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  • 平成3年度|
  • 第2章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第9 郵政省|
  • 平成2年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項に対する処置状況

第三種郵便物制度の運用について


第三種郵便物制度の運用について

(平成2年度決算検査報告参照)

1 本院が表示した改善の意見

(検査結果の概要)

 郵政省では、郵便法(昭和22年法律第165号)に基づき、政治、経済、文化その他公共的な事項を報道し、又は論議することを目的とするものであることなど一定の条件を満たす定期刊行物を第三種郵便物として認可し、低廉な料金で取り扱うこととしている。そして、認可後もその定期刊行物が適格に発行されていることを確認するため、発行の都度、地方郵政局及び郵便局にその見本を提出させて監査することとし、また、郵便物の引受けの際にもその郵便局において検査することとしている。

 しかし、調査の結果、法定条件を備えていないのではないかと疑義のある定期刊行物が相当数見受けられ、これらのうち、明らかに商品の販売等を主たる目的としたものであって、第三種郵便物の制度の趣旨に沿わないと認められる定期刊行物が27件あった。

 上記の定期刊行物は発行部数も多く、発行人は、その郵送料の低減を図るため、法定条件を形式的に整える巧妙な編集方法を用いたり、商品カタログ等を掲載内容とした定期刊行物を、見本を監査する郵便局以外の郵便局に差し出したりして、この制度を利用している。これに対し、各郵政局等では、認可後の監査体制が整備されていないこと、定期刊行物を引き受ける郵便局(以下「引受局」という。)が限定されていないことなどのため、認可後の監査及び引受け時の検査を十分に行うことは困難な状況にあると認められた。

(検査結果により表示した改善の意見)

 本制度の趣旨にかんがみ、第三種郵便物について適正な取扱いを行うため、認可後の監査体制を見直しその整備を図るとともに、定期刊行物ごとに引受局を限定し、引受け時の検査の充実を図るなどして、適切な制度の運用を図るよう、郵政大臣に対し平成3年12月に、会計検査院法第36条の規定により改善の意見を表示した。

2 当局が講じた改善の処置

 郵政省では、本院指摘の趣旨に沿い、第三種郵便物制度の適切な運用を図るため、次のような処置を講じた。

(ア) 認可後の監査体制の整備を図るため、4年5月に郵便法の一部を改正し、第三種郵便物の認可をした定期刊行物について、その条件を具備しているかどうかを定期に監査することとし、そのための調査業務を郵政大臣が指定する指定調査機関に行わせることとした。

(イ) 引受け時の検査の充実を図るため、同年10月に郵便規則(昭和22年逓信省令第34号)の一部を改正し、第三種郵便物を同時に3千通以上差し出す場合には、原則として、引受局は見本を提出する郵便局に限定することとした。