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  • 平成3年度|
  • 第2章 個別の検査結果|
  • 第2節 団体別の検査結果|
  • 第13 北海道旅客鉄道株式会社、第14 東日本旅客鉄道株式会社、    第15 東海旅客鉄道株式会社、第16 西日本旅客鉄道株式会社、    第17 九州旅客鉄道株式会社|
  • 本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項|
  • (北海道旅客鉄道株式会社、東日本旅客鉄道株式会社)

自動車整理場に機械装置を導入して省力化を図ることにより、運営業務の委託に係る経費を節減するよう改善させたもの


(1)(2) 自動車整理場に機械装置を導入して省力化を図ることにより、運営業務の委託に係る経費を節減するよう改善させたもの

会社名 (1) 北海道旅客鉄道株式会社
(2) 東日本旅客鉄道株式会社
科目 (1) (款)鉄道事業営業費 (項)運輸費
(2) (款)鉄道事業営業費 (項)運輸費
部局等の名称 (1) 本社ほか2支社
(2) 東京地域本社ほか3支社等
契約名 (1) 業務委託等基本請負契約
(2) 駅構内自家用自動車整理業務委託契約ほか4件
契約の概要
自家用自動車等の駐車の用に供するため駅前広場等に設置している自動車整理場の運営業務を委託するもの

契約の相手方 (1) 株式会社駅レンタカー北海道
(2) 株式会社ジェイアール東日本レンタリース(平成4年2月までは「株式会社駅レンタカー東日本」)
契約 (1) 昭和62年4月 随意契約(毎年自動更新)
(2) 平成2年3月、4月 随意契約
平成3年3月、4月 随意契約
支払金額 (1) 平成2年度 82,056,520円 ( 自動車整理場4箇所 )
平成3年度 94,910,949円 ( )
176,967,469円
(2) 平成2年度 140,853,240円 ( 自動車整理場7箇所 )
平成3年度 139,532,040円 ( )
280,385,280円
節減できたと認められる支払額 (1) 平成2年度 1360万円
平成3年度 1390万円
2750万円
(2) 平成2年度 4920万円
平成3年度 4590万円
9510万円
<検査の結果>

 上記の各部局において、運営業務を委託している自動車整理場の利用者に対する駐車整理票の交付・回収及び利用料金の収受の業務を人手により行わせることに代えて、自動的に行う機械装置を導入したとすれば、委託費を上記(1)の契約において約2750万円、(2)の契約において約9510万円節減できたと認められた。

 このような事態が生じていたのは、市中の自動車駐車場においては上記の機械装置が普及し省力化が図られてきているのに、これに対する認識が十分でなかったことなどによるもので、上記部局の自動車整理場にもこの機械装置を導入し委託費の節減を図る要があると認められた。

<当局が講じた改善の処置>  

 本院の指摘に基づき、北海道、東日本両旅客鉄道株式会社では、平成4年10月に支社等に対して、11箇所の自動車整理場に機械装置を導入し、委託費の節減を図るよう指示文書を発した。これを受けて支社等では、同年11月から12月にかけてこの機械装置を設置するための契約を締結し、5年3月までに委託契約の内容を見直し、委託費の節減を図ることとする処置を講じた。

1 自動車整理場運営業務の概要 

(自動車整理場の運営)

 北海道旅客鉄道株式会社(以下「JR北海道]という。)及び東日本旅客鉄道株式会社(以下「JR東日本」という。)では、駅前広場等に自家用自動車等の駐車の用に供するため自動車整理場を設置し、運営している。そして、両会社の支社等では、この自動車整理場の利用者に対する駐車整理票の交付・回収、利用料金の収受、自動車整理場内の監視、日報の作成等の業務(以下これらを「自動車整理場業務」という。)を部外に委託している。

(自動車整理場業務の委託箇所数及び委託費の算定方法)

 両会社の支社等が運営業務を委託した自動車整理場の箇所数及び委託費は、JR北海道では平成2年度11箇所1億1732万余円、3年度12箇所1億3487万余円、JR東日本では2年度28箇所3億0772万余円、3年度27箇所2億7878万余円となっている。

 そして、自動車整理場業務は、JR北海道ではすべての箇所において人手により、JR東日本では3箇所の自動車整理場においては機械装置を導入し、その他の箇所においては人手により行われている。この自動車整理場業務の委託費は、それぞれの会社が制定した「自動車整理業務の予定価格積算標準」により、自動車整理場ごとに、当該業務を行うのに必要な1日当たりの総所要人工を基に算出した労務費に物件費等を加算するなどして算定することとなっている。

2 検査の結果

(調査の観点及び対象)

 市中の自動車駐車場においては、利用者に対する駐車券の交付・回収及び利用料金の収受の業務を自動的に行う機械装置が普及してきていて、この機械装置を導入しているところが数多く見受けられる。そして、この機械装置を導入することにより、上記の業務が省力化され、駐車場運営経費の大部分を占める人件費の節減が図られることになる。

 そこで、駐車整理票の交付・回収及び利用料金の収受の業務を人手により行っている両会社の前記自動車整理場について、機械装置を導入することにより委託費を節減することが可能かどうか調査した。

(調査の結果)

 調査の結果、上記の機械装置を導入している市中の自動車駐車場の運営状況から見て、この機械装置を上記両会社の自動車整理場に導入して、駐車整理票の交付・回収及び利用料金の収受の業務を自動化したとしても自動車整理場の運営に支障はないと認められた。このうち、この機械装置を導入しても経費の節減が見込まれない箇所や駅前再開発事業等が予定されている箇所などを除いて、JR北海道4箇所及びJR東日本7箇所、計11箇所の自動車整理場(注) については、この機械装置を導入して委託費の節減を図る要があると認められた。 

 そして、上記の11箇所に係る委託費の合計は、JR北海道が2年度8205万余円、3年度9491万余円、JR東日本が2年度1億4085万余円、3年度1億3953万余円となっている。

(節減できたと認められる委託費)

 この11箇所の自動車整理場業務を委託するに当たっては、1日当たりの総所要人工を2年度48.07人工、3年度46.54人工と算定していた。しかし、駐車整理票の交付・回収及び利用料金の収受の業務を機械装置を導入して省力化を図ることとして所要人工を算定すると、上記の総所要人工は2年度20.94人工、3年度20.89人工と大幅に減少することになる。

 いま、上記11箇所の自動車整理場業務について、機械装置をリースにより設置することとして委託費を計算すると、新たに必要となるリース料等を考慮してもJR北海道で2年度約1360万円、3年度約1390万円、JR東日本で2年度約4920万円、3年度約4590万円それぞれ節減できたと認められた。

3 当局が講じた改善の処置 

 上記についての本院の指摘に基づき、JR北海道及びJR東日本では、4年10月に支社等に対して、11箇所の自動車整理場に機械装置を導入し委託費の節減を図るよう指示文書を発した。これを受けて、支社等では、同年11月から12月にかけて機械装置を設置するための契約を締結し、5年3月までに委託契約の内容を見直し、委託費の節減を図ることとする処置を講じた。

11箇所の自動車整理場 JR北海道の札幌駅西口、旭川駅、釧路駅及び帯広駅各自動車整理場並びにJR東日本の東京駅、小山駅、仙台駅西口、仙台駅東口、秋田駅、新潟駅万代口及び長岡駅大手口各自動車整理場