(1件 不当と認める国庫補助金 4,687,000円)
部局等 | 補助事業者等 | 間接補助事業者等 | 補助事業等 | 年度 | 事業費 | 左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める事業費 | 不当と認める国庫補助金等相当額 | |
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(299) | 関東農政局 | 神奈川県 | 川崎市 (事業主体) |
農業・食品産業強化対策整備交付金 | 23、24 | 426,708 | 146,917 | 70,296 | 4,687 |
この交付金事業は、川崎市が、食品流通の合理化を目的として、平成23、24両年度に中央卸売市場の売場施設の整備を事業費計426,708,194円(交付金交付額計146,917,000円)で実施したものであり、その一環として、青果を取り扱う卸売場(以下「青果卸売場」という。)の一部に温度管理機能を持った低温卸売場(以下「低温卸売場」という。)を計70,296,301円(交付金相当額計28,118,000円)で整備したものである。
卸売市場法(昭和46年法律第35号)及び「強い農業づくり交付金実施要領」(平成17年16生産第8262号大臣官房国際部長、総合食料局長、生産局長及び経営局長通知)によれば、売場施設の整備に要する経費に係る交付率は、大規模に温度管理機能を付与する改良、造成又は取得(以下「大規模改良等」という。)については10分の4以内、それ以外については3分の1以内とされている。そして、大規模改良等は、青果部、水産物部等の取扱品目の部類及び売場施設の内容ごとに、床面積の1割以上の規模の整備等をいうとされている。
同市は、整備する低温卸売場の床面積476m2が温度管理の必要な野菜等を取り扱っている卸売場の床面積約1,000m2の1割を超えることから、本件低温卸売場の整備が大規模改良等に該当するとして10分の4の交付率を適用して、交付金相当額計28,118,000円の交付を受けていた。
しかし、本件低温卸売場の取扱品目の部類は青果部であり、これに係る青果卸売場全体の床面積は11,849.9m2であることから、低温卸売場の床面積476m2は、全体の床面積の1割を下回ることになる。このため、本件低温卸売場の整備は大規模改良等に該当せず、適用すべき交付率は3分の1以内となる。
したがって、交付率3分の1を適用して適正な交付金の額を算定すると計23,431,000円となり、前記の交付金相当額計28,118,000円との差額計4,687,000円が過大となっていて、不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同市において本件交付金事業における大規模改良等の範囲についての理解が十分でなかったこと、神奈川県において本件交付金事業に係る審査及び確認並びに同市に対する指導が十分でなかったこと、関東農政局において本件交付金事業に係る審査及び確認並びに同県に対する指導が十分でなかったことによると認められる。