会計検査院は、平成17年6月8日、参議院から、下記事項について会計検査を行い、その結果を報告することを求める要請を受けた。
一、会計検査及びその結果の報告を求める事項
(一)検査の対象
厚生労働省
(二)検査の内容
社会保障給付費(医療・福祉)についての次の各事項
1 医療保険及び介護保険の財政状況
2 保険給付の状況
3 医療費の地域格差の状況
4 認定率、サービス内容等を含めた介護保険の地域格差の状況
5 生活保護の地域格差の状況
参議院決算委員会は、17年6月7日に検査を要請する旨の上記の決議を行っているが、同日に「平成15年度決算審査措置要求決議」を行っている。
このうち、上記検査の要請に関連する項目の内容は、以下のとおりである。
23 社会保障費の地域格差について
国民医療費は、近年、横ばい傾向にあるものの、その額は30兆円を超え、多額に上っている。医療費の伸びの最大の要因は老人医療費の増加であるが、1人当たりの老人医療費については最大と最小の都道府県で約1.5倍の格差が存在している。
市町村が保険者となっている介護保険においても、毎年給付費が増大しており、また、都道府県別に見ると、第1号被保険者1人当たりの支給額に約2倍の地域格差が生じている。このほかにも、人的要因を含めたサービスの供給体制等についても、地域格差が生じているといった問題も指摘されている。
以上のことから、政府及び会計検査院は、地域ごとの事情を十分配慮しつつ、社会保障における地域間の財政状況・給付状況について調査・検討及び会計検査を行う必要がある。
検査の要請は、前記のとおり、社会保障給付費(医療・福祉)に関する5事項であるが、これを医療保険等、介護保険、生活保護の各項目に分けて検査を行った。