会計名及び科目
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一般会計
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(組織)経済産業本省
(項)経済産業本省
(項)地域経済活性化対策費
(項)経済協力費
(項)産業技術振興費
(項)情報処理振興対策費
(組織)経済産業局
(項)都市再生プロジェクト推進調査費
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石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計
(石油及びエネルギー需給構造高度化勘定)
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(項)エネルギー需給構造高度化対策費
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部局等の名称
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経済産業本省、関東経済産業局
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委託事業
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アジア産業基盤強化等事業(AMEICC・COE-FUプログラム評価及びCOE-PDPプログラム基礎調査)ほか23事業
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委託事業の概要
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調査・研究等の事業等を他の団体に委託して実施するもの
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委託契約の相手方
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財団法人日本経済研究所ほか5公益法人
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契約
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平成15年6月〜17年2月 随意契約
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支払額
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6億6394万余円
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(平成15、16両年度)
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節減できた委託費
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7517万円
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(平成15、16両年度)
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経済産業省では、調査・研究等の事業等をその執行の便宜性、効率性等にかんがみて他の団体に委託して行わせているものが毎年度多数あり、その支払額は平成15年度581億余円、16年度620億余円となっている。
これら他の団体に委託している事業等(以下「委託事業」という。)に係る委託費の支払額は、委託先で委託事業に従事する者の人件費、委託事業に要する旅費交通費、一般管理費等の経費の区分ごとに委託契約で定めた上限額の範囲内で、委託先の実支出額とされている。
このうち人件費は、従事者の1時間当たりの人件費単価に当該委託事業に従事した時間を乗じて算定することになっている。そして、この場合の人件費単価は、従事者に実際に支払われた給与等の額から算出される単価(以下「実績単価」という。)を原則とし、委託先において事業等を受託する場合に適用する人件費単価(以下「受託単価」という。)を定めている場合には、これを用いることもできることにしている。
委託先は、委託事業に係る収支を明らかにした帳簿等を備えるとともに、従事者が実際に委託事業に従事した時間を明らかにするため、業務日誌を作成しなければならないこととされている。
そして、経済産業省では、委託事業終了後、委託先から提出された実績報告書及びその添付書類や現地調査等により、委託事業が当初の目的を達成しているか、支出した内容が適正であるかなどについて審査・確認を行うこととしている。その際、特に人件費については、委託先の出勤簿、給与台帳、業務日誌等により、実績報告書に記載されている従事者の人件費単価や委託事業への従事時間は適正かなどについて審査・確認することとしている。
経済産業省が調査・研究等を目的として実施する委託事業は、毎年件数、支払額とも多くなっており、委託費の中に占める人件費の割合の高いものが多い。また、本院のこれまでの検査の結果、同省所管の公益法人が実施する委託事業において人件費の算定が不適切となっている事態が見受けられており、決算検査報告にも掲記しているところである。
そこで、合規性等の観点から、委託費における人件費の算定は適切なものとなっているかなどに着眼し、経済産業本省及び8経済産業局(注1)
が15、16両年度に25公益法人に委託して実施した64件の委託事業(支払額計36億3978万余円)について、その実績報告書、給与台帳、業務日誌等により検査を実施した。
検査したところ、経済産業本省及び関東経済産業局が財団法人日本経済研究所ほか5公益法人(注2) に委託して実施した委託事業24件(支払額15年度3億0598万余円、16年度3億5796万余円、計6億6394万余円)において、次のような事態が見受けられた((1)、(2)の事態には重複しているものがある。)。
4公益法人に委託した15件の委託事業において、委託先では、受託単価に委託事業の従事時間を乗じて、人件費を計2億0999万余円と算定していた。しかし、その際、委託先では、他の団体からの出向者等であって、委託先が給与等の全部又は一部を負担していない従事者についても、受託単価をそのまま適用するなどしていたため、当該従事者に係る人件費は委託先が実際に支払った給与等の額を反映したものとなっていなかった。そして、これらの従事者に係る人件費計1億1200万余円について実績単価により算定すると、計7247万余円となり、計3953万余円が過大に算定されていた。
5公益法人に委託した17件の委託事業において、委託先では、従事者の実績単価等に委託事業の従事時間を乗じて、人件費を計2億6973万余円と算定していた。しかし、この人件費の算定に当たり、委託先では、従事者が本件委託事業に従事したとする時間に実際には他の委託事業等に従事していたのに、これらの時間も本件委託事業に従事したものとして業務日誌に記載していた。そして、実際には本件委託事業に従事していない時間を除いて人件費を算定すると、計2億4049万余円となり、計2924万余円が過大に算定されていた。
このように、委託先が給与等を負担していない出向者等である従事者の人件費について受託単価を適用していて、委託先の実支出額を反映していないなどの事態や、委託事業以外の用務に従事した時間を委託事業に従事したこととして業務日誌に記載していて、従事者の勤務実態を反映していない事態が数多く見受けられたことは適切とは認められず、是正改善を図る必要があると認められた。
6公益法人の24件の委託事業について、出向者等の実際の給与等及び従事者の実際の従事時間に基づいて人件費を算定し、これに一般管理費を加えるなどして委託費を修正計算すると、計5億8876万余円となり、前記の委託費支払額計6億6394万余円を計7517万余円節減できたと認められた。
このような事態が生じていたのは、次のことなどによると認められた。
ア 経済産業省において、委託事業の従事者が他の団体から給与等が支払われている出向者等である場合の人件費の算定や同時期に他の用務にも従事する場合の業務日誌の記載などの取扱いを明確に示していないこと
イ 委託先において、委託事業の実施に現に要した費用を委託費として計上することについての認識が十分でなかったこと
上記についての本院の指摘に基づき、経済産業省では、委託事業の適正な遂行を図るため、18年9月、次のようなことを定めた実施要領等を整備し、これらについて担当部局及び委託先に周知徹底を図ることとする処置を講じた。
ア 委託先において受託単価を定めている場合であっても、従事者が他の団体から給与等が支払われている出向者等の人件費については、受託単価ではなく当該出向者等に対する実支出額によること
イ 従事者が同時期に他の用務にも従事する場合の業務日誌の記載に当たっては、当該他の各用務に従事した時間についても明確に区分して記載すること
8経済産業局 北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州各経済産業局
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財団法人日本経済研究所ほか5公益法人 財団法人日本経済研究所、社団法人日本ロジスティクスシステム協会、財団法人産業創造研究所、財団法人社会経済生産性本部、財団法人エンジニアリング振興協会、社団法人日本プラント協会
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