17年度の地方財政計画の歳入、歳出の総額は83兆7687億円であり、表1—1のように区分されている。地方財政計画では、これらの歳入歳出について、地方公共団体の実際の収支見込額を積み上げたものではなく、標準的な水準における収入及び支出の額をその区分に応じて計上しているものである。
国は地方に対して、国庫補助事業のほか法令等を通じて義務付けた行政事務があることから、地方財政計画の策定を通じて地方財政全体の標準的な収支の状況を明らかにし、地方公共団体が国庫補助事業だけでなく単独事業も含めて標準的な行政水準を確保できるようにしている。
表1—1 地方財政計画額
|
|
(歳入)
|
(単位:億円)
|
区分
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内容
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15年度
|
16年度
|
17年度
|
地方税
|
地方公共団体が賦課徴収する道府県税(道府県民税、事業税、地方消費税など)及び市町村税(市町村民税、固定資産税など)の各税目に係る税収見込額の合計額
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321,725
|
323,231
|
333,189
|
地方譲与税
|
国が地方公共団体に譲与する国税として徴収した地方道路税、石油ガス税、航空機燃料税、自動車重量税及び特別とん税の全額又は一定割合、及び18年度までに所得税から個人住民税への税源移譲を実施するまでの間の暫定措置として所得税の一部
|
6,939
|
11,452
|
18,419
|
地方特例交付金
|
国が地方公共団体に交付する減税補てん特例交付金(11年度に実施された恒久的な減税に伴う地方税の減収の一部を補てんするためのもの)及び税源移譲予定特例交付金(国庫補助金等の一部が一般財源化されたことに伴うもの)
|
10,062
|
11,048
|
15,180
|
地方交付税
|
国が地方公共団体に交付する国税として徴収した所得税、法人税、酒税、消費税及びたばこ税の一定割合。このほか、地方財政対策により、一般会計からの繰入加算、交付税及び譲与税配付金特別会計の借入金で増額措置している。
|
180,693
|
168,861
|
168,979
|
国庫支出金
|
地方公共団体の普通会計に対して国が支出する負担金、補助金、交付金などの合計額(公営企業会計、国民健康保険事業会計等に対する補助負担金等は含まれない。)
|
122,600
|
121,238
|
111,967
|
地方債
|
地方公共団体の普通会計における地方債の発行見込額。一般公共事業や一般単独事業などに係る地方債のほか、地方の財源不足を補てんするための特例措置として発行される臨時財政対策債などを含む。
|
150,718
|
141,448
|
122,619
|
使用料及び手数料
|
総務関係や民生関係における各種の料金収入。主なものは高等学校授業料、幼稚園保育料など
|
16,386
|
16,420
|
16,438
|
雑収入
|
分担金・負担金、財産運用収入、財産売払収入、延滞金・加算金、収益事業収入、貸付金回収金収入などの各種の収入
|
52,984
|
52,971
|
50,896
|
計
|
862,107
|
846,669
|
837,687
|
区分
|
内容
|
15年度
|
16年度
|
17年度
|
給与関係経費
|
地方公共団体における義務教育教職員、警察関係職員、消防職員、一般職員及び義務制以外の教員並びに特別職等の職員に係る給与費のほか、旧恩給制度により負担する恩給費を含む。
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234,383
|
229,990
|
227,240
|
一般行政経費
|
地方公共団体が行政活動を実施するために必要な経費のうち地方財政計画の他の歳出項目に属さない経費。社会福祉関係の給付費、各種施設の運営費、一般事務費、貸付金など広範囲に及ぶ各種の経費が、国庫補助負担金等を伴うものと国庫補助負担金を伴わないものに大別されている。
|
210,263
(補助98,414)
(単独111,849)
|
218,833
(補助101,183)
(単独117,650)
|
231,307
(補助100,538)
(単独130,769)
|
公債費
|
過去に発行された地方債等(退職手当債などを除く。)の当年度における元利償還費
|
137,673
|
136,779
|
133,803
|
維持補修費
|
