国が国庫補助金等を交付して法人等に設置造成された基金については、基金法人及び所管府省の基金基準による見直しや会計検査院の検査等の結果として、不要となった基金が国庫へ返納されたり、基金事業の内容等が変更されたりなどしている一方、20年度以降、緊急経済対策等の一環として多数の基金が新規に設置造成されるなどしている。
また、基金を設置造成するための原資として国から交付される国庫補助金等は、法人等に交付されて基金が設置造成されることにより、その額が確定するものなどであるが、基金事業そのものは、その後、設置造成された基金により複数年度にわたって継続して実施されていくものである。
そこで、国庫補助金等を交付して設置造成された基金について、合規性、経済性、効率性、有効性等の観点から、次のような点に着眼して各府省横断的に検査を実施した。
基金基準を所掌する内閣官房、基金を設置造成するために国庫補助金等を交付した11府省(15府省庁)(注2)、11府省が交付した国庫補助金等により設置造成された基金のうち基金基準の対象となる基金で、20年4月1日から25年3月31日までの間に存在した313基金(注3)(25年3月31日時点で廃止済みの基金を含む。)を保有する又は保有していた120基金法人を対象として検査を実施した。この25年次検査の対象とした313基金は、国庫補助金等により設置造成された基金から、基金基準の対象とならない独立行政法人等に設置造成された基金及び23年報告において検査対象とした都道府県等に設置造成された基金を除く基金である。
検査に当たっては、11府省及び120基金法人(313基金)から国庫補助金等により設置造成された基金の状況について調書を徴して、これらの調査、分析等を行うとともに、内閣官房、11府省及び44基金法人(169基金)に赴くなどして会計実地検査を行った。