(1件 不当と認める国庫補助金 22,615,568円)
部局等 | 補助事業者等 | 間接補助事業者等 | 補助事業等 | 年度 | 事業費 | 左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める事業費 | 不当と認める国庫補助金等相当額 | |
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(291) | 林野庁 |
株式会社パスコ等 (事業主体) |
― | デジタル森林空間情報利用技術開発事業 | 23、24 | 302,306 | 293,306 | 22,615 | 22,615 |
この補助事業は、林野庁が公募により事業主体として選定した株式会社パスコ、アジア航測株式会社、国際航業株式会社、朝日航洋株式会社(以下、これらを合わせて「4会社」という。)及び一般社団法人日本森林技術協会(以下「協会」という。)が、デジタルデータを活用した森林生態系の健全性や生物多様性に係る効率的かつ精度の高い調査・分析のための実用化技術を開発するために、航空機を用いたデジタル空中写真の撮影及び航空レーザ計測(以下、これらを合わせて「撮影等」という。)等を実施したものである。
「デジタル森林空間情報利用技術開発事業実施要領」(平成22年21林整計第314号林野庁長官通知)等によれば、補助対象経費は、デジタル空中写真撮影及び航空レーザ計測観測費(以下「撮影観測費」という。)、技術者給(以下「人件費」という。)等とされており、補助事業に要した経費の実支出額と、国庫補助金の交付決定額のいずれか低い額を国庫補助金の額として確定することとされている。
4会社及び協会は、本件補助事業について、撮影等の実施に要した撮影観測費等の実支出額を計302,306,410円(国庫補助対象事業費同額)として、林野庁に実績報告書を提出して、これにより国庫補助金計293,306,000円の交付を受けていた。
しかし、4会社及び協会のうち株式会社パスコ、国際航業株式会社及び朝日航洋株式会社(以下、これらを合わせて「3会社」という。)が撮影等の実施に要したとした運航時間454.7時間には、補助事業以外の他の契約等に係る運航時間175.1時間が含まれていた。また、国際航業株式会社及び協会が算定した補助事業に要した人件費は、算定の対象から除外することとされている超過勤務手当等が含まれた給与等に基づく1日当たりの単価である人件費日単価に基づくものなどとなっていた。
したがって、上記の事態に係る経費を除くなどして適正な国庫補助対象事業費を算定すると、計270,690,432円となることから、前記の国庫補助金交付額との差額計22,615,568円が過大に精算されていて、不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、3会社及び協会において補助対象事業費の適正な算定に対する理解が十分でなかったこと、林野庁において実績報告書等の審査及び確認並びに3会社及び協会に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。