科目
|
機械装置
|
|
部局等の名称
|
独立行政法人自動車事故対策機構(平成15年9月30日以前は自動車事故対策センター)
|
|
物件名
|
核医学画像診断装置
|
|
物件の概要
|
放射線を放出する元素を含む薬剤を用いて患者の脳血流量を測定する装置
|
|
取得価格
|
126,000,000円
|
|
取得年月日
|
平成13年3月30日
|
|
取得価格のうち不当と認められる減価償却相当額
|
91,176,944円
|
独立行政法人自動車事故対策機構(平成15年9月30日以前は自動車事故対策センター。以下「機構」という。)は、自動車事故による被害者で、脳損傷等による重度の後遺障害が存するため治療及び常時の介護を必要とする者を収容して治療及び養護を行う療護センターを4箇所設置している。また、療護センター以外の患者(以下「外部患者」という。)も療護センターの医療機器による検査が受けられるように、外部患者の検査を受託して行うことにしている。
そして、機構は、入院患者の脳血流量を測定することにより治療の増進を図るため核医学画像診断装置(以下「RI」という。)を導入している。このうち千葉療護センター(以下「千葉センター」という。)に導入したRIについては、経年等による損耗が著しいことから更新することとし、13年3月に国からの出資金を原資として新たなRIを取得している。
千葉センターに導入されたRIについて、その使用及び維持管理の状況を検査したところ、次のような事態が見受けられた。
本件RIは、取得から18年2月までの5年間、入院患者の治療については一度も使用されず、また、外部患者のRI検査の受託についても、他の療護センターにおいては実績があるものの、千葉センターにおいては地域医療機関との連携が図られていなかったことから実績がなく、結局一度も使用されていない状況となっていた。
また、機構は中期計画(15年10月1日から19年3月31日までの期間)等においても、地域医療機関との連携を図り、医療機器による外部患者の検査を積極的に受託することとしていたが、千葉センターにおけるRIの外部患者への利用を促進するための特段の取組がされていなかった。
機構は、千葉センターにおいて、14年9月にRI使用時に発生する放射能を含んだ汚水を処理する排水槽等の定期点検を実施した際、排水槽のポンプに故障が発見されたことから、ポンプを修理しなければRIを使用できないと判断したが、当面はRIを使用する予定が無いとして修理を行っていなかった。
また、RIの保守点検は、15年度までは年間4回実施されていたが、16、17両年度は行われておらず、RIの機能を維持するための管理がなされていなかった。
上記のように、国からの出資金で取得したRIについて、取得から18年2月までの5年間、入院患者の治療に用いられていない状況が継続していたにもかかわらず外部患者の検査の受託など有効活用を図るための対策が執られず、また、RIの機能を維持するための管理も行われないまま、遊休化していた事態は適切とは認められない。
このような事態が生じていたのは、機構においてRIの有効活用及び適切な維持管理についての認識が十分でなかったことなどによると認められる。
したがって、本件RI(取得価格126,000,000円、18年2月末時点の帳簿価格34,823,056円)については、取得の目的が達成されておらず、取得から5年間の遊休化していた期間における減価償却相当額91,176,944円が不当と認められる。