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  • 平成8年度|
  • 第2章 個別の検査結果|
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生活保護費負担金の経理が不当と認められるもの


(57)−(60) 生活保護費負担金の経理が不当と認められるもの

会計名及び科目 一般会計 (組織)厚生本省 (項)生活保護費
部局等の名称 東京都ほか2県
国庫負担の根拠 生活保護法(昭和25年法律第144号)
事業主体 県1、市2、特別区1、計4事業主体
国庫負担対象事業 生活保護事業
国庫負担対象事業の概要 生活に困窮する者に対し最低限度の生活を保障するため、その困窮の程度に応じて必要な保護を行うもの
上記に対する国庫負担金交付額の合計 46,341,684円
不当と認める国庫負担金交付額 29,423,299円
 上記の補助事業において、保護を受ける世帯における就労収入等の額を過小に認定したり、保護を受ける世帯に係る診療報酬の負担額を過大に認定したりなどして保護費の額を決定し、保護費が不適正に支給されていたため、国庫負担金29,423,299円が過大に交付されていて、不当と認められる。

1 負担金の概要

 生活保護費負担金は、都道府県又は市町村(特別区を含む。)が、利用し得る資産や能力等あらゆるものを活用してもなお生活に困窮する者に対し、最低限度の生活を保障するため、その困窮の程度に応じて必要な保護を行う場合に、その費用の一部を国が負担するものである。

 そして、この負担金の各事業主体に対する交付額は、次により算定することとなっている。

そして、この負担金の各事業主体に対する交付額は、次により算定することとなっている。

 この費用の額及び返還金等の額は、それぞれ次により算定することとなっている。

(ア) 費用の額は、次の〔1〕 及び〔2〕 に〔3〕 を加えて算定する。

〔1〕 保護を受ける世帯(以下「被保護世帯」という。)を単位として、その所在地域、構成員の数、年齢等の別に応じて算定される生活費の額から、その被保護世帯における就労収入、年金受給額等を基に収入として認定される額を控除して決定された保護費の額の合計額

〔2〕 被保護者が医療機関で診察、治療等の診療を受けるなどの場合の費用(診療報酬等)として決定された保護費の額の合計額

〔3〕 事業主体の事務経費

(イ) 返還金等の額は、急迫の場合等において資力があるにもかかわらず保護を受けた者が、資産を売却するなどして収入を得たときに返還した保護費の額等の合計額である。

2 検査の結果

 検査の結果、東京都練馬区ほか3事業主体では、次のとおり、収入の認定等に当たって調査が十分でなく、保護費を不適正に支給したため、国庫負担金29,423,299円が過大に交付されていて、不当と認められる。

(ア) 被保護者が、就労して相当額の収入を得ていたり、年金を受給していたりなどしているのに、被保護世帯から事実と相違した届出がなされ、これにより収入を実際の額より過小に認定して保護費の額を決定していた。

(イ) 被保護者に健康保険の適用があるのにないとして、同人に係る診療報酬の全額を負担し、これを医療機関に支払うこととして保護費の額を決定していた。

 これを都県別に示すと次のとおりである。

都県名 事業主体 年度 国庫負担対象事業費 左に対する国庫負担金 不当と認める国庫負担対象事業費 不当と認める国庫負担金

摘要


(57)

東京都

練馬区

3〜8
千円
16,573
千円
12,430
千円
5,939
千円
4,454

年金収入を過小に認定していたものなど
(58) 福岡県 福岡県 3〜8 22,307 16,730 19,072 14,304 診療報酬の負担額を過大に認定していたものなど
(59)  同 春日市 元〜8 7,710 5,782 4,365 3,274 年金収入を過小に認定していたもの
(60) 沖縄県 那覇市 3〜8 15,197 11,398 9,853 7,390 就労収入を過小に認定していたものなど
(57)-(60)の計 61,788 46,341 39,231 29,423