道路、河川、港湾、小中学校、庁舎など地方公共団体が維持管理する公共、公用施設に係る維持補修費
|
10,068
|
9,987
|
9,817
|
投資的経費
|
治山治水、道路整備、港湾空港鉄道等、住宅都市環境、農業農村整備、文教施設、厚生労働施設などの建設事業等に係る経費。国直轄事業負担金・国庫補助負担金を伴うもの(公共事業費、失業対策事業費)と国庫補助負担金を伴わないもの(地方単独事業)に大別されている。地方単独事業については、一般事業費のほか、過疎対策事業費、地域活性化事業費、合併特例事業費、地域再生事業費など、公共施設の整備充実を推進するための特別事業費がある。
|
232,868
(補助84,068)
(単独148,800)
|
213,283
(補助78,583)
(単独134,700)
|
196,761
(補助73,061)
(単独123,700)
|
公営企業繰出金
|
上水道、交通、病院、下水道等の公営企業会計に対して、その性質上当該地方公営企業の経営に伴う収入をもって充てることが適当でない経費及び当該地方公営企業の性質上能率的な経営を行ってもなおその経営に伴う収入のみをもって充てることが客観的に困難であると認められる経費について、一般会計が負担することになる経費
|
32,052
|
30,797
|
28,659
|
地方交付税の不交付団体における平均水準を超える必要経費
|
地方交付税の交付を受けない団体の財源超過額を他の団体の財源不足額を補てんする財源に振り向けないようにするため、地方交付税の不交付団体における標準的な歳入額が標準的な歳出額を超過する額について、調整的な項目として一括して計上する経費
|
4,800
|
7,000
|
10,100
|
計
|
862,107
|
846,669
|
837,687
|
そして、17年度地方財政計画額の区分別の構成比を示すと、図1—1のとおりである。
図1—1 17年度地方財政計画額の区分別構成比
歳入では、地方税の構成比は39.8%であるが、一方、国から地方に対して支出される地方譲与税、地方特例交付金、地方交付税及び国庫支出金の構成比の合計は37.5%になっていて、国から移転される財源が地方財政にとって相当な割合を占めている。また、歳出では、一般行政経費が構成比27.6%で、給与関係経費や投資的経費を上回っている。
地方財政計画では、歳入において、上記のように、地方交付税、国庫支出金など国から移転される財源が相当の割合を占めていることから、国の予算との関連についてみると、17年度における国の一般会計予算、交付税及び譲与税配付金特別会計(交付税及び譲与税配付金勘定)予算と地方財政計画との関連は図1—2のとおりである。
図1—2 17年度における国の予算と地方財政計画との関連
前記のように、地方財政計画では、地方の歳入歳出総額の見込額を算定する過程において、地方交付税の法定5税相当分を含めた歳入総額が歳出総額を下回り財源不足が見込まれる場合には、財源不足額を地方交付税の増額、地方特例交付金の交付、地方債の増額などにより補てんする措置である地方財政対策が講じられることになっている。
そして、17年度地方財政計画では、通常収支の不足(7兆5129億円)のほか、11年度から実施された恒久的な減税に伴う減収分(3兆4720億円)及び15年度税制改正における先行減税に伴う減収分(1772億円)の計11兆1621億円が財源不足として見込まれた。この財源不足額に対して、国の17年度予算等で、〔1〕地方交付税の増額4兆6184億円(うち、一般会計加算2兆5899億円、交付税特別会計借入金1兆5910億円)〔2〕地方債の増額5兆5414億円〔3〕地方特例交付金の交付8888億円などの地方財政対策が講じられた。
このような地方財政計画における財源不足額及びこれに対する国の予算措置等の推移を整理すると、図1—3のとおりである。
図1—3 地方財政計画における財源不足額及びこれに対する国の予算措置等の推移
財源不足額は、6年度から急増し、11年度から17年度までは10兆円を超える不足額が生じている。この急増した財源不足額については、交付税及び譲与税配付金特別会計における新規借入金で主に補てんしていたが、13年度以降は、通常収支の不足分については、国と地方を通じる財政の一層の透明性の向上等を図るという観点から新規借入金を縮減することとされた。そして、通常収支の不足は建設地方債である財源対策債等により補てんする額を除いた額を国と地方が折半して負担することとし、国負担分は一般会計からの繰入(臨時財政対策加算)により、地方負担分は特例地方債(臨時財政対策債)により補てんする措置が講じられている。
