1件 不当と認める国庫補助金 9,792,000円
私立学校施設整備費補助金(私立幼稚園施設整備費)は、幼稚園教育の振興に資することを目的として、幼稚園の園舎の耐震補強工事等を行う学校法人等に対して、当該事業に要する経費の一部を国が補助するものである。
この補助金の交付額は、私立学校施設整備費補助金(私立幼稚園施設整備費)交付要綱(平成11年文部大臣裁定)等によれば、園舎の耐震補強工事等に係る経費を補助対象経費として、これに補助率(園舎の耐震性能に応じて2分の1以内又は3分の1以内)を乗じて算定することとされている。
本院が、3府県の5学校法人において会計実地検査を行ったところ、次のような事態が見受けられた。
部局等 | 補助事業者(事業主体) | 補助事業 | 年度 | 補助対象経費 | 左に対する国庫補助金交付額 | 不当と認める補助対象経費 | 不当と認める国庫補助金 | 摘要 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(29) | 大阪府 | 学校法人今川学園 | 木の実幼稚園耐震補強工事 | 23 | 49,646 | 24,823 | 19,583 | 9,792 | 補助の対象とならない工事費を補助対象経費に含めていたもの |
学校法人今川学園は、平成23年度に実施した園舎の耐震補強工事等に係る経費を対象として、補助対象経費49,646,000円に補助率を乗じて、国庫補助金24,823,000円の交付を受けていた。
しかし、同法人は、補助の対象とならない家具の設置や便所の改修等の工事に係る経費を補助対象経費に含めていた。
したがって、適正な工事費により算定した補助対象経費30,062,516円に対する国庫補助金は15,031,000円となり、国庫補助金9,792,000円が過大に交付されていて、不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同法人において補助対象経費についての理解が十分でなかったこと、大阪府において実績報告書等に対する審査が十分でなかったことなどによると認められる。