会計名及び科目 | 一般会計(組織)中小企業庁(項)中小企業対策費 |
部局等の名称 | 仙台、名古屋、近畿、広島各通商産業局(仙台、名古屋、広島各通商産業局については、平成元年7月1日以降は、「東北、中部、中国各通商産業局」) |
助成の根拠 | 中小企業近代化資金等助成法(昭和31年法律第115号) |
事業主体 | 秋田県ほか3県 |
事業の内容 | 中小企業者に対する無利子の設備近代化資金の貸付け |
貸付先 | 4中小企業者 |
貸付金額の合計 | 51,730,000円 | (国庫補助金相当額25,865,000円) |
不当貸付金額 | 16,380,000円 | |
補助の目的に沿わない国庫補助金相当額 | 8,190,000円 |
1 補助金の概要
中小企業庁では、中小企業者の設備の近代化に必要な資金の貸付けを行う都道府県に対して、中小企業設備近代化補助金を交付している。
都道府県は、この補助金に自己資金等を合わせて資金を造成し、設備の近代化に必要な資金の調達が困難な中小企業者に対して、設備の設置に必要と認めた資金の額の2分の1以内の額を中小企業設備近代化資金として無利子で貸し付けている。その貸付金額は50万円以上3000万円以下、償還期間は原則として5年以内となっている。
2 検査の結果
この事業の実施について調査したところ、4中小企業者に対する51,730,000円の貸付けにおいて、借主が設備を貸付対象事業費より低額で設置していた。このため、16,380,000円の貸付けが不当と認められ、ひいては国庫補助金相当額8,190,000円が補助の目的に沿わない結果になっていると認められる。
これを県別に示すと次のとおりである。
県名 | 貸付先 | 貸付対象設備 | 貸付年月 | 貸付対象事業費 | 貸付対象として適切でない事業費 | 補助の目的に沿わない国庫補助金相当額 | 摘要 | |
同上に対する貸付金額 | 同上に対する貸付金相当額 | |||||||
千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(169) | 秋田県 | 機械部品加工業者 | 門型マシニングセンタ | 63.11 | 23,000 (11,500) |
8,400 (4,200) |
2,100 | 低額設置 |
この貸付けは、門型マシニングセンタ(注) 1台の設置に必要な資金23,000,000円の一部として、11,500,000円を貸し付けたものである。借主は、この設備を貸付対象事業費どおりの額で設置したとしているが、この額は契約額を水増ししたもので、実際は14,600,000円で設置していた。
したがって、この設備の設置に対する適切な貸付金額を計算すると7,300,000円となるので、本件貸付金額との差額4,200,000円が過大な貸付けとなっている。
(注) マシニングセンタ 工作機械の一種で、切削工具を自動的に交換しながら金属の加工を行うもの
(170) | 富山県 | 表面処理業者 | 塗装装置ほか1 | 元.2 | 20,900 (9,830) |
8,550 (3,655) |
1,827 | 低額設置 |
この貸付けは、塗装装置一式及び乾燥炉一式の設置に必要な資金22,000,000円(うち貸付対象事業費分20,900,000円)の一部として、9,830,000円を貸し付けたものである。借主は、これらの設備を22,000,000円で設置したとしているが、この額は契約額を水増ししたもので、実際は13,000,000円(うち貸付対象事業費分12,350,000円)で設置していた。
したがって、これらの設備の設置に対する適切な貸付金額を計算すると6,175,000円となるので、本件貸付金額との差額3,655,000円が過大な貸付けとなっている。
(17 1) | 滋賀県 | 製材業者 | 送材装置 | 元.9 | 20,903 (10,400) |
10,403 (5,150) |
2,575 | 低額設置 |
この貸付けは、送材装置一式の設置に必要な資金20,903,000円の一部として、10,400,000円を貸し付けたものである。借主は、この設備を貸付対象事業費どおりの額で設置したとしているが、この額は契約額を水増ししたもので、実際は10,500,000円で設置していた。
したがって、この設備の設置に対する適切な貸付金額を計算すると5,250,000円となるので、本件貸付金額との差額5,150,000円が過大な貸付けとなっている。
(172 ) | 岡山県 | 工具製造業者 | 金型加工3次元自動プログラミングシステムほか1 | 63.12 | 40,000 (20,000) |
6,750 (3,375) |
1,687 | 低額設置 |
この貸付けは、金型加工3次元自動プログラミングシステム(注1) 一式及びNCフライス盤(注2) 1台の設置に必要な資金40,000,000円の一部として、20,000,000円を貸し付けたものである。借主は、これらの設備を貸付対象事業費どおりの額で設置したとしているが、この額は契約額を水増ししたもので、実際は33,250,000円で設置していた。
したがって、これらの設備の設置に対する適切な貸付金額を計算すると16,625,000円となるので、本件貸付金額との差額3,375,000円が過大な貸付けとなっている。
(注1) 金型加工3次元自動プログラミングシステム 鋳物用金型を設計し、工作機械の作動手順を自動的に作成するコンピュータシステム
(注2) NCフライス盤 工作機械の一種で、数値制御により切削工具を回転させて金属の加工を行うもの
(169)-(172) の計 | 104,803 (51,730) |
34,103 (16,380) |
8,190 |