会計名及び科目 | 一般会計 | (組織)法務本省 | (項)法務本省等 |
(組織)法務局 | (項)法務局 | ||
(組織)検察庁 | (項)検察官署等 | ||
(組織)矯正官署 | (項)矯正官署等 | ||
(組織)更生保護官署 | (項)更生保護官署等 | ||
(組織)地方入国管理官署 | (項)地方入国管理官署等 | ||
(組織)公安調査庁 | (項)公安調査庁 | ||
登記特別会計 | (項)事務取扱費 | ||
部局等の名称 | 法務本省ほか255官署 | ||
契約の概要 | 職員が官署を離れて業務を行う際の連絡手段として電話会社の携帯電話等のサービスを利用するもの | ||
契約の相手方 | エヌ・ティ・ティ移動通信網株式会社ほか18会社 | ||
支払金額 | 116,182,663円(平成7年4月〜8年10月) | ||
節減できた電話料金 | 2,990万円 | ||
<検査の結果> | |||
上記の256官署において、携帯電話等の利用に当たり、発信量が少なくダイヤル通話料が少額となることが見込まれるものについて、経済的な料金種別を選択していたとすれば、電話料金を約2,990万円節減できたと認められた。 このような事態が生じていたのは、各官署において、経済的な料金種別の選択に対する配慮が十分でなく、そのまま従前からの料金種別によっていたことなどによると認められた。 |
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<当局が講じた改善の処置> |
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本院の指摘に基づき、法務省では、平成8年11月に各官署に対して通知を発し、料金種別の見直しを行うなどの措置を執るよう指示し、各官署では、使用実態を勘案して経済的な料金種別を選択する処置を講じた。 |
1 携帯電話等の料金の概要
法務省では、本省ほか全国の法務局、地方検察庁、刑務所等の官署において、携帯電話及び自動車電話(以下「携帯電話等」という。)を導入している。これは、職員が官署を離れて業務を行う際の連絡の用に供するためのもので、各官署では、各電話会社との間で加入契約を締結して利用している。
携帯電話等の料金は、各電話会社とも、基本使用料、ダイヤル通話料、付加機能使用料等から構成されている。基本使用料及び付加機能使用料は毎月の定額制で、これに月間の発信量に応じたダイヤル通話料を合算するなどして、毎月の料金が算定されている。
上記の料金のうち基本使用料及びダイヤル通話料については、平成6年4月以降、各電話会社において、標準的な料金種別(以下「標準型料金」という。)に比べて基本使用料を安くダイヤル通話料を高く設定した料金種別(以下「ローコール型料金」という。)が導入されている。これは、発信量が少ない個人等の需要を拡大するために導入されたもので、携帯電話等の加入者は、標準型料金にするかローコール型料金にするかを随時選択できるようになっている。
2 検査の結果
近年、法務省の各官署における携帯電話等の利用台数は急増してきている。そこで、各官署において、携帯電話等を利用するに当たり、見込まれる発信量に応じて経済的な料金種別を選択しているかという観点から調査した。
法務本省ほか371官署(注1) において、8年4月から同年10月までの間に利用していた携帯電話等2,301台を対象として、7年4月支払分から8年10月支払分までの料金のうち基本使用料及びダイヤル通話料(支払額計201,258,481円)について調査した。
調査したところ、上記の2,301台のうち、8年4月1日(同月2日以降加入契約を締結しているものについては、当該契約日)現在、1,212台についてはローコール型料金を選択しており、残りの1,089台については標準型料金を選択していた。この1,089台については、利用開始時(ローコール型料金の導入前から利用しているものについては、その導入時)にローコール型料金を選択せず標準型料金を選択していた。
しかし、これら標準型料金を選択していたものも、ローコール型料金を選択していたものと同様に、そのほとんどが官署との緊急連絡などのために利用されているもので、発信量が少なくダイヤル通話料が少額となっている状況であった。
このようにダイヤル通話料が少額である場合には、その額によっては、ローコール型料金の方が経済的になる。例えば、A会社のディジタル方式(800MHz)において8年4月に適用されていた基本使用料及びダイヤル通話料についてみると、標準型料金では基本使用料が6,800円、ダイヤル通話料が通常料金(平日の昼間では、10円/10秒)となるのに対して、ローコール型料金では基本使用料が4,200円、ダイヤル通話料が通常料金の1.6倍となっている。したがって、この場合、ダイヤル通話料が通常料金で4,330円以下であれば、その1.6倍のダイヤル通話料を支払っても基本使用料が安いローコール型料金の方が経済的となる。
そこで、上記の1,089台についてローコール型料金との経済比較を行ったところ、法務本省ほか255官署(注2) において利用していた1,018台(支払額計116,182,663円)については、7、8各年度ともローコール型料金を選択した方が経済的となっていた。
したがって、携帯電話等の利用に当たり、発信量が少なくダイヤル通話料が少額となることが見込まれる場合には、ローコール型料金を選択して、電話料金の節減を図る要があると認められた。
上記の1,018台について、ローコール型料金を選択していたとすれば、7年4月から8年10月までの支払料金は、ダイヤル通話料が916万余円増加するものの、基本使用料が3,911万余円減少し、差し引き約2,990万円節減できたと認められた。
このような事態が生じていたのは、ローコール型料金の制度が導入されているのに、各官署において、経済的な料金種別の選択に対する配慮が十分でなく、そのまま従前からの料金種別によっていたことなどによると認められた。
3 当局が講じた改善の処置
上記についての本院の指摘に基づき、法務省では、8年11月に各官署に対して通知を発し、料金種別の見直しを行うなど、料金制度の改変に対応した措置を執るよう指示し、各官署では、使用実態を勘案して経済的な料金種別を選択する処置を講じた。
(注1) | 法務本省ほか371官署 | 法務本省、東京法務局ほか49法務局及び地方法務局、最高検察庁ほか58高等検察庁及び地方検察庁、東京矯正管区ほか185矯正施設、関東地方更生保護委員会ほか55地方更生保護委員会及び保護観察所、東京入国管理局ほか10入国管理局及び入国者収容所、公安調査庁ほか8公安調査局 |
(注2) | 法務本省ほか255官署 | 法務本省、東京法務局ほか14法務局及び地方法務局、最高検察庁ほか45高等検察庁及び地方検察庁、東京矯正管区ほか132矯正施設、関東地方更生保護委員会ほか42地方更生保護委員会及び保護観察所、東京入国管理局ほか8入国管理局及び入国者収容所、公安調査庁ほか8公安調査局 |