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医療施設運営費等補助金の経理が不当と認められるもの


(116) 医療施設運営費等補助金の経理が不当と認められるもの

会計名及び科目 一般会計 (組織)厚生本省 (項)保健衛生諸費
部局等の名称 愛媛県
補助の根拠 予算補助
事業主体 愛媛県越智郡岩城村
補助事業 へき地診療所運営事業
補助事業の概要 へき地の住民の医療を確保するため、昭和62年度から平成元年度までの各年度に当該地域の診療所を運営するもの
国庫補助金交付額 12,715,000円
不当と認める国庫補助金交付額 6,835,000円
 上記の補助事業において、補助金の交付額の算定上経費の額から差し引くことになっている診療収入額を実際の額より過小にするなどしていたため、補助対象事業費が過大に精算されていて国庫補助金6,835,000円が不当と認められる。

1 補助金の概要

 医療施設運営費等補助金は、離島、山村等の医療に恵まれない地域住民の医療の確保等を目的として、都道府県、市町村等が、へき地保健医療対策事業等を行う場合に、その経費の一部を国が直接又は間接に補助するものである。

 この補助金の対象事業のうち、へき地診療所運営事業は、へき地の診療所において住民の医療を行うものである。そして、この事業のうち市町村等が行う事業に対し都道府県が補助する場合の補助金の交付額は、次により算定することとなっている。

(ア) 診療所を運営するための事務費や医療費等の経費の種目ごとに、所定の基準額と補助対象となる経費の実支出額とを比較して少ない方の額を選定する。

(イ) (ア)により選定した額の合計額(以下「選定額」という。)から診療収入額を控除した額と、総事業費から診療収入額、寄附金等の収入額を控除した額とを比較して少ない方の額に3分の2(昭和62、63年度は2分の1)を乗じる。

(ウ) (イ)により得られた額と都道府県が市町村等に補助した額とを比較して少ない方の額を交付額とする。

2 検査の結果

 検査の結果、愛媛県越智郡岩城村では、62年度から平成元年度までの各年度において、補助金の交付額が事業費等の予定額を基に算定された交付決定額と同額となるよう、診療収入額を実際の額より過小にするとともに、総事業費や補助対象となる経費の実支出額等の額を調整して、事業の実績報告を行っていた。

 そこで、実際の診療収入額等により国庫補助金額を算定すると、次表のとおり、昭和62、63両年度は補助対象事業費が減少することから、これに比例して国庫補助金額が減少し、また、平成元年度は診療収入額が選定額を上回ることから、国庫補助金は交付の要がないことになる。

 したがって、補助対象事業費が過大に精算されていて、昭和62年度から平成元年度までに交付した国庫補助金計12,715,000円のうち6,835,000円が不当と認められる。

年度 実績報告の額 適正な額 不当と認める国庫補助金

(C−C')

選定額

(A)

診療収入額

(B)

補助対象事業費

(A−B)

左に対する国庫補助金

(C)

選定額

(A')

診療収入額

(B')

補助対象事業費

(A'-B')

左に対する国庫補助金

(C')


千円 千円 千円 千円 千円 千円 千円 千円 千円
62 32,628 26,260 6,368 3,184 34,858 30,027 4,831 2,415 769
63 38,407 30,047 8,359 4,179 38,656 31,725 6,930 3,465 714
50,813 42,785 8,028 5,352 52,589 56,511 0 0 5,352



12,715


5,880 6,835