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  • 平成17年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第2節 団体別の検査結果|
  • 第13 自動車検査独立行政法人|
  • 本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項

自動車検査用機械器具の定期点検に当たり、合理的な方法で費用を計上して作業単価を算定することにより経済的な積算を行うよう改善させたもの


自動車検査用機械器具の定期点検に当たり、合理的な方法で費用を計上して作業単価を算定することにより経済的な積算を行うよう改善させたもの

科目
維持・修繕費
部局等の名称
自動車検査独立行政法人
契約名
自動車検査用機械器具の定期点検請負契約ほか88件
契約の概要
自動車検査場内に設置されている自動車検査用機械器具の定期点検
契約の相手方
株式会社イヤサカほか3社
契約
平成16年4月〜18年2月 随意契約
定期点検に係る予定価格の積算額
2億6211万余円
(平成16、17両年度)
低減できた定期点検に係る予定価格の積算額
4883万円
(平成16、17両年度)

1 定期点検の概要

 自動車検査独立行政法人(以下「検査法人」という。)では、従来国が行っていた自動車検査に関する業務のうち、自動車が道路運送車両法(昭和26年法律第185号)で規定する保安基準に適合するかどうかの審査を地方組織である全国9検査部(注1) 及び84検査事務所の検査場(以下「自動車検査場」という。)で実施している。そして、各検査部等では、各自動車検査場内に設置されている自動車検査用機械器具(以下「検査用機械器具」という。)の定期点検を株式会社イヤサカほか3業者(注2) に請け負わせて実施しており、平成16、17両年度の契約金額はそれぞれ1億3745万余円、1億1733万余円となっている。
 上記契約の予定価格の積算に当たっては、検査法人の本部が毎年定めている「自動車検査用機械器具の定期点検費積算基礎」に基づいて、作業員1人の1時間当たりの作業単価(以下「作業単価」という。)に点検項目の作業時間を乗ずるなどして算定することとしており、16、17両年度の積算額はそれぞれ1億4189万余円、1億2022万余円、計2億6211万余円となっている。
 検査法人では、作業単価の算定に当たっては、検査用機械器具の定期点検の作業内容に適合するような積算基準がないことから、民間の自動車整備事業者の財務状況の数値を参考にして整備作業に係る整備原価と一般管理費を合計し、これを平均整備要員数及び1人当たりの年間稼働時間で除するなどして算定している。そして、上記の整備作業に係る整備原価は整備要員人件費、工場費及び減価償却費の3つの費用で構成されている。

2 検査の結果

(検査の観点、着眼点及び方法)

 検査用機械器具の定期点検については、検査法人が定めている「自動車検査用機械器具の管理要領」により、3箇月ごと及び6箇月ごとにそれぞれ定められた項目について点検を行うこととされており、その契約金額も毎年多額に上っている。
 そこで、経済性・効率性等の観点から、検査法人の作業単価の算定方法が定期点検の作業実態を反映しているかに着眼して、定期点検の作業環境や使用する機材等を自動車検査場において確認するなどして検査した。

(検査の結果)

 検査したところ、次のとおり適切とは認められない事態が見受けられた。

(1)工場費について

 工場費には、民間の自動車整備工場の運営に要する電気、ガス、消耗品等の経費が含まれており、前記の整備要員人件費に対する工場費の割合は約30%となっていた。しかし、本件定期点検作業は、請負業者の作業員が検査法人の自動車検査場に赴いて点検作業を行うため、検査用機械器具の定期点検の作業時に請負業者に発生する経費は、潤滑油等の消耗品、検査に用いる工具、計測器の損料等の限られたものであり、電気、ガス等に係る経費は請負業者には発生しない。したがって、工場費をそのまま作業単価の算定に含めることは適切とは認められない。
 本件業務に類似する建築、機械設備等の点検保守等保全業務に係る積算について定めている「建築保全業務積算基準」(国土交通省大臣官房官庁営繕部監修)によれば、保全業務を行う際に必要な物品を消費することによって発生する費用である直接物品費は、機械設備の定期点検及び保守の場合は直接人件費の8%〜12%とされている。

(2)減価償却費について

 減価償却費には、民間の自動車整備工場で整備業務を行うための建物、機械設備等の減価償却費が計上されているが、検査用機械器具の定期点検では、前記のとおり作業員が検査法人の自動車検査場に赴いて点検作業を行うため、このような費用は請負業者には発生しない。したがって、減価償却費を作業単価の算定に含めることは適切とは認められない。
 上記のように、検査法人において作業単価を算定する過程で、検査用機械器具の定期点検では請負業者に発生しない経費が含まれており、これを基に算定された作業単価は、作業実態に照らして割高なものとなっていたと認められた。
 したがって、定期点検に係る予定価格の積算に当たり、請負業者に発生しない経費を除くなどして合理的な方法で費用を計上して作業単価を算定することにより、経済的な積算を行うよう改善する必要があると認められた。

(低減できた定期点検に係る予定価格の積算額)

 上記のとおり、検査用機械器具の定期点検に係る予定価格の積算について、定期点検では発生しない工場費及び減価償却費を除くなどして合理的な方法で費用を計上し、作業単価を見直して修正計算すると、16、17両年度の積算額はそれぞれ1億1685万余円、9643万余円、計2億1328万余円となり、前記の積算額2億6211万余円を4883万余円低減できたと認められた。

(発生原因)

 このような事態が生じていたのは、検査法人において、作業単価が合理的な方法で費用を計上して算定されているかなどの検討が十分でなかったことによると認められた。

3 当局が講じた改善の処置

 上記についての本院の指摘に基づき、検査法人では、検査用機械器具の定期点検に係る予定価格の積算に当たり、定期点検では発生しない費用を除くなどした合理的な作業単価の算定方法に改め、18年9月に各検査部等に通知を発し、同年10月から改定した作業単価の算定方法により積算を行うこととする処置を講じた。

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