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  • 国会からの検査要請事項に関する報告(検査要請)|
  • 会計検査院法第30条の3の規定に基づく報告書|
  • 平成24年1月

特別会計改革の実施状況等に関する会計検査の結果について


(21) 自動車安全特別会計


特別会計名 自動車安全特別会計 所管府省名 国土交通省 設置等年度 平成20年度 分類 行政的事業
設置
目的
自動車損害賠償保障事業、自動車検査登録等事務、自動車事故対策事業等に関する国の経理を明確にするため 勘定 保障、自動車検査登録、自動車事故対策
特別会計の歳入歳出額の推移等 歳入額
年度
項目
平成17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 22年度
歳入予算額 3849億円 2379億円 1949億円 1475億円 1295億円 1227億円
収納済歳入額(A) 3465億円 2315億円 1976億円 1439億円 1309億円 1238億円
一般会計からの繰入額(B) 16億円 14億円 11億円 8億円 8億円 7億円
(B/A) (0.4%) (0.6%) (0.5%) (0.6%) (0.6%) (0.5%)
特定財源の額(C) - - - - - -
(C/A) - - - - - -
歳出額 歳出予算現額(D) 3101億円 1640億円 1271億円 836億円 713億円 649億円
支出済歳出額(E) 2646億円 1499億円 1151億円 715億円 633億円 582億円
(支出率 E/D) (85.3%) (91.3%) (90.5%) (85.5%) (88.8%) (89.7%)
繰越額(F) 12億円 1億円 8億円 4億円 6億円 1億円
(繰越率 F/D) (0.3%) (0.0%) (0.6%) (0.5%) (0.8%) (0.1%)
不用額(G) 442億円 140億円 111億円 116億円 73億円 65億円
(不用率 G/D) (14.2%) (8.5%) (8.7%) (13.9%) (10.2%) (10.0%)
剰余金 剰余金(H)=(A)-(E) 818億円 815億円 824億円 724億円 675億円 656億円
(剰余金率 H/A) (23.6%) (35.2%) (41.7%) (50.3%) (51.6%) (52.9%)
特別会計に関する法律に規定されている剰余金の処理方法 積立金等に積立て、翌年度の歳入に繰入れ、一般会計の歳入に繰入れ
積立金等の年度末残高            
積立金 4506億円 3585億円 2962億円 2792億円 2649億円 2519億円
             
平成21年度特別会計財務書類のうち貸借対照表における特別会計に帰属する資産及び負債の状況 <資産の部>   <負債の部>  
〔1〕 現金・預金 3324億円 〔1〕 政府短期証券 -
〔2〕 有形固定資産 997億円 〔2〕 借入金 -
〔3〕 出資金 427億円 〔3〕 公債 -
〔4〕 その他の資産 5146億円 〔4〕 その他の負債 430億円
    負債合計 430億円
    <資産・負債差額の部>  
資産合計 9896億円 資産・負債差額 9465億円
剰余金の推移等の状況  

 各勘定を参照

積立金等の推移等の状況  

 各勘定を参照

支出済歳出額の推移表(自動車安全特別会計(全勘定統合分))

(単位:百万円、%)

使途別分類名 目名 平成17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 22年度 対17年度比(増減)
増減額 増減率
人件費 休職者給与 37 58 45 58 57 37 0 1.3
公務災害補償費 13 10 10 10 10 11 △ 1 △ 12.7
子ども手当 - - - - - 94 94 -
児童手当 28 37 44 46 44 7 △ 20 △ 74.0
職員基本給 9,058 8,520 8,099 7,726 7,511 7,335 △ 1,722 △ 19.0
職員諸手当 4,386 4,162 4,039 3,856 3,522 3,325 △ 1,061 △ 24.1
退職手当 2,853 3,176 2,771 3,446 2,410 1,497 △ 1,356 △ 47.5
短時間勤務職員給与 - - - 17 40 94 94 -
超過勤務手当 460 442 429 415 412 412 △ 48 △ 10.4
人件費 計 16,838 16,408 15,440 15,577 14,010 12,816 △ 4,021 △ 23.8
旅費 委員等旅費 6 6 7 7 5 6 △ 0 △ 3.3
外国旅費 23 24 22 22 21 21 △ 1 △ 6.7
研修旅費 35 27 30 27 19 19 △ 16 △ 45.7
施設施工旅費 4 4 3 3 2 2 △ 1 △ 40.9
職員旅費 259 239 235 198 184 144 △ 115 △ 44.2
赴任旅費 55 48 49 48 44 38 △ 16 △ 30.4
旅費 計 384 350 348 308 277 232 △ 151 △ 39.4
物件費 印紙売捌手数料 595 599 544 447 453 443 △ 152 △ 25.5
各所修繕 137 128 124 123 117 114 △ 22 △ 16.6
施設施工庁費 3 3 3 2 3 2 △ 0 △ 18.2
自動車重量税 1 2 3 2 2 1 △ 0 △ 20.0
情報処理業務庁費 1,272 1,835 7,405 7,566 8,473 9,506 8,234

