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  • 国会からの検査要請事項に関する報告(検査要請)|
  • 会計検査院法第30条の3の規定に基づく報告書|
  • 平成20年10月

我が国政府開発援助における無償資金協力及び技術協力において被援助国が実施する施設の建設や資機材の調達等の契約に関する会計検査の結果について


5 財団法人海外漁業協力財団における落札率の状況(予定価格、入札、落札、不落随契等契約の状況)

(1) 予定価格

 財団は、財団会計規程等において予定価格の設定を義務付けており、その作成方法については、積算参考資料、原則として3者から徴する見積書又はコンサルタントによる見積書によることとしている。しかし、随意契約の場合は、契約の性質上予定価格の設定を要しないと認めるときは、これを省略できるとしている。
 財団が15年度から19年度までに締結した海外での施設の建設や海外向けの資機材の調達等に係る契約167件について、契約方式別の予定価格の設定状況を示すと、表25のとおりとなっている。

表25 契約方式別の予定価格の設定状況

(単位:件)

契約方式 予定価格の設定 施設の建設 資機材の調達等
現地調達 本邦調達 現地調達
件数 割合 件数 割合 件数 割合 件数 割合
一般競争契約 0 17 100.0% 2 100.0% 19 100.0%
0 0 0 0
0 17 100.0% 2 100.0% 19 100.0%
指名競争契約 1 100.0% 56 100.0% 0 57 100.0%
0 0 0 0
1 100.0% 56 100.0% 0 57 100.0%
随意契約 0 0 0 0
8 100.0% 28 100.0% 55 100.0% 91 100.0%
8 100.0% 28 100.0% 55 100.0% 91 100.0%
合計 1 11.1% 73 72.2% 2 3.5% 76 45.5%
8 88.8% 28 27.7% 55 96.4% 91 54.4%
9 100.0% 101 100.0% 57 100.0% 167 100.0%

 財団は、一般競争契約(19件)や指名競争契約(57件)においては、すべて予定価格を設定していたが、随意契約(91件)においては、財団会計規程等に基づき、契約の性質上予定価格の設定を要しないとして、すべて予定価格の設定を省略していた。このことについて、財団は、随意契約の大半を実施している海外駐在員事務所等においては、調達環境の違いなどにより、通常現地業者は受注を前提として見積書を提出することなどから、事前に徴した見積書を基に予定価格を設定することは困難であると説明している。また、本邦調達における随意契約においても、緊急を要するなどの理由から予定価格の設定は困難であるとしている。

(2) 入札

 財団が15年度から19年度までに締結した海外での施設の建設や海外向けの資機材の調達等の契約について、契約方式別に件数を分けると、表26のとおり、一般競争入札や指名競争入札に付した契約(それぞれ不落随契になったものを含む。)は、本邦調達においては101件のうち73件(72.2%)であったが、現地調達においては66件のうち3件(4.5%)にすぎなかった。

表26 契約方式別の海外での施設の建設や海外向けの資機材の調達等の契約件数等

(単位:件)

契約方式 施設の建設 資機材の調達等 合計
現地調達 本邦調達 現地調達 本邦調達 現地調達
件数 割合 件数 割合 件数 割合 件数 割合 件数 割合 件数 割合
競争契約 一般競争 0 17 16.8% 2 3.5% 17 16.8% 2 3.0% 19 11.3%
指名競争 1 11.1% 56 55.4% 0 56 55.4% 1 1.5% 57 34.1%
1 11.1% 73 72.2% 2 3.5% 73 72.2% 3 4.5% 76 45.5%
随意契約 8 88.8% 28 27.7% 55 96.4% 28 27.7% 63 95.4% 91 54.4%
合計 9 100.0% 101 100.0% 57 100.0% 101 100.0% 66 100.0% 167 100.0%

 契約に至るまでの状況は、表27のとおり、契約件数167件のうち、入札会において落札されたものが55件(32.9%)、落札に至らず不落随契となったものが21件(12.5%)、当初から随意契約を行ったものが91件(54.4%)となっていた。

表27 契約に至るまでの状況

(単位:件)

入札・契約区分 施設の建設 資機材の調達等 合計 契約割合
年度(平成) 契約割合 年度(平成) 契約割合
15 16 17 18 19 15 16 17 18 19
第1回カイ入札会 1 0 0 0 0 1 13 10 14 21 17 75 76
  落札 当初〔1〕 0 0 0 0 0 0 8 9 9 12 8 46 29.1% 46 27.5%
再度〔2〕 1 0 0 0 0 1 11.1% 1 1 1 0 1 4 2.5% 5 2.9%
再々度〔3〕 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 2 4 2.5% 4 2.3%
不調   0 0 0 0 0 0 3 0 4 8 6 21 21
不落随契〔4〕 0 0 0 0 0 0 3 0 4 8 6 21 13.2% 21 12.5%
落札契約 計(〔1〕 +〔2〕 +〔3〕 ) 1 0 0 0 0 1 11.1% 10 10 10 13 11 54 34.1% 55 32.9%
随意契約〔5〕 3 1 2 1 1 8 88.8% 17 19 17 13 17 83 52.5% 91 54.4%
契約 合計 (〔1〕 +〔2〕 +〔3〕 +〔4〕+〔5〕 ) 4 1 2 1 1 9 100.0% 30 29 31 34 34 158 100.0% 167 100.0%

