上記のように、成田会社では今回の競売入札妨害事件を契機として適正化策を策定し公表しているが、このような状況を踏まえ、合規性、経済性・効率性等の観点から、空港公団及び成田会社が発注した空港施設等の整備に係る工事について、特に今回競売入札妨害事件の立件対象となった受変電設備工事に重点を置き、次のような点に着眼して検査を実施した。
〔1〕 入札・契約事務が適切に行われているか。
〔2〕 工事の予定価格(成田会社においては契約制限価格。以下同じ。)の積算が適切に行われているか。
〔3〕 この種事態の再発防止策が十分に執られているか。
検査に当たっては、空港公団及び成田会社が13年度から17年度までの間に発注した契約金額1億円以上の空港施設等の整備に係る建築、土木等の工事297件(当初契約金額計1855億2341万余円)及び契約金額1000万円以上の受変電設備工事23件(同72億0531万円)、計320件(同1927億2872万余円)を対象とした(表2参照) 。
空港公団
(13年度〜15年度)
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成田会社
(16、17両年度)
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計
(13年度〜17年度)
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件数
|
契約金額
|
件数
|
契約金額
|
件数
|
契約金額
|
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契約金額1億円以上の
建築、土木等工事
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205
|
133,849,977
|
92
|
51,673,436
|
297
|
185,523,414
|
契約金額1000万円以上の
受変電設備工事
|
14
|
3,030,825
|
9
|
4,174,485
|
23
|
7,205,310
|
計
|
219
|
136,880,802
|
101
|
55,847,921
|
320
|
192,728,724
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検査は、計算証明規則(昭和27年会計検査院規則第3号)に基づき会計検査院に提出された証拠書類のほか、契約状況等に関する調書を徴し、これらの調査、分析を行うとともに、成田会社本社の実地検査において工事の予定価格の算定状況や工事の発注状況を調査するなどの方法により実施した。