会計名及び科目
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港湾整備特別会計(港湾整備勘定)
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(項)港湾事業費
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一般会計 (組織)海上保安庁
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(項)海上保安官署
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部局等の名称
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国土交通本省
海上保安庁
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契約名
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港湾EDIシステムの管理・運営業務
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契約の概要
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国土交通省、海上保安庁及び厚生労働省の三省庁が合同で運用を行う港湾諸手続を電子申請するためのシステムに係る管理・運営を行わせるもの
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契約の相手方
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財団法人港湾空間高度化環境研究センター
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契約
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平成16年4月、17年4月 随意契約
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設備提供費の積算額
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5040万円
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(平成16、17両年度)
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低減できた設備提供費の積算額
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2100万円
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(平成16、17両年度)
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上記のうち、国土交通省に係る額
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1841万円
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国土交通省及びその外局である海上保安庁では、港湾諸手続の情報化・簡素化を図るため、港湾管理者と協力して、港湾諸手続を電子申請するためのシステム(以下「港湾EDIシステム」という。EDI:Electronic・Data・Interchange)を開発し、平成11年10月から運用を開始している。港湾EDIシステムにより電子申請が可能な手続は、当初、港湾管理者及び港長(注)
に係る手続のみであったが、順次拡大され、これに伴うシステム改修を順次行っており、15年7月からは、厚生労働省の検疫所長に係る手続を対象に加えたことにより、港湾EDIシステムは、国土交通省、海上保安庁及び厚生労働省(以下「三省庁」という。)が合同で運用を行っている。
そして、15年7月から、三省庁は下記の〔1〕〜〔5〕を内容とした港湾EDIシステムの管理・運営業務(以下、単に「管理・運営業務」という。)を外部に請け負わせている。
〔1〕 システム構成機器の稼働に必要な設備の提供
〔2〕 システム運営の総括的管理、動作状況の監視等のシステムの監視・運営
〔3〕 利用者からの問い合わせへの対応等の利用者支援
〔4〕 ハードウェア等の保守
〔5〕 システムに障害が発生した場合の関係省庁及び利用者等に対する対応、障害復旧等の利用障害時の処理
上記の管理・運営業務に係る契約事務手続及び経費の負担については、三省庁の各支出負担行為担当官が文書を取り交わし、次のように取り扱うこととしている。
〔1〕 国土交通省が代表者となり、仕様書の作成、業者の選定、予定価格の作成、監督・検査等の事務手続を行う。
〔2〕 契約は、三省庁が連名により契約し、それぞれの経費の負担額は、契約額に三省庁の港湾EDIシステムに係る業務量等に応じて算出した負担割合を乗じた額とする。
これを受けて国土交通省は、仕様書の作成、業者の選定、予定価格の積算、契約書案の作成等の契約に係る一連の事務を行い、海上保安庁及び厚生労働省に対し、支出負担行為に必要な関係書類を送付している。そして、三省庁は連名により管理・運営業務を、港湾EDIシステムに関する調査、開発等を当初より実施している財団法人港湾空間高度化環境研究センター(以下「センター」という。)に随意契約により請け負わせており、16、17両年度における契約額及びそれぞれの負担額(契約額の負担割合)は、表1のとおりとなっている。
表1
年度
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契約額
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負担額(負担割合)
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国土交通省
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厚生労働省
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国土交通本省
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海上保安庁
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16
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当初
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1億2862万余円
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5878万余円〔457/1000〕
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5132万余円〔399/1000〕
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1852万余円〔144/1000〕
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変更契約に伴う負担増加額
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294万円
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— | 294万円(注)
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—
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計
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1億3156万余円
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5878万余円
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5426万余円
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1852万余円
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1億1304万余円
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17
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1億2862万余円
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5170万余円〔402/1000〕
