会計名及び科目
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一般会計 (組織)厚生労働本省 (項)児童保護費
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部局等の名称
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北海道ほか6都府県
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補助の根拠
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予算補助
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補助事業者(事業主体)
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都、県3、市4、計8事業主体
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補助事業
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産休等代替職員制度事業
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補助事業の概要
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児童福祉施設等の職員の出産又は疾病による休業期間に、産休等代替職員を臨時的に任用するために要する経費に対して補助するもの
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上記に対する国庫補助金交付額
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444,059,000円(平成15、16両年度)
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不当と認める国庫補助金交付額
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25,467,000円(平成15、16両年度)
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児童保護費等補助金(産休等代替職員制度事業に係る分。以下「補助金」という。)は、児童福祉施設等の保育士等が出産又は傷病のため長期間の休暇を必要とする場合、当該保育士等(以下「産休等職員」という。)の母体の保護又は療養の保障を図りつつ、施設における児童等の処遇を確保することを目的として、都道府県又は政令指定都市若しくは中核市(以下「都道府県等」という。)が産休等代替職員(以下「代替職員」という。)の任用に係る費用を負担した場合に、国がその費用の3分の1に相当する額を補助するものである。
児童福祉施設等のうち、社会福祉法人等が設置する保育所(以下「民間保育所」という。)における代替職員は、「産休等代替職員制度の実施について」(昭和51年厚生省児発第68号厚生省児童家庭局長通知。以下「実施要綱」という。)に基づき、民間保育所に勤務する常勤の職員が長期間にわたる休暇を必要とする場合に、その職員の職務を行わせるため臨時的に任用するもので、保育士、看護師等の職種ごとに産休等職員と同一の資格を有する者とされている。
そして、実施要綱によると、上記のように代替職員を任用する場合の期間は、出産では、出産予定日の6週間前の日から産後8週間(当該都道府県等の条例等で休業の期間を定めたときは、その期間)の日までの期間内、傷病では、31日以上の療養を継続する場合で休暇開始後30日を経過した日から起算して60日までの期間内とされている。
民間保育所が代替職員を任用する場合においては、事前に産休等代替職員任用承認申請書を都道府県等に提出して承認を受け、任用期間終了後に、都道府県等に対して交付申請を行うこととされている。
そして、補助金の交付額は、「特別保育事業費等補助金交付要綱」(平成7年厚生省発児第133号)に基づき、代替職員の基準単価1人1日当たり平成15年度6,000円、16年度5,940円に当該民間保育所に勤務した日数を乗じて得た額を基準額として、次のとおり算定することとなっている。
〔1〕 基準額と補助対象経費の実支出額とを比較して少ない方の額と、総事業費から寄付金その他の収入額を控除した額とを比較して少ない方の額を選定する。
〔2〕 〔1〕により選定された額を国庫補助基本額とし、これに3分の1を乗じて得た額を交付額とする。
北海道ほか14都県市の15事業主体に交付された15、16両年度の補助金について、事業実績報告書等により検査した。
検査したところ、東京都ほか3県4市の8事業主体において、〔1〕代替職員は臨時的に任用するものであるのに、従前から当該民間保育所に勤務する常勤職員を代替職員としていたり、〔2〕代替職員は産休等職員と同一の資格を有する者であるとされているのにその資格を有していない者を任用したりなどしていた。このため、173民間保育所に係る補助金が過大に交付されており、国庫補助金計25,467,000円が不当と認められる。
上記の事態について、それぞれ一例を示すと次のとおりである。
<事例1> 常勤職員を代替職員としていたもの
A市では、B社会福祉法人が運営するC保育園において、保育士Dが平成16年4月から7月までの期間に出産休暇を必要とすることになったため保育士Eを代替職員として任用するとしていたことから、任用に係る費用として基準単価5,940円に勤務日数71日を乗じて得た額421,740円を交付していた。
しかし、保育士Eは11年4月から同保育園に勤務している常勤職員であって、保育士Dの職務を行わせるため臨時的に任用された者ではないことから、本件補助の対象とは認められないものであり、上記の交付額に係る国庫補助金相当額140,580円が過大となっていた。
<事例2> 産休等職員と同一の資格を有しない者を任用していたもの
F市では、G社会福祉法人が運営するH保育園において、保育士Iが平成16年10月から17年1月までの期間に出産休暇を必要とすることになったため保育士Jを代替職員として任用するとしていたことから、任用に係る費用として基準単価を上回る1人1日当たり6,990円に勤務日数62日を乗じて得た額433,380円を交付していた。
しかし、保育士Iの職務を行わせるために任用したJは保育士の資格を有しない者であることから、本件補助の対象とは認められないものであり、上記の交付額に対する基準額(基準単価5,940円に勤務日数を乗じて得た額)368,280円に係る国庫補助金相当額122,760円が過大となっていた。
このような事態が生じていたのは、事業主体において、実施要綱等についての理解が十分でなかったこと、民間保育所から提出された実績報告書等の審査、確認が適切でなかったことなどによると認められる。
これを都道府県別・事業主体別に示すと次のとおりである。
都道府県名
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事業主体
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年度
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国庫補助基本額
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左に対する国庫補助金
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左のうち不当と認める国庫補助金
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摘要
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千円
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千円
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千円
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|||||
(138)
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北海道
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札幌市
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15、16 | 59,680
|
19,893
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1,914
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常勤職員を代替職員としていたものなど
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(139)
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福島県
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福島県
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15、16 | 54,787
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18,261
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2,303
|
同
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(140)
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東京都
|
東京都
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15、16 | 811,633
|
270,543
|
3,033
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産休等職員と同一の資格を有していない者を任用していたものなど
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(141)
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京都府
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京都市
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15、16 | 133,667
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44,555
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7,902
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常勤職員を代替職員としていたものなど
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(142)
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島根県
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島根県
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15、16 | 67,450
|
22,482
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2,197
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産休等職員と同一の資格を有していない者を任用していたものなど
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(143)
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岡山県
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倉敷市
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15、16 | 44,038
|
14,612
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2,003
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常勤職員を代替職員としていたものなど
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(144)
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福岡県
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福岡県
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15、16 | 113,534
|
37,844
|
2,604
|
同
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(145)
|
同
|
福岡市
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15、16 | 47,608
|
15,869
|
3,511
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常勤職員を代替職員としていたもの
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(138)
—(145)
の計
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1,332,400
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444,059
|
25,467
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