647.3

庁費 5,191 5,012 4,796 4,463 4,146 3,757 △ 1,433

△ 27.6

通信専用料 4,936 5,071 47 46 43 42 △ 4,894 △ 99.1
電子計算機借料 14 14 14 5 - - △ 14 △ 100.0
土地建物借料 28 21 16 15 13 13 △ 15 △ 53.8
物件費 計 12,181 12,686 12,958 12,670 13,254 13,882 1,700 13.9
施設費 計 775 1,456 748 1,000 1,877 1,134 358 46.2
補助費・委託費 計 135,675 77,932 63,837 28,008 23,584 22,249 △ 113,425 △ 83.6
他会計へ繰入 計 647 657 616 1,116 1,091 1,130 482 74.5
その他 計 98,135 40,421 21,239 12,835 9,264 6,823 △ 91,312 △ 93.0
自動車安全特別会計 合計 264,639 149,913 115,189 71,518 63,360 58,269 △ 206,370 △ 77.9

自動車安全特別会計 合計
(他会計へ繰入を除いた合計)

263,992 149,256 114,573 70,402 62,269 57,139 △ 206,852 △ 78.3
(注)
 計には、表示した目以外を含む。

支出済歳出額の推移の分析

<特徴>  この会計は、自動車損害賠償保障事業、自動車検査登録等事務、自動車事故対策事業等に関する国の経理を一般会計と区分して 行うため設置されており、20年度に、自動車損害賠償保障事業特別会計及び自動車検査登録特別会計の2特別会計が統合されて設置 されている。同特別会計は、保障、自動車検査登録及び自動車事故対策の3勘定に区分して経理されており、統合の際に、定員は自 動車検査登録勘定に措置され、各勘定から人件費及び事務費に係る経費を繰り入れる仕組みが作られていることから、この特別会 計の人件費、旅費及び物件費の支出済歳出額の推移の状況は、全勘定統合分で分析を行った。
 総人件費改革に基づく予算定員の減少及び人事院勧告を踏まえた給与法改正による俸給や一部手当の見直しなどにより減少している。
 (物件費)
 19年度に、情報処理業務庁費が増加しているのは、18年度まで通信専用料に計上していたシステムに係るデータ通信サービス等 の経費を情報処理業務庁費に移行したことによるものであり、20年度以降に増加しているのは、電子政府構築計画(15年7月策定) に基づくシステムの設計・開発が開始され、21年度から開発業務が本格化するなどしたことによるものである。


