(3件 不当と認める国庫補助金 5,125,000円)
部局等 | 補助事業者等 | 間接補助事業者等 | 補助事業等 | 年度 | 事業費 | 左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める事業費 | 不当と認める国庫補助金等相当額 | |
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(280) | 農林水産本省 | 北海道 | 公益財団法人北海道農業公社 (事業主体) |
青年就農給付金 | 24 | 248,048 | 248,048 | 1,500 | 1,500 |
(281) | 東海農政局 | 三重県 (事業主体) |
― | 同 | 24 | 50,284 | 50,284 | 2,125 | 2,125 |
(282) | 沖縄総合事務局 | 沖縄県 | 宮古島市 (事業主体) |
同 | 24 | 18,756 | 18,756 | 1,500 | 1,500 |
(280)―(282)の計 | 317,088 | 317,088 | 5,125 | 5,125 |
これらの補助事業は、3事業主体が、青年の就農意欲の喚起と就農後の定着を図り、青年就農者の大幅な増大を図るために、就農に向けて研修を受ける者(以下「研修生」という。)及び経営の不安定な就農初期段階の者(以下「新規就農者」という。)に対して、原則として、年間1,500,000円の青年就農給付金(以下「給付金」という。)を給付したものである。
新規就農総合支援事業実施要綱(平成24年23経営第3543号農林水産事務次官依命通知)等によれば、給付金の受給者は、原則として、生活費の確保を目的とした国の他の事業による給付等を受けていないこと、研修生は先進農業法人等で研修を受ける場合にあっては当該先進農業法人等と過去に短期間のパート又はアルバイトを除く雇用契約を結んでいないことなどが給付要件とされている。また、給付金の給付を受けた新規就農者は給付期間内及び給付期間終了後3年間において毎年1月末及び7月末までにその直前の6か月間の就農状況報告を事業主体に提出することとされている。そして、給付金の給付期間中に給付要件を満たさなくなった場合は給付要件を満たさなくなった期間を含む月分の給付金を、虚偽の申請や報告を行った場合は給付金の全額をそれぞれ返還することとされている。
前記の3事業主体は、研修生及び新規就農者計179名に対して給付金計309,750,000円を給付するなどして本件補助事業を事業費計317,088,507円で実施したとして、東海農政局及び2道県に実績報告書を提出し、これにより同額の国庫補助金の交付を受けていた。
しかし、公益財団法人北海道農業公社及び三重県が給付金を給付した研修生計166名のうち6名は、給付期間中に雇用保険の失業等給付金を受給していたり、研修開始の8か月前に研修先である農業生産法人との間で雇用契約を締結して研修終了まで勤務していたりしていて、給付要件を満たしていなかった。また、宮古島市が給付金を給付した新規就農者13名のうち1名は、就農状況報告において、常勤の職員として雇用されていた農業生産法人での勤務を自らの農業経営への従事状況に含めるなどの虚偽の報告を行っていた。
したがって、公益財団法人北海道農業公社及び三重県から研修生6名に給付された給付金10,370,000円のうち給付要件を満たしていなかった期間を含む月分の給付金計3,625,000円及び宮古島市から新規就農者1名に給付された給付金1,500,000円については補助の対象とは認められず、これらの給付金計5,125,000円に係る国庫補助金計5,125,000円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、3事業主体において給付金の給付に当たっての審査及び確認並びに受給者に対する指導が十分でなかったこと、東海農政局及び2道県において3事業主体に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。