昭和62年度から平成17年度までの地方財政計画における歳入歳出総額(以下「地方財政計画総額」という。)の推移は、図1—4のとおりである。
図1—4 地方財政計画総額の推移
地方財政計画総額は、13年度の89.3兆円をピークとして、毎年度縮減の傾向にある。これを主な歳入区分別にみると、図1—5のとおりである。
図1—5 主な歳入区分別の推移
歳入においては、バブル経済崩壊後の5年度以降、地方税の見込額がほぼ横ばいの状態になったため、歳出需要を賄うための財源不足は、地方交付税及び地方債(特に13年度以降は臨時財政対策債)を増加することにより対応されていた。そして、地方交付税は額のピークである12年度には昭和62年度の2.2倍に、地方債は額のピークである平成15年度には昭和62年度の2.8倍にまで増加している。
一方、主な歳出区分別にみると、図1—6のとおり、歳出では、平成14年度まで最大の歳出項目であった投資的経費が9年度をピークに減少し、17年度にはピーク時の0.63倍で昭和63年度の水準にまで減少している。これに対し、一般行政経費は一貫して増加しており、平成16年度には投資的経費を上回り、17年度は昭和62年度の2倍以上の水準になっている。また、給与関係経費は、平成14年度をピークとして減少に転じている。
図1—6 主な歳出区分別の推移
歳出区分のうち、一般行政経費及び投資的経費について、それぞれ補助と単独の別にみると、図1—7のとおり、投資的経費は、補助がほぼ一定の水準で推移しているのに対し、単独については増減が大きく6年度から12年度までは補助の約2倍の額にまで増加している。また、一般行政経費は補助、単独ともほぼ同様の伸率で増加している。
図1—7 一般行政経費及び投資的経費の補助と単独別の推移
地方財政計画の計上額について法令上明記された取扱いはないが、総務省の説明によると基本的な考え方は次のようになる。
(ア)地方財政計画は、地方公共団体の実際の収支見込額ではなく、標準的な水準における収入及び支出の見込額が計上されている。歳入では、地方税収入は標準税率による収入見込額が計上され、歳出では、国の法令、予算等を通じて義務付けられている行政事務などに係る標準的な支出見込額が計上されている。標準税率を超過する課税等による地方税収入は、一部の雑収入などとともに、地方公共団体の自主的な財政運営のための財源とされ、地方財政計画には計上されないことになる。
(イ)地方財政計画は、地方公共団体における単年度の収入及び支出の見込額が計上されている。前年度からの剰余金収入、前年度からの繰越事業費及び翌年度への繰越事業費は、地方財政計画では見込まれていない。
(ウ)地方財政計画は、年度当初予算ベースで収入及び支出の見込額が計上されている。年度途中における地方税の自然増収、国の補正予算に伴う国庫支出金や地方債などの補正増があっても、地方財政計画が修正されるようなことはない。
地方財政計画における標準的な歳入歳出の計上額の算定方法については、総務省の説明によると、その歳入歳出区分別の概要は表1—2及び表1—3のとおりである。
表1—2 地方財政計画歳入計上額の算定方法の概要
(単位:億円)
区分
|
15年度
|
16年度
|
17年度
|
計上額の算定方法の概要
|
|
地方税
|
道府県税
市町村税
|
134,339
187,386
|
136,906
186,325
|
142,737
190,452
|
課税標準額等×税率×徴収率+未収納税額の徴収見込額+税制改正による増減収見込額
|
地方譲与税
|
6,939
|
11,452
|
18,419
|
国の予算ベース
|
|
地方特例交付金
|
10,062
|
11,048
|
15,180
|
国の予算ベース
|
|
地方交付税
|
180,693
|
168,861
|
168,979
|
国の予算ベース
|
|
国庫支出金
|
122,600
|
121,238
|
111,967
|
地方公共団体の普通会計に対する国庫補助負担金等に係る国の歳出予算額を積上げ計上
|
|
地方債
|
150,718
|
141,448
|
122,619
|
投資的経費の伸率等を基に計上
|
|
使用料及び手数料
|
高等学校授業料
幼稚園保育料
|
3,092
|
3,033
|
2,984
|
授業料・保育料単価×生徒・園児数
|
その他
|
13,294
|
13,387
|
13,454
|
前年度計画額×決算の伸率
|
|
雑収入
|
貸付金元金収入
|
20,175
|
20,367
|
20,291
|
過去の調査数値等を基に計上
|
分担金・負担金
財産売払収入
財産運用収入
収益事業収入など
|
3,895
5,030
1,925
4,967
|
