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  • 平成25年度 |
  • 第3章 個別の検査結果 |
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  • (4)工事の施工が設計と相違していたもの

モルタル吹付工の施工が設計と相違していたもの[山梨県](361)


(1件 不当と認める国庫補助金 7,095,489円)

  部局等 補助事業者等
(事業主体)
補助事業等 年度 事業費
(国庫補助対象事業費)
左に対する国庫補助金等交付額 不当と認める事業費
(国庫補助対象事業費)
不当と認める国庫補助金等相当額
          千円 千円 千円 千円
(361) 山梨県 山梨市 社会資本整備総合交付金 23、24 245,355
(245,355)
140,881 12,533
(12,533)
7,095

この交付金事業は、山梨市が、1級市道野背坂線道路改良事業の一環として、同市市川地内において、道路の山側切土法面を保護するなどのために、土工、植生工、モルタル吹付工等を実施したものである。

同市は、このうち、モルタル吹付工計1,828m2(平成23年度施工分1,200m2、24年度施工分628m2)について、設計図書等により、次のように施工することとしていた。

  • 〔1〕 モルタル吹付層と地山とが密着するよう、地山が岩盤の場合には、ごみ、泥土、浮石等の吹付材の付着に害となるものを除去する。
  • 〔2〕 モルタル吹付層を補強するために、菱形金網(網目5㎝×5㎝)を布設する。金網は、モルタル吹付層の中央に位置するよう、かつ、吹付けなどにより移動しないよう、アンカーピン等を使用して固定する。
  • 〔3〕 モルタルを厚さ8㎝(以下「設計厚さ」という。)に吹き付ける。そして、許容される最小吹付け厚さは6㎝、平均吹付け厚さは設計厚さ以上とする。
  • 〔4〕 吹付箇所に付着しないで周辺に飛び散ったはね返り材は速やかに取り除いて施工する。

しかし、現地の状況を確認したところ、モルタル吹付工を施工した法面計1,828m2に多数の亀裂が発生するなどしていた。そこで、当該法面の計94か所(23年度施工分62か所、24年度施工分32か所)においてコアを採取するなどして、モルタル吹付けの施工状況について確認したところ、次のような状況となっていた。

コアを採取した箇所の平均吹付け厚さは、23年度施工分で6.6㎝、24年度施工分で5.5㎝となっていて、いずれも設計厚さを下回っていた。そして、上記94か所の中には許容される最小吹付け厚さの6㎝を下回っているコアが計50か所(23年度施工分30か所(吹付け厚さ1.1㎝~5.9㎝)、24年度施工分20か所(同2.9㎝~5.5㎝))あった。また、モルタル吹付層と地山との間に、泥土やはね返り材等が残存していて、モルタル吹付層が地山に密着していないものが計59か所(23年度施工分45か所、24年度施工分14か所)あった。さらに、金網が地山に直接張り付いていたり、はね返り材等の中に埋もれていたり、設計図書等に示された所定の位置より地山寄りに大きくずれていたりしていたものが計88か所(23年度施工分61か所、24年度施工分27か所)あった。

したがって、本件モルタル吹付工計1,828m2(工事費相当額計12,533,000円)は、施工が設計と著しく相違して粗雑なものとなっていて、工事の目的を達しておらず、これに係る交付金相当額計7,095,489円が不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、請負人が粗雑な施工を行っていたのに、これに対する同市の監督及び検査が適切でなかったことなどによると認められる。