会計名及び科目 | 一般会計 (組織)厚生本省 (項)生活保護費 |
部局等の名称 | 北海道ほか5都府県 |
国庫負担の根拠 | 生活保護法(昭和25年法律第144号) |
事業主体 | 市6、特別区1、計7事業主体 |
国庫負担対象事業 | 生活保護事業 |
国庫負担対象事業の概要 | 生活に困窮する者に対し最低限度の生活を保障するため、その困窮の程度に応じて必要な保護を行うもの |
上記に対する国庫負担金交付額の合計 | 52,695,412円 |
不当と認める国庫負担金交付額 | 38,839,223円 |
1 負担金の概要
生活保護費負担金(昭和61年度以前は「生活保護費補助金」)は、都道府県又は市町村(特別区を含む。)が、利用し得る資産や能力等あらゆるものを活用してもなお生活に困窮する者に対し、最低限度の生活を保障するため、その困窮の程度に応じて必要な保護を行う場合に、その費用の一部を国が負担するものである。
そして、この負担金の各事業主体に対する交付額は、次により算定することとなっている。
(注) 国庫負担率であり、昭和60年度から63年度までは10分の7及び平成元、2両年度は4分の3となっている。
この費用の額及び返還金等の額は、それぞれ次により算定することとなっている。
(ア) 費用の額は、保護を受ける世帯(以下「被保護世帯」という。)を単位として、その所在地域、構成員の数、年齢等の別に応じて算定される生活費の額から、その被保護世帯における就労収入、年金受給額等を基に収入として認定される額を控除するなどして決定された保護費の支給額の合計額に事業主体の事務経費を加えて算定する。
(イ) 返還金等の額は、急迫の場合等において資力があるにもかかわらず保護を受けた者が、遺産を相続したり、資産を売却したりして収入を得たときに返還した保護費の額等の合計額である。
2 検査の結果
検査の結果、北海道釧路市ほか6事業主体では、次のとおり、収入の認定等に当たって調査が十分でなく、保護費を不適正に支給したり、返還金の額を過小に算定したりしたため、国庫負担金38,839,223円が過大に交付されていて、不当と認められる。
(ア) 被保護者が、事業を営みあるいは就労して相当額の収入を得ていたり、年金を受給していたりしているのに、被保護世帯から事実と相違した届出がなされ、これにより収入を実際の額より過小に認定して保護費の額を決定していたため、保護費が不適正に支給されていた。
(イ) 遺産の分割に日時を要し急迫の場合に至っても当該財産を活用できないなどのため保護費を支給した者について、遺産分割の調停成立により現金を取得したのに伴い被保護世帯から保護費を返還させる際、同世帯からの申立てのままに根拠のない経費を控除して返還金の額を決定したため、返還金が過小になっていた。
これを都道府県別に示すと次のとおりである。
都道府県名 | 事業主体 | 年度 | 国庫負担対象事業費 | 左に対する国庫負担金 | 不当と認める国庫負担対象事業費 | 不当と認める国庫負担金 | 摘要 | |
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | |||||
(117) | 北海道 | 釧路市 | 63〜2 | 3,381 | 2,520 | 2,659 | 1,987 | 就労収入を過小に認定していたもの |
(118) | 東京都 | 江戸川区 | 62〜2 | 8,952 | 6,550 | 4,482 | 3,316 | |
(119) | 新潟県 | 新潟市 | 62〜2 | 7,370 | 5,380 | 3,885 | 2,845 | 同 |
(120) | 大阪府 | 堺市 | 60〜2 | 19,261 | 13,764 | 15,165 | 10,692 | 保護費の返還額を過小に決定していたもの |
(121) | 同 | 枚方市 | 61〜2 | 9,125 | 6,467 | 6,654 | 4,738 | 就労収入を過小に認定していたもの |
(122) | 兵庫県 | 神戸市 | 60〜2 | 16,052 | 11,560 | 12,211 | 8,807 | 年金収入を認定していなかったもの |
(123) | 鳥取県 | 鳥取市 | 62〜2 | 8,887 | 6,452 | 8,887 | 6,452 | 就労収入を認定していなかったもの |
(117)-(123) の計 | 73,031 | 52,695 | 53,947 | 38,839 |