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  • 平成25年度 |
  • 第3章 個別の検査結果 |
  • 第1節 省庁別の検査結果 |
  • 第9 厚生労働省 |
  • 不当事項 |
  • 補助金

(6)子育て支援交付金(地域子育て支援拠点事業に係る分)等が過大に交付されていたもの[厚生労働本省](182)―(186)


5件 不当と認める国庫補助金 30,894,000円

子育て支援交付金(地域子育て支援拠点事業に係る分)(以下「子育て交付金」という。)は、次世代育成支援対策推進法(平成15年法律第120号)に基づき、次世代育成支援対策の着実な推進を図ることを目的として、市町村(特別区を含む。以下同じ。)が策定する市町村行動計画(以下「行動計画」という。)に基づく措置のうち、次世代育成支援対策に資する事業に要する経費に充てるために、市町村に対して国が交付するものである(平成23年度の子育て交付金は、平成二十三年度における子ども手当の支給等に関する特別措置法(平成23年法律第107号)に基づき交付している。)。

子育て交付金は、行動計画により毎年度策定する事業計画及び「平成24年度子育て支援交付金の交付対象事業等について」(平成24年雇児発0727第5号。以下「実施要綱」という。)等に基づく事業として市町村が行う地域子育て支援拠点事業(以下「拠点事業」という。)等を交付の対象としている。
拠点事業は、乳幼児及びその保護者が相互の交流を行う場所を開設し、子育てについての相談、情報の提供、助言その他の援助を行うもので、実施要綱等において、地域子育て支援拠点に応じて、〔1〕 週3日以上又は週5日以上開設すること、〔2〕 専任の者を2名以上配置することなどが実施要件となっている。

また、拠点事業は、22年度は「次世代育成支援対策交付金の交付対象事業及び評価基準について」(平成22年雇児発0325第20号)に基づき、次世代育成支援対策に資する事業に要する経費に充てるために市町村に対して国が交付する次世代育成支援対策交付金(以下「次世代交付金」という。)の交付対象事業として、21年度以前は「児童環境づくり基盤整備事業の実施について」(平成21年雇児発0331037号)に基づき、市町村に対して都道府県が補助する事業に要する費用の一部を国が補助する児童環境づくり基盤整備事業費補助金(以下「国庫補助金」という。)の補助対象事業として、それぞれ実施されており、実施要件は上記の内容と同様となっている(以下、子育て交付金、次世代交付金及び国庫補助金を合わせて「子育て交付金等」という。)。

子育て交付金等の交付額は、次のとおり算定することとなっている。

ア 子育て交付金及び次世代交付金

子育て交付金、次世代交付金は、それぞれ「平成24年度子育て支援交付金の国庫補助について」(平成24年厚生労働省発雇児0727第1号)等、「次世代育成支援対策交付金の国庫補助について」(平成22年厚生労働省発雇児0325第10号)(以下、これらを合わせて「交付要綱」という。)に基づき、実施要綱の定める基準点数の合計点を基に厚生労働大臣が算出した額と、事業計画に掲げる事業の総事業費の合計額から寄附金その他の収入額の合計額を控除した額に2分の1を乗じた額とを比較して、少ない方の額を選定するなどして交付額とする。

イ 国庫補助金

国庫補助金は、「児童環境づくり基盤整備事業費の国庫補助について」(平成21年厚生労働省発雇児第0331021号)に定める基準額と対象経費の実支出額から寄附金その他の収入額を控除した額とを市町村(指定都市及び中核市を除く。)ごとに比較して少ない方の額を選定し、選定された額に3分の2を乗じて得た額と都道府県が補助した額とを比較して少ない方の額の合計額に2分の1を乗じて得た額を交付額とする。

本院が、26都道府県の241市町村において会計実地検査を行ったところ、5都県の5市町において、地域子育て支援拠点の開設日数が週2日以下で、週5日以上開設するとした実施要件を満たしていなかったり、配置されていた専任の者が通常保育等のために必要とされる保育士であったため、専任の者を2名以上配置するとした実施要件を満たしていなかったりするなどしていて、拠点事業の実施要件を満たしておらず、子育て交付金等の交付額の算定において交付の対象とならない事業に係る事業費を含めていたため、子育て交付金等が計30,894,000円過大に交付されていて、不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、5市町において交付要綱等で定められた子育て交付金等の対象となる事業についての理解が十分でなかったこと、2県において実績報告書等の審査及び確認が十分でなかったこと、厚生労働省において事業主体に対する指導等が十分でなかったことなどによると認められる。

以上を事業主体別に示すと次のとおりである。

  部局等 補助事業者 間接補助事業者等 国庫補助金等の種類 年度 国庫補助金等交付額 不当と認める国庫補助金等交付額 摘要
            千円 千円  
(182) 厚生労働本省 青森県
むつ市
(事業主体)
子育て支援交付金 23 14,495 4,567 週当たりの開設日数を確保していなかったもの
次世代育成支援対策交付金 22 14,313 2,681
青森県 むつ市
(事業主体)
児童環境づくり基盤整備事業費補助金 20、21 14,970 4,990
(183) 東京都
武蔵村山市
(事業主体)
子育て支援交付金 23 13,000 2,490 週当たりの開設日数等を確保していなかったもの
次世代育成支援対策交付金 22 12,738 2,490
(184) 静岡県
富士宮市
(事業主体)
子育て支援交付金 23、24 55,042 5,937 配置すべき専任の者の数を確保していなかったもの
(185) 和歌山県
日高郡
美浜町
(事業主体)
24 4,227 3,686
(186) 島根県
八束郡
東出雲町
(事業主体)
23 55,208 952
島根県 八束郡
東出雲町
(事業主体)
児童環境づくり基盤整備事業費補助金 20、21 8,093 3,101
(182)―(186)の計 192,086 30,894  
(注)
平成23年8月1日以降は松江市