特別会計名 自動車安全特別会計(平成19年度以前は自動車損害賠償保障事業特別会計保障、保険料等充当交付金勘定) 所管府省名 国土交通省 設置等年度 平成20年度 分類 行政的事業
設置
目的
自動車損害賠償保障事業(保有者が明らかでない自動車によって生命、身体を害されて損害賠償の請求をする自動車損害賠償保障事業(保有者が明らかでない自動車によって生命、身体を害されて損害賠償の請求をする業等(自動車損害賠償責任再保険事業及び自動車損害賠償責任共済保険事業)に関する経理を明確にするため 勘定 保障勘定
特別会計の歳入歳出額の推移等 歳入額
年度
項目
平成17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 22年度
歳入予算額 3093億円 1615億円 1253億円 816億円 699億円 677億円
収納済歳入額(A) 2695億円 1523億円 1203億円 790億円 790億円 674億円
一般会計からの繰入額(B) - - - - - -
(B/A) - - - - - -
特定財源の額(C) - - - - - -
(C/A) - - - - - -
歳出額 歳出予算現額(D) 2442億円 989億円 661億円 247億円 126億円 107億円
支出済歳出額(E) 2031億円 881億円 577億円 174億円 106億円 84億円
(支出率 E/D) (83.1%) (89.0%) (87.3%) (70.5%) (83.8%) (78.5%)
繰越額(F) - - - - - -
(繰越率 F/D) - - - - - -
不用額(G) 410億円 107億円 83億円 72億円 20億円 23億円
(不用率 G/D) (16.8%) (10.9%) (12.6%) (29.4%) (16.1%) (21.4%)
剰余金 剰余金(H)=(A)-(E) 664億円 642億円 625億円 616億円 600億円 590億円
(剰余金率 H/A) (24.6%) (42.1%) (51.9%) (77.9%) (84.9%) (87.4%)
特別会計に関する法律に規定されている剰余金の処理方法 積立金等に積立て、翌年度の歳入に繰入れ、一般会計の歳入に繰入れ
積立金等の年度末残高            
積立金 1769億円 958億円 448億円 320億円 264億円 221億円
             
平成21年度特別会計財務書類のうち貸借対照表における特別会計に帰属する資産及び負債の状況 <資産の部>   <負債の部>  
〔1〕 現金・預金 864億円 〔1〕 政府短期証券 -
〔2〕 有形固定資産 - 〔2〕 借入金 -
〔3〕 出資金 - 〔3〕 公債 -
〔4〕 その他の資産 610億円 〔4〕 その他の負債 68億円
    負債合計 68億円
    <資産・負債差額の部>  
資産合計 1474億円 資産・負債差額 1405億円
剰余金の推移等の状況  

 本勘定の剰余金は、主に過去の賦課金収入の未支出分である。保障金等の支払については、過去から将来にかけての全ての自動車ユーザーで広く薄く負担すべきとの考え方に基づき、9年度から、現在の自動車ユーザーが負担する賦課金の割合を半分弱程度とし、残りについては、過去の自動車ユーザーが負担した賦課金の支出残である剰余金を充てているため、剰余金が年々減少している。

積立金等の推移等の状況  

 この積立金は、再保険金等の財源に充てるため、政府が再保険を行う制度を廃止した13年度以前の自動車損害賠償責任保険及び責任共済に係る再保険料が積み立てられたものである。再保険制度を廃止した後、新たな再保険料の積立てが行われていない一方で、政府再保険に係る保険金は、当該保険及び共済の最長契約可能期間が60か月であるため18年度末までの契約自動車の運行による事故について支払われ、また、症状固定までに長期間を要する後遺障害があることなどからその後も当分の間支払われることとなり、毎年度本積立金から本勘定の歳入に繰入れを行っているため、残高は減少している。

支出済歳出額の推移表(保障勘定)

(単位:百万円、%)

使途別分類名 目名 平成17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 22年度 対17年度比(増減)
増減額 増減率
人件費 計 680 596 579 - - - △ 680 △ 100.0
旅費 計 42 35 35 - - - △ 42 △ 100.0
物件費 計 469 434 387 - - - △ 469 △ 100.0
補助費・委託費 保険料等充当交付金 102,687 45,480 34,398 3,015 - - △ 102,687 △ 100.0
補助費・委託費 計 103,684 46,456 35,355 3,865 608 851 △ 102,832 △ 99.1
他会計へ繰入 計 155 168 189 758 777 803 648 417.1
その他 再保険金及保険金 86,342 35,142 17,429 9,812 5,899 3,989 △ 82,353 △ 95.3
払戻金 6,312 3 2 1 2 0 △ 6,311 △ 99.9
保障金 5,453 5,246 3,775 2,994 3,333 2,804 △ 2,649 △ 48.5
その他 計 98,129 40,414 21,230 12,808 9,236 6,793 △ 91,335 △ 93.0
保障勘定 合計 203,161 88,106 57,777 17,432 10,622 8,448 △ 194,712 △ 95.8

