航空自衛隊における事務用品等の調達に関しては、競争性、透明性及び公正性を確保し、入札談合の防止を図るとともに経済的な予算執行を行うことが求められている。このような状況等を踏まえ、会計検査院は、合規性、経済性、効率性、有効性等の観点から第1補給処及び東京支処における事務用品等の調達について、次のような点に着眼して検査を実施した。
ア 入札・契約及び予算執行事務が適正に行われているか
イ 調達品の仕様等は適切なものとなっているか
ウ 予定価格の算定が適切に行われているか
エ 会計経理に関して、防衛省において執られた改善の措置は適切かつ効果的なものとなっているか
検査に当たっては、17年度から22年度までの間に第1補給処の調達要求に基づき東京支処が締結した全契約計15,934件、当初契約金額計979億8418万余円のうち、入札談合が行われたとされている17年度から20年度までの間に締結したオフィス家具の調達に係る契約計311件、当初契約金額計75億6324万余円と、入札談合が取りやめられたとされている21年度に締結した契約計21件、当初契約金額計1億3071万余円を対象とした。さらに、不自然な入札状況が見受けられたとされるOA機器、トナー等を含めたオフィス家具以外の事務用品等の調達について契約金額が100万円以上の計5,168件、当初契約金額計523億9153万余円を加え、合計5,500件、当初契約金額合計600億8550万余円を対象とした(表2参照
)。
検査は、計算証明規則に基づき提出された証拠書類等のほか、入札・契約状況等に関する調書等を徴して、これらの調査、分析等を行うとともに、第1補給処、東京支処、各部隊等において、調達要求の状況、予定価格の算定の状況、事務用品等の使用の状況等を確認するなどして会計実地検査を行った。
年度 | 平成17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 計 | |||||||
件数 | 金額 | 件数 | 金額 | 件数 | 金額 | 件数 | 金額 | 件数 | 金額 | 件数 | 金額 | 件数 | 金額 | |
オフィス 家具 |
107 | 1,899,372 | 74 | 1,645,432 | 78 | 2,008,984 | 52 | 2,009,460 | 21 | 130,718 | - | - | 332 | 7,693,968 |
OA 機器 |
54 | 1,598,150 | 50 | 1,656,435 | 59 | 1,753,736 | 47 | 1,395,970 | - | - | - | - | 210 | 6,404,292 |
トナー | 41 | 2,497,749 | 35 | 2,011,812 | 67 | 2,376,864 | 49 | 1,740,584 | 34 | 1,237,951 | 25 | 274,809 | 251 | 10,139,774 |
その他 | 917 | 6,092,010 | 1,048 | 7,841,425 | 1,109 | 8,245,804 | 951 | 7,453,333 | 370 | 3,435,272 | 312 | 2,779,622 | 4,707 | 35,847,469 |
計 | 1,119 | 12,087,282 | 1,207 | 13,155,105 | 1,313 | 14,385,390 | 1,099 | 12,599,349 | 425 | 4,803,943 | 337 | 3,054,432 | 5,500 | 60,085,504 |