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  • 国会からの検査要請事項に関する報告(検査要請)|
  • 会計検査院法第30条の3の規定に基づく報告書|
  • 平成24年1月

特別会計改革の実施状況等に関する会計検査の結果について


(16) 国有林野事業特別会計


特別会計名 国有林野事業特別会計 所管府省名 農林水産省 設置等年度 平成19年度 分類 企業
設置目的 国有林野事業を国有林野の有する公益的機能の維持増進を基本としつつ企業的に運営し、その健全な発達に資することを目的として、その経理を明確にするため 勘定 -(平成17年度以前は国有林野事業、治山両勘定)
特別会計の歳入歳出額の推移等 歳入額
年度
項目
平成17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 22年度
歳入予算額 5530億円 4703億円 4725億円 4837億円 4874億円 4672億円
収納済歳入額(A) 5433億円 4269億円 4724億円 4590億円 4979億円 4581億円
一般会計からの繰入額(B) 2866億円 1734億円 1953億円 1901億円 2151億円 1623億円
(B/A) (52.7%) (40.6%) (41.3%) (41.4%) (43.2%) (35.4%)
特定財源の額(C) - - - - - -
(C/A) - - - - - -
歳出額 歳出予算現額(D) 6026億円 5059億円 5399億円 5258億円 5418億円 5037億円
支出済歳出額(E) 5279億円 4134億円 4728億円 4510億円 4882億円 4574億円
(支出率 E/D) (87.6%) (81.7%) (87.5%) (85.7%) (90.1%) (90.8%)
繰越額(F) 492億円 671億円 419億円 543億円 354億円 384億円
(繰越率 F/D) (8.1%) (13.2%) (7.7%) (10.3%) (6.5%) (7.6%)
不用額(G) 254億円 252億円 251億円 205億円 182億円 78億円
(不用率 G/D) (4.2%) (4.9%) (4.6%) (3.9%) (3.3%) (1.5%)
剰余金 剰余金(H)=(A)-(E) 153億円 135億円 △ 3億円 80億円 97億円 7億円
(剰余金率 H/A) (2.8%) (3.1%) (△ 0.0%) (1.7%) (1.9%) (0.1%)
特別会計に関する法律に規定されている剰余金の処理方法 翌年度に持ち越して整理、積立金等に積立て、一般会計の歳入に繰入れ
積立金等の年度末残高            
特別積立金引当資金 - - - - - -
             
平成21年度特別会計財務書類のうち貸借対照表における特別会計に帰属する資産及び負債の状況 <資産の部>   <負債の部>  
〔1〕 現金・預金 443億円 〔1〕 政府短期証券 -
〔2〕 有形固定資産 8兆3219億円 〔2〕 借入金 1兆2793億円
〔3〕 出資金 364億円 〔3〕 公債 -
〔4〕 その他の資産 30億円 〔4〕 その他の負債 2063億円
    負債合計 1兆4856億円
    <資産・負債差額の部>  
資産合計 8兆4057億円 資産・負債差額 6兆9200億円
剰余金の推移等の状況  

 10年度に行われた国有林野事業の抜本的改革の方針に沿って、財務状況の改善に取り組んでおり、予算の執行において、林産物収入等の自己収入が歳入予算額を下回ることが見込まれる場合には、それに見合うよう事業費を抑制する厳格な収支管理に努めた結果、決算において歳出が歳入を上回ることがほとんどなく、19年度以外は剰余金が発生している。

積立金等の推移等の状況  

 特別積立金引当資金は、一般会計へ繰り入れるため、前年度からの持越現金(特別積立金引当資金に属するものを除く。)のうち歳出の財源に充てることができる金額(前年度から繰り越された歳出予算の財源に充てるべき金額を除く。)がある場合、当該金額のうち、特別積立金の残高に相当する金額から本資金の残高に相当する金額を控除した金額に達するまでの金額が組み入れられるものとされているものである。しかし、損益計算上利益が生じておらず特別積立金の残高がないため、本資金の残高は皆無となっている。


支出済歳出額の推移表(国有林野事業特別会計)

(単位:百万円、%)

