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  • 国会からの検査要請事項に関する報告(検査要請)|
  • 会計検査院法第30条の3の規定に基づく報告書|
  • 平成24年1月

特別会計改革の実施状況等に関する会計検査の結果について


(4) 国債整理基金特別会計

特別会計名 国債整理基金特別会計 所管府省名 財務省 設置等年度 平成19年度 分類 整理区分
設置目的 一般会計及び特別会計からの繰入資金等による公債、借入金等の償還及び利子等の支払に関する経理を明確にするため 勘定
特別会計の歳入歳出額の推移等 歳入額
年度
項目
平成17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 22年度
歳入予算額 224兆2781億円 249兆9439億円 198兆2161億円 200兆5467億円 182兆1067億円 196兆8714億円
収納済歳入額(A) 223兆6495億円 256兆3260億円 205兆1127億円 194兆7516億円 186兆3329億円 201兆9341億円
一般会計からの繰入額(B) 18兆7359億円 18兆0368億円 19兆2904億円 19兆1664億円 18兆4448億円 19兆5439億円
(B/A) (8.3%) (7.0%) (9.4%) (9.8%) (9.8%) (9.6%)
特定財源の額(C) 2328億円 2176億円 2142億円 1969億円 1903億円 1625億円
(C/A) (0.1%) (0.0%) (0.1%) (0.1%) (0.1%) (0.0%)
歳出額 歳出予算現額(D) 203兆3053億円 236兆4613億円 190兆9445億円 191兆7299億円 181兆2874億円 189兆3975億円
支出済歳出額(E) 189兆1434億円 221兆4242億円 176兆7777億円 178兆2841億円 165兆6023億円 171兆2036億円
(支出率 E/D) (93.0%) (93.6%) (92.5%) (92.9%) (91.3%) (90.3%)
繰越額(F) 11兆5173億円 12兆7283億円 11兆1832億円 11兆1806億円 12兆5261億円 13兆7636億円
(繰越率 F/D) (5.6%) (5.3%) (5.8%) (5.8%) (6.9%) (7.2%)
不用額(G) 2兆6445億円 2兆3087億円 2兆9835億円 2兆2651億円 3兆1588億円 4兆4303億円
(不用率 G/D) (1.3%) (0.9%) (1.5%) (1.1%) (1.7%) (2.3%)
剰余金 剰余金(H)=(A)-(E) 34兆5060億円 34兆9017億円 28兆3349億円 16兆4674億円 20兆7305億円 30兆7305億円
(剰余金率 H/A) (15.4%) (13.6%) (13.8%) (8.4%) (11.1%) (15.2%)
特別会計に関する法律に規定されている剰余金の処理方法 翌年度の歳入に繰入れ
積立金等の年度末残高
国債整理基金
11兆4169億円
12兆6447億円
11兆1128億円
11兆1171億円
12兆4652億円
13兆7038億円
平成21年度特別会計財務書類のうち貸借対照表における特別会計に帰属する資産及び負債の状況 <資産の部>
〔1〕現金・預金
〔2〕有形固定資産
〔3〕出資金
〔4〕その他の資産
資産合計

5144億円
0億円
-
27兆6345億円
28兆1489億円
<負債の部>
〔1〕政府短期証券
〔2〕借入金
〔3〕公債
〔4〕その他の負債
負債合計
-
-
-
-
-
<資産・負債差額の部>
資産・負債差額
28兆1489億円
剰余金の推移等の状況

 本特別会計では、毎会計年度の歳出予算における支出残額は翌年度以降に繰り越して使用することができるとされているため、本特別会計の剰余金の主なものは、翌年度以降に繰り越して使用する債務償還費のための財源(以下「基金」という。)及び翌年度の国債の償還に必要な借換債(いわゆる前倒債)の発行分に係る公債金の発行収入となっている。17年度以降、基金の残高は11兆円から13兆円程度で推移しているが、前倒債の発行額は5兆円から22兆円の間で大きく変動しており、この前倒債の発行額の変動に伴い剰余金の額が変動している。

積立金等の推移等の状況
 国債整理基金は、国債の償還及び発行を円滑に行うために設置されており、その残高は一般会計からの受入額等と国債の償還額等の差により生ずるものである。17年度末以降の残高は11兆から13兆円程度で推移しているが、22年10月に行われた特別会計に対する事業仕分けにおいて、オペレーショナルリスクに十分配慮しつつ繰上償還に充てることも含め検討を行うという評価結果が示されたことを踏まえて、本基金の活用による繰上償還を行い、残高を必要最小限の水準に縮減するとしており、過去における1日当たりの国債発行の最大額である9兆2000億円程度を考慮し、24年度末における残高を9兆円台とするとしている。

支出済歳出額の推移表(国債整理基金特別会計)

(単位:百万円、%)

使途別分類 名 目名 平成17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 22年度 対17年度比(増減)
増減額 増減率
旅費 外国旅費
11
17
21
20
17
19
8
73.4
職員旅費
5
2
2
1
0
1
△3
△76.6
旅費 計
16
20
23
21
17
20
4
26.9
物件費 国債事務取扱手数料
166,324
90,030
63,762
40,423
18,244
16,381
△149,943
△90.1
情報処理業務庁費
-
-
41
105
65
45
45
-
庁費
1,138
1,237
1,340
1,278
941
782
△356
△31.2
通信専用料
8
8
1
0
1
1
△7
△84.6
物件費 計
167,782
91,677
65,384
41,810
19,272
17,217
△150,565
△89.7
他会計へ繰入 計
71,032
48,054
20,286
100,000
65,278
50,819
△20,212
△28.4
その他 債務償還費
179,975,557
211,591,305
166,260,835
167,579,214
155,347,941
160,877,643
△19,097,913
△10.6
売却及償還差額補填金
263,716
115,399
69,341
54,813
105,211
123,886
△139,829
△53.0
利子及割引料
8,665,370
9,577,727
10,361,852
10,508,277
10,064,669
10,134,045
1,468,675
16.9
その他 計
188,904,666
221,284,463
176,692,071
178,142,317
165,517,829
171,135,580
△17,769,085
△9.4
国債整理基金特別会計
合計
189,143,496
221,424,215
176,777,765
178,284,150
165,602,398
171,203,638
△17,939,858
△9.4
国債整理基金特別会計
合計
(他会計へ繰入を除いた合計)
189,072,464
221,376,161
176,757,479
178,184,150
165,537,119
171,152,818
△17,919,646
△9.4

(注)
 計には、表示した目以外を含む。

支出済歳出額の推移の分析  
<特徴> 17年度以降の支出済歳出額は、その大部分を占める債務償還費が償還時期の到来状況により大きく増減している。また、使途別分類のその他の利子及割引料は、国債残高の増加に伴って増加傾向にあるが、物件費のうち、国債事務取扱手数料は、17年度をもって証券会社及び金融機関によって構成される国債募集引受団による国債の引受けを廃止し、18年度から国債の全額を入札により発行することとしたこと及び19年度から手数料水準を民間の手数料を勘案するなどして見直しを行ってきたことなどにより減少している。
 なお、その他の売却及償還差額補填金は、日本銀行が保有する国債を売戻条件付きで買い入れる取引(以下「日銀現先」という。)を行った際に生ずるものであり、17年度の額が大きいのは、17年度における前倒債の発行額22が.8兆円と多額となり、前倒債の発行収入金により国債整理基金特別会計の資金が一時的に積み上がり、日銀現先による運用を行うことが多くなったためである。