3,922
4,990
1,759
5,012
|
3,949
4,795
1,609
5,077
|
前年度計画額×各項目別の決算の伸率
|
(ア)地方税については、道府県税及び市町村税の各税目別に算定されている。
各税目別に示された課税標準額等に税率を乗ずるなどして現行法による調定見込額が算定される。課税標準額等は、課税の対象となる住民数等の課税見込人員、所得額等の課税標準見込額などであり、道府県税課税状況調、市町村税課税状況調などの資料による数値を採用している。税率は、法令等で定められている標準税率である。
そして、現行法による調定見込額(道府県税計14兆3293億円、市町村税計19兆1536億円)に徴収率を乗じ、過去の未収納税額のうち徴収可能見込額を加算し、税制改正による増減収見込額を考慮して計上額が算定される。
(イ)使用料及び手数料、雑収入は、主な収入ごとに区分し、その多くは前年度の計画額を基礎として決算の伸率を乗ずることにより計上額を算定している。また、雑収入のうち貸付金元金収入は、過去に調査した数値等を基礎とした額がそのまま計上されている。
表1—3 地方財政計画歳出計上額の算定方法の概要
(単位:億円)
区分
|
15年度
|
16年度
|
17年度
|
計上額の算定方法の概要
|
|
給与関係経費
|
給与費
|
233,696
|
229,382
|
226,684
|
職員数×給与単価
|
恩給費
|
687
|
608
|
556
|
前年度計画額×国の文官等恩給費予算の伸率
|
|
一般行政経費
(補助)
|
98,414
|
101,183
|
100,538
|
各省庁が作成した国庫補助負担金等の予算関係資料を基に、地方公共団体の普通会計に対する国庫補助負担金等に係る経費を積上げ計上
|
|
一般行政経費
(単独)
|
社会福祉関係
教育・人材育成対策
環境対策
地方活性化・都市再生対策
情報化・科学技術振興対策
各行政運営経費
小計
|
46,185
5,293
3,131
8,170
4,123
14,683
81,585
|
46,443
5,298
3,079
9,491
4,138
13,126
81,575
|
47,198
5,325
3,085
10,483
4,899
13,756
84,746
|
枠として計上
|
特定行政経費
|
5,006
|
4,672
|
3,703
|
国と協調して行う各種団体に対する出資等の地方負担額を積上げ計上
|
|
貸付金
|
19,558
|
19,528
|
19,458
|
過去の調査数値を基に計上
|
|
追加財政需要
|
5,700
|
5,700
|
5,700
|
例年定額計上
|
|
15年度一般財源化分
16年度一般財源化分
17年度一般財源化分
国民健康保険関係事業費
|
354
|
6,175
|
6,130
2,666
8,366
|
15・16・17年度の国庫補助負担金改革で一般財源化した補助金等に係る経費を計上
|
|
公債費
|
元金償還金
利払費
|
101,643
36,030
|
103,564
33,215
|
102,877
30,926
|
地方全体の決算統計等を基に当年度における元利償還費を計上
|
維持補修費
|
10,068
|
9,987
|
9,817
|
前年度計画額×決算の伸率
|
|
投資的経費
(補助)
|
直轄事業負担金
公共事業費
失業対策事業費
|
11,808
72,138
122
|
11,473
66,995
115
|
11,351
61,605
105
|
各省庁が作成した国庫補助負担金等の予算関係資料を基に、地方公共団体の普通会計に対する国庫補助負担金等に係る経費を積上げ計上
|
投資的経費
(単独)
|
一般事業費
特別事業費
|
96,171
52,629
|
80,061
54,639
|
70,292
53,408
|
枠として計上
|
公営企業繰出金
|
32,052
|
30,797
|
28,659
|
地方公営企業法等の規定に基づき、一般会計等が負担することが適当な経費について、各事業ごとに決算統計数値等により積上げ計上
|
|
水準超経費
|
4,800
|
7,000
|
10,100
|
交付税不交付団体における標準的収入が標準的経費を上回る実績額を基に積上げ計上
|
(ウ)給与関係経費のうち給与費については、義務教育教職員、警察関係職員、消防職員、非義務教育教職員、一般職員に区分して計上されている。
職員数は、前年度の計画人員に対して、定員合理化などによる増減数を職員区分別に算定して、17年度の計画人員は計2,456,707人とされている。区分別の職員数及びその根拠となる資料は、表1—4のとおりである。