保障勘定 合計
(他会計へ繰入を除いた合計)

203,005 87,938 57,588 16,674 9,844 7,645 △ 195,360 △ 96.2
(注)
 計には、表示した目以外を含む。

支出済歳出額の推移の分析

<特徴>  17年度以降の支出済歳出額は、補助費・委託費及びその他が大幅に減少している。このうち、補助費・委託費については、旧自 動車損害賠償保障事業特別会計で、13年度末の政府再保険制度廃止時の累積運用益の20分の11をユーザーに還元するため14年度か ら19年度までの6年間の保険契約に係る保険料の一部を保険料充当交付金として保険会社等に交付(20年度の支出は19年度第4四半 期分)し、保険加入者の負担額の引下げを行ってきたものであり、交付金終了後の急激な保険料負担の増加を防止するため、交付 額を段階的に減少させたことにより、17年度以降の推移は減少している。また、その他については、13年度末の政府再保険制度廃 止により、現在は、経過措置として、政府再保険制度下で契約された再保険契約に基づく再保険金の支払を残すのみとなっている ため年々減少しているものである。なお、保障金は、自賠責保険料の一部に含まれる賦課金を財源として、ひき逃げ・無保険車の 被害者に支払うものであり、自動車事故件数の減少に伴い支払額も減少傾向にある。


特別会計名 自動車安全特別会計(平成19年度以前は自動車検査登録特別会計) 所管府省名 国土交通省 設置等年度 平成20年度 分類 行政的事業
設置
目的
自動車検査登録等事務(自動車の検査、登録等)に関する経理を明確にするため 勘定 自動車検査登録勘定
特別会計の歳入歳出額の推移等 歳入額
年度
項目
平成17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 22年度
歳入予算額 585億円 598億円 538億円 431億円 448億円 412億円
収納済歳入額(A) 604億円 632億円 573億円 396億円 461億円 426億円
一般会計からの繰入額(B) 16億円 14億円 11億円 8億円 8億円 7億円
(B/A) (2.7%) (2.3%) (1.9%) (1.7%) (1.7%) (1.6%)
特定財源の額(C) - - - - - -
(C/A) - - - - - -
歳出額 歳出予算現額(D) 488億円 485億円 453億円 157億円 438億円 404億円
支出済歳出額(E) 453億円 461億円 429億円 144億円 390億円 366億円
(支出率 E/D) (92.8%) (94.9%) (94.7%) (92.0%) (88.9%) (90.6%)
繰越額(F) 12億円 1億円 3億円 4億円 6億円 0億円
(繰越率 F/D) (2.5%) (0.2%) (0.7%) (1.0%) (1.4%) (0.1%)
不用額(G) 22億円 23億円 20億円 31億円 42億円 37億円
(不用率 G/D) (4.6%) (4.8%) (4.4%) (7.1%) (9.5%) (9.2%)
剰余金 剰余金(H)=(A)-(E) 151億円 170億円 144億円 103億円 71億円 60億円
(剰余金率 H/A) (24.9%) (27.0%) (25.1%) (20.7%) (15.5%) (14.0%)
特別会計に関する法律に規定 されている剰余金の処理方法 翌年度の歳入に繰入れ、一般会計の歳入に繰入れ
積立金等の年度末残高 - - - - - -
平成21年度特別会計財務書類のうち貸借対照表における特別会計に帰属する資産及び負債の状況 <資産の部>   <負債の部>  
〔1〕現金・預金 71億円 〔1〕政府短期証券 -
〔2〕有形固定資産 997億円 〔2〕借入金 -
〔3〕出資金 312億円 〔3〕公債 -
〔4〕その他の資産 25億円 〔4〕その他の負債 362億円
    負債合計 362億円
    <資産・負債差額の部>  
資産合計 1407億円 資産・負債差額 1045億円
剰余金の推移等の状況  

