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  • 国会からの検査要請事項に関する報告(検査要請)|
  • 会計検査院法第30条の3の規定に基づく報告書 |
  • 平成25年10月 |
  • 東日本大震災からの復興等に対する事業の実施状況等に関する会計検査の結果について |
  • 別添1 特定被災自治体別の被災等の状況及び復旧・復興事業の実施状況

(5) 埼玉県及び1市

ア 被災の状況

(ア) 人的被害

1市の人的被害については、25年3月末現在、死者1人、負傷者2人となっている。

(イ) 避難の状況

埼玉県及び1市の住民の避難の状況については、25年3月末現在、全て自宅等へ帰還している。また、他県から埼玉県への避難者は3,989人であり、このうち福島県からの避難者が3,774人となっている。

(ウ) 建物への被害

1市における建物への被害については、25年3月末現在、全壊12戸、半壊102戸、一部破損506戸となっている。

(エ) 地方公共団体が所有し、又は管理する施設等への被害の状況

埼玉県及び1市における被害額については、25年3月末現在、公共土木施設5億余円等計7億余円と推計されている。

表 埼玉県及び1市の被害推計(平成25年3月末現在)

(単位:百万円)

特定被災自治体名 庁舎等施設(警察及び消防施設を含む) 福祉施設 教育・文化施設 公共土木施設 農林水産業関係 商工業関係
埼玉県 58 87 295 5 448
久喜市 2 1 34 214 0 253
61 1 122 510 0 5 701
(注)
各特定被災自治体には、表中の被害額のほかに推計できない被害が生じている。

イ 復興事業の実施状況

(ア) 復興関連基金事業

埼玉県に対する復興関連基金事業に係る国庫補助金等交付額は、6基金で計90億余円となっており、これらの基金により13事業を実施している。

表 埼玉県における復興関連基金事業別の執行状況等

(単位:千円、%)

基金名 復興予算区分 基金事業名 所管省庁名 国庫補助金等交付額 平成24年度末までの取崩額 基金事業執行率 24年度末に保有している国庫補助金等相当額 当初の終了 年度延長された年度等
(A) (B) (B/A) (A-B)
埼玉県自殺対策緊急強化基金 23年度3次補正 地域自殺対策緊急強化基金事業費 内閣府 87,373 24年度 25年度
埼玉県高校生修学支援基金(被災児童生徒就学支援等臨時特例交付金) 23年度1次補正、3次補正 被災幼児就園支援事業 文部科学省 66,766 23,419 35.0 43,347 26年度
被災児童生徒就学援助事業 文部科学省 182,483 76,999 42.1 105,484 26年度
私立学校授業料等減免事業 文部科学省 192,968 37,328 19.3 155,640 26年度
被災児童生徒等特別支援教育就学奨励事業 文部科学省 1,780 305 17.1 1,475 26年度
専修学校・各種学校授業料等減免事業 文部科学省 114,936 17,152 14.9 97,784 26年度
558,933 155,203 27.7 403,730
安心こども基金 23年度1次補正 地域子育て創生事業 厚生労働省 9,586 1,880 19.6 7,705 23年度 25年度
埼玉県緊急雇用創出基金(住まい対策拡充等支援事業分) 23年度3次補正 社会的包摂・「絆」再生事業 厚生労働省 1,313,383 524,530 39.9 788,852 24年度 25年度
生活福祉資金相談等体制整備事業 厚生労働省 472,560 253,613 53.6 218,947 24年度 25年度
被災生活保護受給者に対する生活再建サポート事業 厚生労働省 54,000 - - 54,000 24年度 25年度
1,839,943 778,143 42.2 1,061,799
埼玉県緊急雇用創出基金 23年度1次補正 震災等緊急雇用対応事業 厚生労働省 100,000 80,342 80.3 19,657 24年度 24年度25年度(被災9県のみ(25年度までに開始した事業は26年度まで))
23年度3次補正 震災等緊急雇用対応事業 厚生労働省 5,830,000 5,077,863 87.0 752,136 24年度(24年度までに開始した事業は25年度まで) 25年度(被災9県のみ(25年度までに開始した事業は26年度まで))
5,930,000 5,158,206 86.9 771,793
埼玉県森林整備加速化・林業再生基金 23年度3次補正 森林整備加速化・林業再生事業 林野庁 660,000 161,009 24.3 498,990 26年度
合計(6基金13事業) 9,085,835
うち12事業(「地域自殺対策緊急強化事業」を除く。) 8,998,462 6,254,443 69.5 2,744,018
注(1)
基金名が同一であっても、基金の原資となっている国庫補助金等名が異なるなどの場合は、別の基金として集計している。
注(2)
基金事業名は、国庫補助金等交付先ごとに異なっていることから、代表的な名称等を記載している。
注(3)
「当初の終了年度」欄は、復旧・復興予算が措置された際に設定された事業の終了期限の年度を記載している。
注(4)
復興関連基金事業が同一事業であっても、予算別に区分経理されている場合は、別の事業として集計している。
注(5)
復興関連基金事業のうち、既存の基金と復興関連基金事業とを区分して経理していないものは、「平成24年度末までの取崩額」、「基金事業執行率」、「24年度末に保有している国庫補助金等相当額」の欄を「/」としている。
注(6)
各種基金事業は、埼玉県の実情に合わせて実施されているため、都道府県別の復興関連基金事業数(表35参照)とは一致しない。

