科目 | (款)建設勘定 (項)安全対策 |
部局等の名称 | 東京地域本社 |
工事名 | 南越谷・吉川間72k440M付近(左右)抑止くい新設工事 |
工事の概要 | 武蔵野線の防災工事の一環として、南越谷駅と吉川駅の間の盛土部において、盛土の崩壊を防止するために抑止杭を施工する工事 |
工事費 | 51,161,542円(当初契約額50,144,932円) |
請負人 | 東鉄工業株式会社 |
契約 | 平成6年1月 随意契約 |
しゅん功検査 | 平成6年3月 |
支払 | 平成6年5月 |
割高になっている工事費 | 1170万円 |
1 工事の概要
この工事は、東日本旅客鉄道株式会社東京地域本社が、武蔵野線の防災工事の一環として、南越谷駅と吉川駅の間の盛土部において、盛土の崩壊を防止するために、平成5年度に、抑止杭打込工として、H形鋼(長さ8.7mのもの125本、9.2mのもの124本、計249本、総重量209.46t)をバイブロハンマにより打ち込むなどの工事を工事費51,161,542円で施行したものである(参考図参照)
。
その工事の内容は、次のとおりである。
(ア) 作業用道路を整備し、施工現場に搬入したH形鋼をトラックから取り卸す。
(イ) H形鋼を打ち込む箇所をアースオーガにより1mから2mの間隔で削孔する。
(ウ) H形鋼をバイブロハンマにより打ち込み、盛土を整正した後、作業用道路を撤去する。
上記工事の工事費の積算に当たっては、東日本旅客鉄道株式会社本社制定の「土木関係積算標準」等及び一般に公表されている積算参考資料を基に行い、このうちH形鋼の材料費、運送費、打込費等を含む抑止杭打込工費を28,766,223円と積算していた。
2 検査の結果
抑止杭打込工費の積算について検査したところ、次のような事態が見受けられた。
(ア) H形鋼の材料費及び運送費については、材料費を8,378,400円(1t当たり40,000円)、施工現場までの運送費を8,378,800円として合計16,757,200円と算定していた。
しかし、H形鋼の材料費は積算参考資料によると、現場持込み価格となっており、施工現場までの運送費が含まれていることから、運送費を材料費と別に計上する必要はなく、したがって、運送費の8,378,800円が過大に積算されていた。
(イ) H形鋼の打込費については、機械損料、労務費等から7,791,200円と算定していたが、コンピュータの入力データ表に誤って9,717,457円と記入し、そのまま入力していたため1,926,257円が過大に積算されていた。
上記のほか、H形鋼の積込費について積算する必要がないものが計157,088円あり、また、盛土法面の仮土留工費等について積算漏れとなっているものが計645,286円あった。
上記により工事費を修正計算すると、抑止杭打込工費は18,949,364円となり、諸経費等を含めた工事費総額は39,461,293円となる。したがって、本件契約額51,161,542円はこれに比べて約1170万円割高になっていると認められる。