(3) 落札

 入札により落札者が決定した契約55件を海外での施設の建設に係るものと海外向けの資機材の調達等に係るものに分けて、その落札率をみると、表28のとおりとなっている。

表28 落札率の状況

(単位:件)

年度(平成) 施設の建設 資機材の調達等
入札件数 落札件数 落札率 入札件数 落札件数 落札率 入札件数 落札件数 平均落札率
最低 平均 最高 最低 平均 最高
15 1 1 92.61% 92.61% 92.61% 13 10 70.41% 88.37% 99.81% 14 11 88.76%
16 0 0 10 10 67.50% 84.30% 97.13% 10 10 84.30%
17 0 0 14 10 72.34% 86.55% 97.10% 14 10 86.55%
18 0 0 21 13 64.14% 89.99% 99.87% 21 13 89.99%
19 0 0 17 11 89.47% 95.95% 99.94% 17 11 95.95%
1 1 92.61% 92.61% 92.61% 75 54 64.14% 89.21% 99.94% 76 55 89.27%

 落札に至った入札における入札参加者数別の落札率について、調達区分別にみると、表29のとおりとなっている。

表29 落札に至った入札における入札参加者数別の落札率

(単位:件、者)

調達区分 年度
(平成)
落札件数 1者 2者 3者 4者 5者 6者 7者 8者 平均
本邦調達 15 10 0 2 5 1 2 0 0 0 3.3
16 10 0 1 2 0 2 3 0 2 5.2
17 10 0 1 5 3 0 1 0 0 3.5
18 12 1 5 4 1 1 0 0 0 2.6
19 10 3 6 1 0 0 0 0 0 1.8
合計 52 4 15 17 5 5 4 0 2 3.2
割合 100.0% 7.6% 28.8% 32.6% 9.6% 9.6% 7.6% 3.8%
累計 4 19 36 41 46 50 50 52
累計割合 7.6% 36.5% 69.2% 78.8% 88.4% 96.1% 96.1% 100.0%
平均落札率 97.28% 90.85% 91.89% 87.26% 79.00% 86.21% 67.55%
現地調達 15 1 0 0 1 0 0 0 0 0 3.0
16 0 0 0 0 0 0 0 0 0
17 0 0 0 0 0 0 0 0 0
18 1 0 0 1 0 0 0 0 0 3.0
19 1 0 0 0 1 0 0 0 0 4.0
合計 3 0 0 2 1 0 0 0 0 3.3
割合 100.0% 66.6% 33.3%
累計 0 0 2 3 3 3 3 3
累計割合 66.6% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0%
平均落札率 96.04% 92.85%
合計 15 11 0 2 6 1 2 0 0 0 3.2
16 10 0 1 2 0 2 3 0 2 5.2
17 10 0 1 5 3 0 1 0 0 3.5
18 13 1 5 5 1 1 0 0 0 2.6
19 11 3 6 1 1 0 0 0 0 2.0
合計 55 4 15 19 6 5 4 0 2 3.2
割合 100.0% 7.2% 27.2% 34.5% 10.9% 9.0% 7.2% 3.6%
累計 4 19 38 44 49 53 53 55
累計割合 7.2% 34.5% 69.0% 80.0% 89.0% 96.3% 96.3% 100.0%
平均落札率 97.28% 90.85% 92.33% 88.19% 79.00% 86.21% 67.55%

 財団が締結した契約においては、表28のとおり、平均落札率が年々高くなる傾向にあり、19年度には95.95%になっている。このことについて、財団は、事業予算が年々縮小傾向にあり、1件当たりの契約金額が少額となり受注業者にとって魅力がなくなってきたこと、納入先が島しょ国等で交通の利便性が悪く経費がかさむことなどから、表29のとおり、入札に参加する業者数が年々減少しているためとしている。

(4) 不落随契

 財団が締結した海外向けの資機材の調達等に係る契約で一般競争入札及び指名競争入札を実施したもの75件のうち、不落随契になったものが、本邦調達において21件あった。

(5) 随意契約

 財団が締結した海外での施設の建設に係る契約9件のうち8件(88.8%)、海外向け資機材の調達等に係る契約158件のうち83件(52.5%)、計91件(54.4%)は当初から随意契約を行っていた。そして、これらの大部分を占める63件は、現地調達であった。このことについて、財団は、前記のとおり、現地調達は随意契約によらざるを得ないとしており、また、本邦調達の28件については、緊急を要する契約であること、財団会計規程等に定める少額随契であることなどを理由としている。

(6) 現地調達を実施する際の課題

 財団が技術協力を実施する島しょ国やアフリカ地域等においては、利用できる公共交通機関がないなどの理由から、技術協力の一環として車両を供与することが多くなっており、17年度では、資機材の調達等に係る契約31件のうち5件あった。
 しかし、車両は保守等を行う必要があることから、原則として海外駐在員事務所等が現地代理店から調達することとなるが、海外の業者は、我が国の業者とは異なり、在庫を抱えていないことが多いため、見積合わせにより随意契約を締結しようとしても、通常の契約事務手続をとることができない場合がある。