(イ) 復興交付金事業

埼玉県に所在する市町村に対する復興交付金は、25年7月末現在、久喜市1市に対して、2億余円の交付可能額が通知されている。久喜市では、土地区画整理事業により造成された地区において、著しい液状化の被害を受けており、市街地の液状化対策を講ずるなどのため、都市防災推進事業(D-19)を実施している。

表 久喜市に対する交付可能額(平成25年7月末現在)

(単位:百万円)

事業番号 事業名 基幹事業 効果促進
D-19 都市防災推進事業(市街地液状化対策事業) 223 - 223

(ウ) 補助事業等の実施状況

埼玉県及び1市が実施した23年度の補助事業等について、所管別・事業別にみると、6府省、15事業となっていて、補助事業執行率は23年度で87.1%、23、24両年度で100%となっている。また、24年度の補助事業等について、所管別・事業別にみると、5府省、7事業となっていて、補助事業執行率は78.4%となっている。

表 平成23年度補助事業等の所管別・事業別実施状況

(単位:千円、%)

所管 事業名 事業実施
特定被災
自治体数
交付決定額 23年度実施分 24年度への繰越分に係る24年度実施分
平成24年度
に繰り越し
た特定被災
自治体数
25年度に繰
り越した特
定被災自治
体数
交付額 24年度への繰越額 差引過不足額(不用額等) 23年度の補助事業執行率 交付額 25年度への繰越額(事故繰越等) 差引過不足額(不用額等) 24年度までの補助事業執行率
(A) (B) (C) (D)=(A-B-C) (E)=B/(A-D) (F) (G) (H)=(C-F-G) (B+F)/(A-D-H)
内閣府 都道府県警察費補助 1 11,724 11,724 100.0 100.0
文部科学省 公立学校施設災害復旧事業等2事業 64,283 57,362 6,875 46 89.2 6,499 376 100.0
厚生労働省 社会福祉施設等災害復旧費補助等3事業 90,614 87,640 2,974 100.0 100.0
農林水産省 農地・農業用施設災害復旧事業費補助等2事業 62,513 62,513 100.0 100.0
国土交通省 河川等災害復旧事業費補助等3事業 73,620 68,302 5,317 100.0 100.0
環境省 放射線量低減対策特別緊急事業費補助等4事業 56,117 18,056 38,061 32.1 35,532 2,528 100.0
計(6府省15事業) 2 1 358,872 305,598 44,936 8,337 87.1 42,031 2,904 100.0
注(1)
特定被災自治体は、複数の事業を実施している場合があるため、計欄の特定被災自治体数は事業別の集計と一致しない。
注(2)
事業名欄で複数の事業をまとめて記載しているものについては、特定被災自治体数を集計していない。

表 平成24年度補助事業等の所管別・事業別実施状況

(単位:千円、%)

所管 事業名 事業実施特定被災自治体数 交付決定額 交付額 25年度への繰越額 差引過不足額(不用額等) 24年度の補助事業執行率
25年度に繰り越した特定被災自治体数
(A) (B) (C) (D)=(A-B-C) (E)=B/(A-D)
内閣府 都道府県警察施設整備費補助 1 42,945 42,945 100.0
厚生労働省 介護保険災害臨時特例補助等2事業 243 243 100.0
農林水産省 消費・安全確保対策推進交付金 1 1,585 1,585 100.0
国土交通省 地籍調査費負担金 1 16,350 16,350 100.0
環境省 放射線量低減対策特別緊急事業費補助等2事業 17,388 488 16,900 2.8
計(5府省7事業) 2 1 78,511 61,611 16,900 78.4
注(1)
特定被災自治体は、複数の事業を実施している場合があるため、計欄の特定被災自治体数は事業別の集計と一致しない。
注(2)
事業名欄で複数の事業をまとめて記載しているものについては、特定被災自治体数を集計していない。

ウ 原子力災害からの復興再生

埼玉県及び1市における原子力災害関係の経費項目に係る国庫補助事業の実施状況についてみると、県において、放射性物質汚染対処特措法に基づく土壌等の除染作業等を実施している。

エ 復旧・復興事業に関する課題、進捗に関する意向や要望等

埼玉県及び1市における復旧・復興事業に関する要望についてみると、補助事業で改善を要望している。また、復旧・復興事業の進捗に関する意識についてみると、県、市ともに全般的に進捗しているとしている。

表 埼玉県及び1市における復旧・復興事業に関する要望

(単位:特定被災自治体数)

区分 現状で良い 改善を要望する事項がある 改善要望事項
交付時期(基金事業は造成時期) 交付方法(基金事業は管理方法) 対象事業の拡充 実施期間の延長(震災復興特別交付税は算定期間の延長) 事務手続の簡素化 ニーズの把握 その他
基金事業 2 0 0 0 0 0 0 0 0
復興交付金事業 2 0 0 0 0 0 0 0 0
補助事業 1 1 0 0 0 1 1 1 1
震災復興特別交付税 2 0 0 0 0 0 0 0 0
(注)
改善要望事項は、複数回答しているものがある。

表 埼玉県及び1市における復旧・復興事業の進捗に関する意識調査結果

(単位:特定被災自治体数)

全般的に進捗している 一部滞っている 要因 復旧・復興事業の課題
人材の確保 財源 その他
財源不足 人員不足 事務手続困難 関連事業の進捗遅延 土木・建築関係等専門職 福祉・厚生・教育関係専門職 一般行政職員 土木・建築関係等民間事業者 福祉・厚生・教育関係民間事業者 ボランティア等民間支援 人件費 物件費 事務手続の簡素化 復興のための新たな手法等の確立 適切なニーズの把握 その他
2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
(注)
要因及び復旧・復興事業の課題は、複数回答しているものがある。