被保険者と事業主とが折半して負担し、雇用安定事業等に充てる部分を事業主が負担して、いずれも事業主が納付することとなっている。
保険料の納付は、原則として次のとおり行われることとなっている。
(ア) 毎年度の初めに、事業主は、都道府県労働基準局又は都道府県に対し、その年度の労働者に支払う賃金総額の見込額に労災保険率(注1) と雇用保険率(注2) とを合計した保険料率を乗じて算定した概算保険料を申告し、納付する。
(イ) 次の年度の初めに、事業主は、都道府県労働基準局又は都道府県に対し、実際に支払った賃金総額に基づいて計算した確定保険料申告書を提出する。
(ウ) 都道府県労働基準局又は都道府県は、この申告書の記載内容を審査し、その結果に基づき保険料の過不足分が精算される。
(注1) 労災保険率 労災保険の適用を受けるすべての事業の過去3年間の業務災害及び通勤災害に係る災害率等を考慮して定められており、事業の種類ごとに平成元年度の場合は最低1000分の6から最高1000分の149となっている。
(注2) 雇用保険率 失業給付、雇用安定事業等に要する費用を考慮して定められており、平成元年度の場合は1000分の14.5(ただし、農林、水産等の事業は1000分の16.5、建設の事業は1000分の17.5)となっている。
2 検査の結果
北海道労働基準局ほか24労働基準局及び福島県ほか5府県管内の1,290事業主を対象として、都道府県労働基準局又は府県における保険料の徴収の適否について検査した。
検査したところ、上記の1,290事業主のうち、588事業主について徴収額が316,522,476円不足しており、229事業主について徴収額が103,695,188円過大になっていた。これは、上記の25労働基準局及び6府県において、事業主が確定保険料申告書を提出するに当たり、制度を十分理解していなかったり、計算誤りをしたりなどして、賃金総額の記載が事実と相違していたり、労災保険率の適用を誤っていたりしていたのに、これに対する調査確認が十分でなかったことによるものである。
なお、これらの徴収不足額及び徴収過大額については、本院の指摘により、すべて徴収決定又は還付決定の処置が執られた。
これらの徴収不足額及び徴収過大額を都道府県労働基準局及び府県別に示すと次のとおりである。
労働基準局・府県名 | 本院が調査した事業主数 | 徴収不足があった事業主数 徴収過大があった事業主数 |
徴収不足額 徴収過大額(△) |
千円 | |||
北海道労働基準局 | 164 | 84 28 |
42,478 △4,762 |
青森労働基準局 | 23 | 11 1 |
1,383 △47 |
岩手労働基準局 | 27 | 14 3 |
10,077 △160 |
秋田労働基準局 | 20 | 6 2 |
650 △208 |
福島労働基準局 | 27 | 10 7 |
4,305 △2,356 |
茨城労働基準局 | 31 | 19 3 |
16,729 △118 |
埼玉労働基準局 | 76 | 37 10 |
27,644 △2,961 |
千葉労働基準局 | 35 | 19 3 |
36,002 △1,178 |
東京労働基準局 | 138 | 75 19 |
59,162 △37,805 |
新潟労働基準局 | 29 | 13 7 |
3,706 △558 |
福井労働基準局 | 27 | 12 9 |
2,774 △2,650 |
静岡労働基準局 | 46 | 16 9 |
3,998 △2,329 |
愛知労働基準局 | 68 | 20 21 |
10,386 △20,867 |
京都労働基準局 | 25 | 11 2 |
9,573 △1,321 |
大阪労働基準局 | 66 | 25 13 |
20,864 △2,129 |
奈良労働基準局 | 14 | 10 2 |
4,837 △111 |
鳥取労働基準局 | 37 | 18 2 |
2,047 △161 |
岡山労働基準局 | 34 | 7 7 |
2,338 △1,913 |
広島労働基準局 | 48 | 14 8 |
2,783 △1,200 |
香川労働基準局 | 42 | 9 11 |
1,207 △2,886 |
愛媛労働基準局 | 14 | 7 3 |
1,899 △443 |
高知労働基準局 | 19 | 8 5 |
1,880 △543 |
福岡労働基準局 | 59 | 28 18 |
10,130 △9,287 |
長崎労働基準局 | 19 | 7 2 |
1,437 △356 |
沖縄労働基準局 | 53 | 29 6 |
8,430 △1,952 |
福島県 | 22 | 11 3 |
2,644 △1,474 |
千葉県 | 12 | 7 4 |
2,755 △210 |
神奈川県 | 35 | 16 3 |
5,480 △384 |
新潟県 | 25 | 14 4 |
3,349 △203 |
京都府 | 20 | 11 4 |
7,085 △523 |
大阪府 | 35 | 20 10 |
8,475 △2,582 |
計 | 1,290 | 588 229 |
316,522 △103,695 |