使途別分類名 目名 平成17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 22年度 対17年度比(増減)
増減額 増減率
人件費 職員基本給 21,970 21,208 20,687 20,584 20,130 19,930 △2,039 △ 9.2
職員諸手当 10,049 9,790 10,046 10,036 9,188 8,748 △1,300 △ 12.9
退職手当 10,879 8,359 8,960 8,946 8,589 7,103 △3,775 △ 34.7
林野基幹作業職員給与 11,568 10,608 9,355 7,601 6,297 5,152 △6,416 △ 55.4
人件費 計 59,149 54,432 53,364 51,175 48,123 44,685 △14,464 △ 24.4
旅費 業務旅費 700 704 687 641 637 613 △ 87 △ 12.4
日額旅費 220 221 181 166 141 122 △ 97 △ 44.3
旅費 計 1,117 1,135 1,083 1,023 989 935 △ 182 △ 16.3
物件費 業務費 13,704 14,198 13,896 12,445 11,992 13,476 △ 228 △ 1.6
車両費
-
-
-
-
633
767
767
-
庁費 9 6 10 9 1,083 1,275 1,265 13,147.0
物件費 計 15,301 15,453 15,797 14,251 14,902 16,906 1,604 10.4
施設費 国有林野内治山事業費(19年度以前は「国有林野内直轄治山事業費」) 25,748 28,906 51,070 39,296 44,246 22,150 △3,597 △ 13.9
森林環境保全整備事業費 29,954 35,665 49,499 54,301 75,670 60,553 30,598 102.1
施設費 計 76,257 83,608 118,322 110,553 137,623 97,694 21,437 28.1
補助費・委託費 共生保安林整備事業費補助 4,831 - - - - - △4,831 △ 100.0
後進地域特例法適用団体補助率差額 7,169 - - - - - △7,169 △ 100.0
国家公務員共済組合負担金 19,316 18,642 16,682 13,894 13,648 14,114 △5,202 △ 26.9
国有資産所在市町村交付金 4,680 4,546 4,653 4,652 4,614 4,632 △ 48 △ 1.0
治山事業費補助 46,276 - - - - - △46,276 △ 100.0
水土保全林整備治山事業費補助 25,594 - - - - - △25,594 △ 100.0
地すべり防止事業費補助 6,550 - - - - - △6,550 △ 100.0
補助費・委託費 計 116,901 23,189 21,335 18,546 18,263 18,746 △98,155 △ 83.9
他会計へ繰入 計 259,197 235,605 262,888 255,310 268,287 278,410 19,212 7.4
その他 計 24 35 34 140 21 39 15 62.8
国有林野事業特別会計 合計 527,949 413,460 472,826 451,002 488,211 457,417 △70,531 △ 13.3
国有林野事業特別会計 合計
(他会計へ繰入を除いた合計)
268,752 177,854 209,937 195,691 219,924 179,007 △89,744 △ 33.3
(注)
 計には、表示した目以外を含む。

支出済歳出額の推移の分析

<特徴> 17年度以降の支出済歳出額は、人件費、補助費・委託費において大幅に減少している一方で、施設費は増加傾向にある。補助費・委託費が減少しているのは、18年度に、民有林野で都道府県が実施する事業に国が補助を行う補助治山事業が一般会計に移行したことによるものである。また、施設費のうち、森林環境保全整備事業費が増加しているのは、17年2月の京都議定書の発効に伴い、森林による温室効果ガスの吸収を促進させるための事業を推進しているためである。そのほかの使途別分類別の状況は次のとおりである。
(人件費)
  総人件費改革に基づく予算定員の縮減により職員基本給等が減少したこと及び伐採、造林並びに林道の開設及び改良事業の民間委託等の推進と相まって予算定員外の職員である基幹作業職員(丸太の生産、造林等の作業について総合的な技能を有する職員)を縮減してきたことにより人件費は減少している。

年度 17 18 19 20 21 22
予算定員 5,264 5,171 5,079 4,987 4,895 4,807
基幹作業職員 1,916 1,758 1,547 1,268 1,075 893

(物件費)
  21年度に庁費が大幅に増加した要因は、主に、20年度まで施設費の各種事業費に整理していた森林整備事業に関連する物品、通信運搬費等の庁費的な経費を、21年度から使途別分類の異なる物件費の中の庁費に計上するように予算科目の見直しを行ったことによるものである。