(1件 不当と認める国庫補助金 1,349,500円)
部局等 | 補助事業者等 (事業主体) |
補助事業等 | 年度 | 事業費 (国庫補助対象事業費) |
左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める事業費 (国庫補助対象事業費) |
不当と認める国庫補助金等相当額 | |
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | |||||
(359) | 千葉県 | 袖ケ浦市 | 社会資本整備総合交付金 | 24 | 79,863 (51,100) |
25,550 | 4,218 (2,699) |
1,349 |
この交付金事業は、袖ケ浦市が、下水道事業の一環として、袖ケ浦市奈良輪(ならわ)地先において、雨水管及び汚水管を整備するなどの工事を実施したものである。
このうち雨水管の整備は、市道今井坂戸線の車道(道路幅員16m、舗装厚47㎝)を開削して、函渠(内空断面の幅600㎜、高さ600㎜、延長123.0m)を埋設し、その埋戻し、舗装の復旧等を行うものである。
道路の構造については、道路法(昭和27年法律第180号)等において、当該道路の交通状況等を考慮して、安全かつ円滑な交通を確保することができるものでなければならないと規定されており、道路管理者は、この規定に従って、道路に下水道管等を埋設しようとする事業者に対しても路面の機能を損なわないよう指導する必要があるとされている。また、同市も道路管理者として、道路を掘削した場合の復旧については、道路の機能を掘削前と同等にすることを原則としている。
同市は、本件函渠の設計を「下水道施設計画・設計指針と解説」(社団法人日本下水道協会編)等に基づいて行い、函渠を埋設するに当たって、土被り厚を上流側で38㎝、下流側で77㎝とすれば、所定の流下能力を確保するために必要な勾配が確保できることなどから、これにより施工していた(参考図参照)。
しかし、函渠の土被り厚を上流側で38㎝としたため、函渠を埋設した延長123.0mのうち28.5mの区間において、函渠が舗装の一部である下層路盤に入り込んでいて、舗装厚が工事施工前の舗装厚47㎝を満たしていなかった。このため、函渠が下層路盤に入り込んでいる箇所とそれ以外の箇所とで、舗装構造が一様でなくなり、不同沈下に伴う路面の不陸が生じて路面の機能が損なわれるおそれがあるなどの状況となっていた。
したがって、本件工事については、函渠の設計が適切でなかったため、上記28.5mの区間(工事費相当額4,218,824円)において、安全かつ円滑な交通が確保されていない状態になっており、これに係る交付金相当額1,349,500円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同市において、函渠の設計に当たり、函渠を道路に埋設する場合の道路機能の維持についての理解が十分でなかったことなどによると認められる。
舗装断面概念図