(2件 不当と認める国庫補助金 11,816,000円(注))
部局等 | 補助事業者等 (所在地) |
間接補助事業者等 (所在地) |
補助事業等 | 年度 | 事業費 (補助対象事業費等) |
左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める補助対象事業費等 | 不当と認める国庫補助金等相当額 | |
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(304) | 経済産業本省 | 特定非営利活動法人映像産業振興機構 (東京都中央区) |
一般社団法人国際ドラマフェスティバル協議会 (東京都千代田区) 〈事業主体〉 |
コンテンツ海外展開等促進 | 24 | 10,240 (10,240) |
5,000 | 10,240 | 5,000 |
(305) | 経済産業本省 | 特定非営利活動法人映像産業振興機構 (東京都中央区) |
特定非営利活動法人日中友好映画祭実行委員会 (東京都渋谷区) 〈事業主体〉 |
コンテンツ海外展開等促進 | 24 | 67,697 (46,852) |
23,420 | 13,644 | 6,816 |
(304)(305)の計 | 77,937 (57,092) |
28,420 | 23,884 | 11,816 |
これらの補助事業は、日本の映像素材の海外発信に対する総合的な支援を実施することにより、関連産業の海外展開の拡大や観光等の促進につなげることを目的として、平成24年度に、特定非営利活動法人映像産業振興機構(以下「機構」という。)が、経済産業省からコンテンツ海外展開等促進事業費補助金、及び総務省から情報通信利用促進支援事業費補助金の交付を受けて、コンテンツ海外展開等促進基金(以下「基金」という。)を造成したものである。
機構は、コンテンツ海外展開等促進事業費補助金交付要綱(平成25年財情第5号)等に基づき、日本の映像素材のローカライズ(映像素材に係る字幕、吹き替えなど)やプロモーション(PRイベントの開催等)を行う事業主体に対して、これらの実施に必要な経費の一部を対象にコンテンツ海外展開等促進事業助成金(以下「助成金」という。)を基金を取り崩して交付している。
機構の助成金事務処理マニュアル等によれば、交付決定以降に発注が行われ、助成期間中に支払が行われた経費を助成の対象とすることとされており、また、事業主体が、他の補助金等の助成を受けた場合であって、助成金との重複が発生する場合は、その費用を助成の対象としないこととされている。
本院が、10事業主体を対象に会計実地検査を行ったところ、2事業主体が25年度に実施した事業において交付決定よりも前に発注を行っていたり、また、このうち1事業主体は事業費の一部に対して他からも助成を受けていたりしていて、助成金の交付の対象とはならない経費を助成対象事業費に含めていたため、取り崩された基金11,816,000円(国庫補助金相当額同額)の使用が適切ではなく、不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、2事業主体において助成事業の適正な実施に対する認識が欠けていたこと、機構において助成事業の審査及び確認並びに2事業主体に対する指導が十分でなかったこと、経済産業省及び総務省において機構に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。
前記の事態について、事例を示すと次のとおりである。
<事例>
一般社団法人国際ドラマフェスティバル協議会(以下「協議会」という。)は、平成25年4月23日に機構から助成金の交付決定を受けて、タイ王国において日本のドラマのCMを放送するプロモーション事業を実施したとしていた。そして、協議会は同国内のテレビ局における当該ドラマのCM放送について、交付決定日である同年4月23日付けで請負業者に発注したとする実績報告書を、事業の完了日である同年11月29日に機構に提出し、機構はその内容を審査し、助成金5,000,000円を交付していた。
しかし、協議会は、実際には、交付決定より前の同年3月6日に請負業者と3,087,859.5タイバーツ(邦貨換算額10,240,817円)で契約を締結して当該ドラマのCM放送等を発注しており、同年4月1日から当該ドラマのCM放送を開始していた。