 19年度に、検査登録手数料収入の手数料体系の改正(国に納付する手数料の引下げ)を行ったことにより、歳入が減少し、これに伴い剰余金も減少する傾向となっている。
 また、21年度までは、歳出の繰越しや不用が見込まれたものを一般会計からの繰入額に十分に反映させていなかったため、翌年度繰越額や不用額を要因とする剰余金が発生していたが、22年度では、一般会計からの繰入れをより適切かつ効率的なものとするよう、歳出の繰越しや不用が見込まれたものについては、一般会計からの繰入額に可能な限り反映させることとしたため、剰余金が大幅に減少している。

積立金等の推移等の状況  
 本勘定に積立金は設置されていない。

支出済歳出額の推移表(自動車検査登録勘定)

(単位:百万円、%)

使途別分類名 目名 平成17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 22年度 対17年度比(増減)
増減額 増減率
人件費 計 16,158 15,811 14,861 15,577 14,010 12,816 △ 3,341 △ 20.6
旅費 計 342 314 312 308 277 232 △ 109 △ 31.9
物件費 計 11,711 12,252 12,570 12,670 13,254 13,882 2,170 18.5
施設費 施設整備費 775 1,044 748 911 1,405 989 214 27.6
不動産購入費 - 411 - 89 471 144 144 -
施設費 計 775 1,456 748 1,000 1,877 1,134 358 46.2
補助費・委託費 自動車検査独立行政法人運営費交付金 8,934 8,921 7,753 1,544 1,372 1,257 △ 7,677 △ 85.9
自動車検査独立行政法人施設整備費補助金 2,147 2,312 1,768 3,812 3,614 2,464   317   14.7  
独立行政法人交通安全環境研究所施設整備費補助金 215 191 312 299 158 215 0 0.0
独立行政法人交通安全環境研究所審査勘定運営費交付金 810 931 909 875 862 822 11 1.4
補助費・委託費 計 16,196 16,134 14,260 9,871 9,432 8,392 △ 7,804 △ 48.1
他会計へ繰入 計 182 178 163 152 133 130 △ 51 △ 28.4
その他 計 6 6 9 27 28 29 23 339.6
自動車検査登録勘定 合計 45,373 46,153 42,926 39,608 39,014 36,618 △ 8,754 △ 19.2
自動車検査登録勘定 合計
(他会計へ繰入を除いた合計)
45,190 45,975 42,763 39,456 38,881 36,488 △ 8,702 △ 19.2
(注)
 計には、表示した目以外を含む。

支出済歳出額の推移の分析

<特徴> 17年度以降の支出済歳出額は、補助費・委託費が減少している。これは、独立行政法人に対する財政支出を抑制してきたことによる。このうち、自動車検査独立行政法人に対する運営費交付金が大幅に減少しているのは、総務省政策評価・独立行政法人評価委員会からの勧告を受け、同法人の自己収入の充実を図り運営の自主性を高めるため、20年1月以降、基準適合性審査手数料を国にではなく直接同法人に納付するよう制度改正を行うこととし、従来は国に納付されていた手数料を財源として交付していた運営費交付金を廃止したためである。なお、施設整備費及び不動産購入費は、耐震性能の不十分な施設や老朽化による庁舎建て替えのために要した費用であり、工事等の着手時期及び進捗に応じて増減している。


特別会計名 自動車安全特別会計(平成19年度以前は自動車損害賠償保障事業特別会計自動車事故対策勘定) 所管府省名 国土交通省 設置等年度 平成20年度 分類 行政的事業
設置
目的
自動車事故対策事業(被害者保護の増進又は自動車事故防止対策に関する事業)に関する経理を明確にするため 勘定 自動車事故対策勘定
特別会計の歳入歳出額の推移等 歳入額
年度
項目
平成17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 22年度
歳入予算額 170億円 165億円 157億円 152億円 147億円 137億円
収納済歳入額(A) 164億円 158億円 199億円 149億円 140億円 138億円
一般会計からの繰入額(B) - - - - - -
(B/A) - - - - - -
特定財源の額(C) - - - - - -
(C/A) - - - - - -
歳出額 歳出予算現額(D) 170億円 165億円 157億円 157億円 147億円 137億円
支出済歳出額(E) 161億円 156億円 144億円 144億円 137億円 132億円
(支出率 E/D) (94.5%) (94.5%) (92.0%) (92.0%) (92.7%) (96.0%)
繰越額(F) - - 5億円 - - 0億円
(繰越率 F/D) - - (3.2%) - - (0.3%)
不用額(G) 9億円 9億円 7億円 12億円 10億円 5億円
(不用率 G/D) (5.4%) (5.4%) (4.6%) (7.9%) (7.2%) (3.6%)
剰余金 剰余金(H)=(A)-(E) 3億円 2億円 54億円 4億円 3億円 6億円
(剰余金率 H/A) (2.3%) (1.4%) (27.4%) (3.0%) (2.5%) (4.3%)
特別会計に関する法律に規定されている剰余金の処理方法 積立金等に積立て、翌年度の歳入に繰入れ、一般会計の歳入に繰入れ
積立金等の年度末残高            
積立金 2737億円 2627億円 2514億円 2472億円 2385億円 2298億円
             
