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  • 国会及び内閣に対する報告(随時報告)|
  • 会計検査院法第30条の2の規定に基づく報告書|
  • 平成25年10月

国庫補助金等により基金法人に設置造成された基金の状況について


2 検査の観点、着眼点、対象及び方法

(1) 検査の観点及び着眼点

国が国庫補助金等を交付して法人等に設置造成された基金については、基金法人及び所管府省の基金基準による見直しや会計検査院の検査等の結果として、不要となった基金が国庫へ返納されたり、基金事業の内容等が変更されたりなどしている一方、20年度以降、緊急経済対策等の一環として多数の基金が新規に設置造成されるなどしている。

また、基金を設置造成するための原資として国から交付される国庫補助金等は、法人等に交付されて基金が設置造成されることにより、その額が確定するものなどであるが、基金事業そのものは、その後、設置造成された基金により複数年度にわたって継続して実施されていくものである。

そこで、国庫補助金等を交付して設置造成された基金について、合規性、経済性、効率性、有効性等の観点から、次のような点に着眼して各府省横断的に検査を実施した。

  • ア 基金の設置造成のために交付された国庫補助金等の交付額、設置造成された基金の規模、国庫への返納等の状況はどのように推移しているか。

  • イ 基金基準等による基金の見直し及び公表は適時適切に行われているか。

  • ウ 基金基準に定める基準は遵守されているか。また、基金基準はその目的を達成するために適切な基準となっているか。

(2) 検査の対象及び方法

基金基準を所掌する内閣官房、基金を設置造成するために国庫補助金等を交付した11府省(15府省庁)(注2)、11府省が交付した国庫補助金等により設置造成された基金のうち基金基準の対象となる基金で、20年4月1日から25年3月31日までの間に存在した313基金(注3)(25年3月31日時点で廃止済みの基金を含む。)を保有する又は保有していた120基金法人を対象として検査を実施した。この25年次検査の対象とした313基金は、国庫補助金等により設置造成された基金から、基金基準の対象とならない独立行政法人等に設置造成された基金及び23年報告において検査対象とした都道府県等に設置造成された基金を除く基金である。

検査に当たっては、11府省及び120基金法人(313基金)から国庫補助金等により設置造成された基金の状況について調書を徴して、これらの調査、分析等を行うとともに、内閣官房、11府省及び44基金法人(169基金)に赴くなどして会計実地検査を行った。

(注2)
11府省(15府省庁)  内閣府(内閣府本府)、総務省(本省)、外務省(本省)、財務省(国税庁)、文部科学省(本省)、厚生労働省(本省)、農林水産省(本省、林野庁、水産庁)、経済産業省(本省、資源エネルギー庁、中小企業庁)、国土交通省(本省)、環境省(本省)、防衛省(本省)
(注3)
313基金  一つの基金の中に、別々の国庫補助金等により設置造成されるなどして、区分経理された複数の事業がある基金は、区分経理された事業ごとに一つの基金として集計している。なお、平成20年4月1日時点において基金保有額があったものの、基金事業が19年度で終了していて、20年度の事業執行はなく、国庫への返納のみが行われた3基金及び平成21年度第1次補正予算により設置造成したが、事業執行する前に全額を国庫へ返納した1基金は、集計から除外している。