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  • 平成25年度 |
  • 第3章 個別の検査結果 |
  • 第1節 省庁別の検査結果 |
  • 第12 国土交通省 |
  • 不当事項 |
  • 補助金 |
  • (2)補助金の交付額の算定が適切でなかったもの

建物の移転に係る補償費の算定が適切でなかったもの[4県](347)-(351)


(5件 不当と認める国庫補助金 29,685,494円)

  部局等 補助事業者等
(事業主体)
補助事業等 年度 事業費
(国庫補助対象事業費)
左に対する国庫補助金等交付額 不当と認める事業費
(国庫補助対象事業費)
不当と認める国庫補助金等相当額 摘要
          千円 千円 千円 千円  
(347) 福井県 福井市 社会資本整備総合交付金 24 27,532
(27,532)
13,766 5,692
(5,692)
2,846 工作物を建築設備としていたもの
(348) 静岡県 静岡市 河川改修 21、22 287,263
(252,092)
126,046 14,330
(12,576)
6,288 鉄骨の肉厚区分を誤っていたもの
(349) 島根県 島根県 地域自主戦略交付金 24 87,349
(87,349)
61,144 2,701
(2,701)
1,890 標準書等に規定されている単価を用いてなかったもの
(350) 出雲市 社会資本整備総合交付金 23、24 109,609
(109,609)
60,285 26,126
(26,126)
14,369 事業の支障とならない建物を対象に含めていたもの
(351) 沖縄県 中頭郡
西原町
24 421,073
(421,073)
378,965 4,767
(4,767)
4,290 建築設備の経過年数を誤っていたもの
(347)―(351)の計 932,827
(897,656)
640,208 53,618
(51,863)
29,685  

これらの交付金事業等は、街路事業、河川改修事業等の一環として、事業を行う上で支障となる建物等の所有者等に対し、それらの移転に要する費用を補償するものである(以下、補償する費用を「移転補償費」という。)。

そして、事業主体は、公共事業の施行に伴う損失補償を、「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」(昭和37年閣議決定)等に準じて用地対策連絡協議会が制定するなどした損失補償の標準書(以下「標準書」という。)等に基づき行うこととしている。

しかし、1県及び4市町において、移転補償費の算定に当たり、標準書等の適用を誤っていたり、事業の支障とならない建物を移転補償の対象に含めていたりしていたため、交付金等相当額計29,685,494円が過大に交付されていて、不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、事業主体において、標準書等の理解が十分でなかったこと、委託した物件調査算定業務の成果品の内容に対する検査が十分でなかったこと、建物移転の対象となる範囲についての理解が十分でなかったことなどによると認められる。

前記の事態について、事例を示すと次のとおりである。

<事例>

静岡市は、二級河川浜川において、河道を拡幅することなどに伴い工場等2棟が支障となることから、当該工場等を賃借している会社(以下「会社」という。)に対し、会社所有の隣接する敷地内に当該工場等を移転するために必要となる鉄骨造りの倉庫等5棟を取り壊して再築するなどのための移転補償費として、287,263,603円を補償していた。

そして、移転補償費のうち建物移転料は、標準書等によれば、柱、梁等の建物の主要な構造部分に使用されている鉄骨の肉厚区分に応じて決定するく体の鉄骨重量等に基づくなどして算定することとされており、その区分には、「肉厚9㎜以上のもの」、「肉厚4㎜を超え9㎜未満のもの」及び「肉厚4㎜以下のもの」がある。

同市は、建物移転料の算定に当たり、前記倉庫等5棟のうち2棟については、鉄骨の肉厚区分を「肉厚9㎜以上のもの」とし、これに応じてく体の鉄骨重量等を決定するなどしていた。
しかし、実際には、上記2棟の鉄骨の肉厚は、それぞれ8㎜、6.5㎜であったことから、適正な鉄骨の肉厚区分は、2棟ともに「肉厚4㎜を超え9㎜未満のもの」とすべきであった。

したがって、適正な鉄骨の肉厚区分に基づくなどして移転補償費を算定すると272,932,853円となり、本件移転補償費287,263,603円はこれに比べて14,330,750円(これに係る国庫補助金相当額6,288,083円)が過大となっていた。