1件 不当と認める国庫補助金 3,039,000円
情報通信技術地域人材育成・活用事業交付金は、地域の知恵と工夫を生かし、地域の人材を活用しながら、情報通信技術(以下「ICT」という。)を導入して活用することにより、地場産業の活性化を図るなどのための事業を行う事業主体に対して、事業の実施に要する経費について、国が交付するものである。そして、その交付対象経費は、プログラム開発等役務費、ソフトウェア購入費(ライセンスの購入に要した経費を含む。)等のICT関連システムの設計・構築に要する経費等とされている。
本院が総務本省、5市、2町、1連携主体、2第三セクター及び2特定非営利活動法人において会計実地検査を行ったところ、1連携主体において次のとおり適切でない事態が見受けられた。
部局等 | 交付金事業者(事業主体) | 交付金事業 | 年度 | 交付対象事業費 | 左に対する交付金交付額 | 不当と認める交付対象事業費 | 不当と認める交付金相当額 | 摘要 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(12) | 総務本省 | 連携主体(株式会社ケーブルテレビ山形、山形県、山形市) | 情報通信技術地域人材育成・活用事業交付金 | 22 | 118,671 | 118,671 | 3,038 | 3,039 | 補助の対象外 |
この交付金事業は、上記の事業主体が、ICTを活用して、映画素材(現地の風景等)を全世界へ映像で公開してロケ地誘致を行うとともに、地域の人材を活用して映画素材の収集等を行うことで地場産業の強化と発展を図ることを目的として、ロケ地・会員管理等システム及び動画配信システムの整備、ウィルス対策ソフトウェアのライセンスの購入等を行ったものである。 そして、事業主体は、ウィルス対策ソフトウェア4本分のライセンスの購入に要した経費計3,038,647円を交付対象事業費に含めていた。 しかし、上記のライセンスは、サービス期間が平成23年4月1日以降5年間となっていることから、その購入に要した経費は本件交付金事業の完了日(23年3月31日)の翌日以降の維持管理に係る経費であり、交付対象事業費に含めることが認められない経費であった。 したがって、前記ライセンスの購入に要した経費計3,038,647円は交付の対象とはならず、これに係る交付金相当額3,039,000円が不当と認められる。 このような事態が生じていたのは、事業主体において本件交付金事業の対象となる経費についての理解が十分でなかったこと、総務本省において本件交付金事業の審査及び確認並びに事業主体に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。 |