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  • 平成7年度|
  • 第2章 個別の検査結果|
  • 第2節 団体別の検査結果|
  • 第9 環境事業団|
  • 不当事項|
  • 貸付金

産業廃棄物処理施設の設置に要する資金の貸付けが不当と認められるもの


(228)−(229) 産業廃棄物処理施設の設置に要する資金の貸付けが不当と認められるもの

科目 (一般業務勘定) (項)貸付金
部局等の名称 環境事業団
受託金融機関 北門信用金庫ほか1金融機関
貸付けの根拠 環境事業団法(昭和40年法律第95号)
貸付金の種類 産業廃棄物処理施設の設置に要する資金
貸付けの内容 産業廃棄物処理業者に対する産業廃棄物処理施設の設置に必要な資金の貸付け
貸付件数 2件
貸付金の合計額 259,000,000円
不当貸付金額 38,891,099円
 環境事業団で行った上記の2件259,000,000円の貸付けにおいて、38,891,099円の貸付けがその目的に沿わない結果になっていて、不当と認められる。

1 貸付金の概要

 環境事業団(以下「事業団」という。)は、生活環境の維持改善等に資するため、産業廃棄物処理業者及び地方公共団体に対し、産業廃棄物を処理するための焼却炉等の施設の設置(施設の設置に必要な土地の取得を含む。)に要する資金を直接又は金融機関に委託して貸し付けている。
 このうち、事業団が金融機関に委託して貸付けを行う場合は、受託金融機関が借入申込書類の審査を行った後、事業団において、所定の条件を満たしていると認めたものに対し貸付決定を行うこととしている。そして、受託金融機関は、貸付金の使途や工事の完成状況を確認し、借入者から提出された工事完成報告書に審査意見を付して事業団に報告することとしている。

2 検査の結果

 事業団の貸付けについて調査した結果、2件259,000,000円の貸付けにおいて、38,891,099円の貸付けが不当と認められる。これらは、借入者から事実と相違した内容の工事完成報告がされていたのに、これに対する確認が十分でなかったなどのため、資金が過大に貸し付けられていたものである。

 これを貸付先別に示すと次のとおりである。

受託金融機関名 貸付先
(所在地)
貸付対象 貸付年月
(貸付利率)
貸付対象事業費 左に対する貸付金額 貸付金額のうち不当と認める額 摘要

(228)

北門信用金庫

産業廃棄物処理業者
(砂川市)

焼却炉の設置
6.9
(年4.05%)
千円
38,000
千円
30,000
千円
6,193

低額実施
 この貸付けは、建設廃材等の焼却炉1基の設置に必要な資金38,000,000円の一部として30,000,000円を貸し付けたものである。借入者は、この施設を建設業者に一括して請け負わせ貸付対象事業費どおりの額で設置したとしているが、実際は工種ごとにそれぞれの専門業者に請け負わせるなどして、これより低額な29,758,100円で設置していた。
 したがって、この事業についての適正な貸付金額を計算すると23,806,480円となるので、本件貸付金額との差額6,193,520円が過大な貸付けとなっている。
 なお、本件の不当貸付金額については、平成8年9月に繰上償還された。
(229) 株式会社広島総合銀行 産業廃棄物処理業者
(広島市)
焼却炉の設置等 7.3
(年4.5%)
294,231 229,000 32,697 低額実施
 この貸付けは、医療廃棄物の焼却炉2基等の設置とそのための土地(4,098m2 )の取得に必要な資金294,231,000円の一部として229,000,000円を貸し付けたものである。借入者(法人)は、このうち、土地の取得については関係者(同法人の代表取締役)から101,000,000円で購入したとしているが、実際は売買代金を変更してこれより低額な52,147,027円で購入していた。
 したがって、この事業についての適切な貸付金額を計算すると196,302,421円となるので、本件貸付金額との差額32,697,579円が過大な貸付けとなっている。
 なお、本件の不当貸付金額については、平成8年6月に繰上償還された。
(228)(229) の計 332,231 259,000 38,891