区分
|
15年度
|
16年度
|
17年度
|
職員数の根拠資料
|
|
義務教育教職員
|
小学校
中学校
盲ろう学校
養護学校
充て指導主事
計
|
422,537
242,528
5,373
32,672
1,885
704,995
|
423,709
241,419
5,398
32,696
1,852
705,074
|
426,243
238,822
5,447
32,801
1,771
705,084
|
国の予算定員
〃
〃
〃
地方単独設置人員
|
警察関係職員
|
警察官
警察事務職員
計
|
236,661
25,940
262,601
|
239,811
25,672
265,483
|
243,261
25,404
268,665
|
政令定数
統計資料
|
消防職員
|
144,153
|
144,153
|
144,153
|
消防力の整備指針
|
|
非義務教育教職員
|
高校教員
大学教員
幼稚園教員
高校事務職員等
計
|
222,725
12,900
25,522
36,373
297,520
|
220,402
12,938
25,413
36,039
294,792
|
218,497
12,942
25,274
35,773
292,486
|
標準法定数
〃
〃
統計資料
|
一般職員
|
1,070,829
|
1,059,616
|
1,046,319
|
統計資料
|
|
合計
|
2,480,098
|
2,469,118
|
2,456,707
|
注(1)
|
警察官の政令定数は、警察法施行令(昭和29年政令第151号)で定められている。
|
注(2)
|
高校教員の標準法定数は、公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律(昭和36年政令第188号)で定められている。
|
注(3)
|
消防職員数は、消防庁告示である消防力の整備指針で定められている。
|
給与費は、職員区分別に、給料、扶養手当、調整手当、期末・勤勉手当、通勤手当、住居手当、共済組合負担金、退職手当及び寒冷地手当に係る一人当たり年額を給与単価として、これに職員数を乗じた所要年額に、その他の手当に係る所要年額を加えることにより算定されている。
そして給与単価は、義務教育教職員については、義務教育費国庫負担金の積算単価に準拠しており、義務教育教職員を除く一般職員等については、職員区分別に、指定統計である給与実態調査結果による支給総額を支給人員で割った平均単価を算出した上で、国家公務員の給与水準との均衡を図るため給与水準のラスパイレス指数で割返して国家公務員ベースに修正した単価を基礎として、それぞれ算定されている。
(エ)一般行政経費(単独)については、社会福祉関係など各種の行政経費が、特に経費の積上げなどによらず枠として計上されており、これが計上額の大部分を占めている。そして、17年度の計上額8兆4746億円のうち3500億円が、近年、地方財政計画の一般行政経費(単独)計上額に比べその決算額が大きく上回っている状況を踏まえて是正を図るため増額されたとしている。一方、内閣の方針として一般行政経費(単独)を現在の水準以下に抑制することとされていることから、地方財政計画と決算とのかい離是正分を除いて前年度マイナスに設定するとの考えに基づき、3500億円を除くと17年度の一般行政経費(単独)は前年度に比し413億円の減少となっているとしている。なお、18年度の地方財政計画においても、一般行政経費(単独)のかい離是正分として1兆円が増額計上されたとしている。
貸付金は、歳入における雑収入の貸付金元金収入の見合いとして、過去に調査した数値を基礎とした額が同様に計上されている。
追加財政需要は、現年発生災害等の年度途中における財政需要に対応するものであり、地方公共団体の補正予算対応等を想定して事前に経費を計上しており、その計上額は、例年、一定額の5700億円となっている。
(オ)投資的経費(単独)については、一般事業費及び特別事業費の合計額が、特に経費の積上げなどによらず枠として計上され、このうち過疎対策事業費などの特別事業費については、政策や近年の実績等を勘案して内訳の計上額が決定され、これを除いた額が一般事業費の計上額となっている。17年度の合計額12兆3700億円は、前年度より1兆1000億円減少しており、このうち7000億円が、近年、地方財政計画の投資的経費(単独)計上額に比べその決算額が大きく下回っている状況のかい離是正を図るため減額されたとしている。なお、18年度の地方財政計画においても、投資的経費(単独)のかい離是正分としては、2兆円が減額されたとしている。