平成21年度特別会計財務書類のうち貸借対照表における特別会計に帰属する資産及び負債の状況 <資産の部>   <負債の部>  
〔1〕 現金・預金 2388億円 〔1〕 政府短期証券 -
〔2〕 有形固定資産 - 〔2〕 借入金 -
〔3〕 出資金 114億円 〔3〕 公債 -
〔4〕 その他の資産 4511億円 〔4〕 その他の負債 -
    負債合計 -
    <資産・負債差額の部>  
資産合計 7014億円 資産・負債差額 7014億円
剰余金の推移等の状況  

 19年度は、独立行政法人自動車事故対策機構納付金収入が予定よりも47億円多かったこと及び翌年度への繰越し(5億円)があったことにより、剰余金が多額になっている。なお、この剰余金の原資は保険料であったことから、積立金に積み立てた上で、本勘定の歳出の財源として活用することとしている。

積立金等の推移等の状況  

 この積立金は、自動車事故対策計画を安定的に実施するため、政府が再保険を行う制度を廃止した13年度以前の自動車損害賠償責任保険及び責任共済に係る再保険料から生じた運用益の一部が積み立てられたものである。そして、当初は、本積立金から生ずる運用益を財源として、自動車事故による被害者救済対策等の事業を実施することを予定していたが、本積立金設置時に、当時の自動車損害賠償責任再保険特別会計保険勘定から特例的に一般会計へ繰り入れた金額のうち繰り戻されていなかったものがあったため、この繰戻未済額等を除いた額を積立金として積み立てた。これに加えて、当初予定していた運用利率より実際の利率が低かったこともあり、本積立金の運用益だけでは事業の財源を充足できず、毎年度本積立金から本勘定の歳入に繰入れを行っているため、残高は減少している。

支出済歳出額の推移表(自動車事故対策勘定)

(単位:百万円、%)

使途別分類名 目名 平成17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 22年度 対17年度比(増減)
増減額 増減率
補助費・委託費 自動車事故対策費補助金 5,964 5,834 5,792 5,375 5,270 5,239 △ 724 △ 12.1
独立行政法人自動車事故対策機構運営費交付金 9,004 8,688 8,428 8,105 7,819 7,420 △ 1,584 △ 17.5
独立行政法人自動車事故対策機構施設整備費補助金 826 818 - 791 453 346 △ 479 △ 58.0
補助費・委託費 計 15,795 15,342 14,220 14,271 13,543 13,006 △ 2,788 △ 17.6
他会計へ繰入 計 309 311 264 206 179 196 △ 113 △ 36.6
自動車事故対策勘定 合計 16,104 15,653 14,485 14,477 13,722 13,202 △ 2,902 △ 18.0

自動車事故対策勘定 合計
(他会計へ繰入を除いた合計)

15,795 15,342 14,220 14,271 13,543 13,006 △ 2,788 △ 17.6
(注)
 計には、表示した目以外を含む。

支出済歳出額の推移の分析

<特徴> 17年度以降の支出済歳出額は、年度によって増減はあるが補助費・委託費が減少している。これは、独立行政法人に対する財政支出を抑制してきたことが主な要因である。自動車事故対策費補助金の減少は、18年度以降、補助率等の見直しを行っているためである。