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6379万余円〔496/1000〕
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1311万余円〔102/1000〕
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1億1550万余円
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合計
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2億6019万円
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1億1048万余円
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1億1805万余円
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3164万余円
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2億2854万余円
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国土交通省では、管理・運営業務のうち、港湾EDIシステムのシステム構成機器の稼働に必要な設備の提供のサービス(以下、単に「設備提供サービス」という。)については、下記の5項目の条件を満足することとしていた。
〔1〕 停電、瞬電に対応するための無停電電源装置又は同等の施設設備を備えていること
〔2〕 港湾EDIシステムのすべての機能を実現する上で、必要な回線設備を利用できること
〔3〕 施設には、ハードウェアを設置する上で必要な地震対策等の環境が整備されていること
〔4〕 サーバ等が設置されている部屋は、IDカード等により不正な入退室を防ぐ管理が行われていること
〔5〕 運転中の各装置が正常に動作しているかを監視し、異常発生を速やかに感知できること
そして、国土交通省では、予定価格の積算のうち、設備提供サービスを受けるための費用(以下「設備提供費」という。)については、上記の条件が港湾EDIシステム向けの特別な条件であるとして、センターから見積りを徴し、この見積価格を参考にして得た一式当たりの月額単価100,000円にサーバ等の数量21式を乗じるなどして、16、17両年度ともに2520万円、計5040万円と積算していた。
港湾EDIシステムは、港湾諸手続を電子申請するためのシステムとして重要なものであり、その管理・運営業務費も多額に上っている。また、近年、各種コンピュータシステムのシステム構成機器の稼働に必要な設備の提供等のサービスは、通信事業者等の専門業者に委託することが広く普及してきている。これは、システム構成機器を個々に設置するより、複数のシステム構成機器を集中して設置する方が経済的かつ効率的であることから、セキュリティ対策等を備えた場所に顧客のシステム構成機器を設置させ、必要に応じてシステムの監視等を行うサービス(以下「ハウジングサービス」という。)等を複数の専門業者が提供するようになったことによるものである。そこで、経済性・効率性等の観点から、設備提供費の積算が実態に即したものとなっているかなどに着眼して、システム構成機器の設置状況を調査し、当該調査結果と仕様書の内容とを比較するなどの方法により検査した。
検査したところ、次のような事態が見受けられた。
管理・運営業務を請け負ったセンターでは、前記の国土交通省が定めた条件を満足する設備を保有している会社に設備提供サービスを請け負わせていたが、当該会社も、専門業者として、広く一般の顧客に対してハウジングサービスを提供していた。そして、このサービスにおいても、無停電電源装置を備えていたり、回線設備を利用できたりするなど、前記の国土交通省が定めた条件を満たしていると認められ、その料金をみると前記の設備提供費の積算額より安価となっていた。
また、港湾EDIシステムのシステム構成機器の設置状況を確認したところ、港湾EDIシステムのシステム構成機器は上記の会社が一般の顧客に対してハウジングサービスを提供している場所に設置されている状況であった。
したがって、設備提供費の積算に当たっては、一般の顧客を対象とする専門業者によって必要な条件を満足するサービスが提供されているのであるから、複数の専門業者のハウジングサービスの内容、料金等についても比較検討するなどして、経済的な積算を行う必要があると認められた。
港湾EDIシステムの設備提供費の積算について、専門業者が一般の顧客向けに提供しているハウジングサービスの料金を参考にするなどして修正計算すると、16、17両年度ともに1470万円、計2940万円となり、国土交通省の積算額に比べ、両年度とも1050万円、計2100万円が低減できたと認められた。また、三省庁ごとの低減できた積算額を契約額の負担割合を基に算定すると表2のとおりとなる。
表2
年度
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低減できた積算額(負担割合)
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計
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国土交通省
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厚生労働省
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国土交通本省
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海上保安庁
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16
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1050万円
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479万余円〔457/1000〕
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418万余円〔399/1000〕
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151万余円〔144/1000〕
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898万余円
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17
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1050万円
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422万余円〔402/1000〕
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520万余円〔496/1000〕
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107万余円〔102/1000〕
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942万余円
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計
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2100万円
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901万余円
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939万余円
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258万余円
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1841万余円
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このような事態が生じていたのは、国土交通省において、港湾EDIシステムの設備提供費の積算に当たり、専門業者によって一般の顧客に対してハウジングサービスが提供されているなどの近年の状況に対する認識が十分でなかったこと、ハウジングサービスに係る市場価格を適切に把握していなかったことなどによると認められた。
上記についての本院の指摘に基づき、国土交通省では、18年3月に、関係部署に対し、同年4月以降の設備提供費の積算については、複数の専門業者が提供するサービスの内容、料金を十分把握して積算に反映させることなどを内容とした文書を定めて周知・徹底を図るとともに、同年4月以降に積算する契約に適用することとする処置を講じた。