災害公営住宅の整備は、東日本大震災等からの復興に向けて、自力での住宅再建や取得が困難な被災者の居住の安定確保につながり、被災地のまちづくりに寄与するものであることから、その進捗状況等は国民の大きな関心の対象となっている。また、災害公営住宅整備事業等は、復興交付金事業の中でも基幹事業の一つとして位置付けられている。
そこで、会計検査院は、効率性、有効性等の観点から、災害公営住宅の整備に係る計画策定に際して、住民に対する意向調査や整備方式の採用は適切に行われているか、整備は着実に進捗しているか、整備後の募集及び入居の状況はどうなっているかなどに着眼して検査した。
東日本大震災等により住宅等に甚大な被害を受けるなどした8県(注1)管内の56市町村の区域内で実施又は計画されている災害公営住宅整備事業等(災害復興型地域優良賃貸住宅整備事業及び高齢者生活支援施設等整備事業を除く。以下同じ。)を対象に、8県から調書を徴してその内容を分析するとともに、国土交通省及び7県(注2)において、災害公営住宅の整備状況を現地で確認するなどして会計実地検査を行った。また、比較分析を行うため、過去の地震等により被災した新潟、兵庫両県において、説明を聴取するなどして会計実地検査を行った。