科目 | (款)横断道路建設費(項)工費 |
部局等の名称 | 東京湾横断道路株式会社本社 |
契約名 | 土地賃貸借契約 |
契約の概要 | 東京湾横断道路の建設に伴い、コンクリート製品や発生土の仮置き、積出しなどを行うための用地を賃借するもの |
支払金額 | 平成3年度〜7年度 計921,095,205円 |
契約の相手方 | 新日本製鐵株式會社 |
契約 | 平成3年 | 9月 | 〜8年3月 | 随意契約 |
支払 | 平成3年 | 10月 | 〜8年3月 | 22回 |
1 契約の概要
(契約の内容)
東京湾横断道路株式会社(以下「会社」という。)では、千葉県富津市所在の土地の一部を賃借するため、平成3年9月に新日本製鐵株式會社と土地の賃貸借契約を締結している。この土地は、東京湾横断道路の建設に伴い、コンクリート製品や発生土の仮置き、積出しなどを行うための用地(以下「作業ヤード」という。)として使用するものである。
そして、会社では、当該土地に係る借地料(借地面積46,500m2
から198,000m2
まで)として3年度から7年度までの間に計921,095,205円を支払っていた。
(借地料の算定及び支払)
それぞれの年度における借地料の算定及び支払の状況は次のとおりである。
(ア) 3年度では、借地料の算定に当たり、不動産鑑定業者2社に鑑定評価を依頼したところ、その鑑定評価額が1m2 当たり月額145円及び146円となっていたことなどから、145円を契約単価として決定し、この契約単価により上記の賃貸借契約を締結していた。そして、契約単価145円に作業ヤードの月単位の借地面積を乗じて月額借地料を算定し、これにより借地料43,597,005円を支払っている。
(イ) 4年度では、鑑定評価を行わず、3年度と同じ契約単価145円に基づき月額借地料を算定し、これにより借地料108,106,200円を支払っている。
(ウ) 5年度では、経済事情等が変化したことなどの理由から借地料の見直しを行うため、上記の両不動産鑑定業者に鑑定評価を依頼したところ、鑑定評価額がいずれも1m2 当たり月額145円となっていたことから、契約単価の改定を行わなかった。そして、契約単価145円に基づき月額借地料を算定し、これにより借地料198,882,000円を支払っている。
(エ) 6年度では、固定資産税の土地の評価額が改定されたことなどの理由から借地料の見直しを行うため、上記の両不動産鑑定業者に鑑定評価を依頼したところ、その鑑定評価額が1m2 当たり月額150円及び151円となっていたことから、150円を契約単価として決定した。そして、これにより上記賃貸借契約の契約単価を改定し、契約単価150円に基づき月額借地料を算定し、これにより借地料229,860,000円を支払っている。
(オ) 7年度では、鑑定評価を行わず、6年度と同じ契約単価150円に基づき月額借地料を算定し、これにより借地料340,650,000円を支払っている。
2 検査の結果
(契約単価の誤り)
調査したところ、契約単価の根拠となっている鑑定評価の1m2
当たりの月額単価は、3年度の鑑定評価では、土地の公示価格等を基にした純賃料と必要諸経費との合計額となっており、必要諸経費には、当該土地に係る都市計画税相当額が含まれていた。また、5年度及び6年度の鑑定評価では、都市計画税相当額が含まれた従前の月額単価に物価変動等の指数を乗ずるなどして算定されていた。そして、会社では、これらの鑑定評価額に基づき契約単価を決定したため、借地料には必要諸経費として、都市計画税相当額が3年度1,242,757円、4年度3,081,626円、5年度4,938,098円、6年度4,753,809円及び7年度7,045,092円、計21,061,382円含まれていた。
しかし、富津市では、当該土地を含む都市計画区域全域において都市計画税を課税していなかった。
したがって、借地料には都市計画税相当額を見込む必要はなく、会社において、鑑定評価額に都市計画税相当額が含まれていたことを見過ごし、この鑑定評価額により契約単価を決定していたのは適切とは認められない。
(割高になっている借地料)
上記により都市計画税相当額を控除して計算すると、過小となっていた固定資産税相当額の分を考慮しても、3年度から7年度までの借地料は900,945,253円となり、本件借地料計921,095,205円はこれに比べて20,149,952円割高になっていると認められる。