ページトップ
  • 平成25年度 |
  • 第3章 個別の検査結果 |
  • 第1節 省庁別の検査結果 |
  • 第14 防衛省 |
  • 平成24年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

(1)違約金の賦課を定めた資料の信頼性確保に関する特約条項の取扱いについて


平成24年度決算検査報告参照

1 本院が要求した適宜の処置及び求めた是正改善の処置

防衛省は、過去の過大請求事案を踏まえて、予定価格の算定に当たり原価計算方式を採用した契約については、違約金の賦課について定めた「資料の信頼性確保に関する特約条項」(以下「信頼性特約」という。)を付すこととしている。さらに、平成25年4月から締結する契約については、段階的違約金の賦課を定めた「資料の信頼性確保及び制度調査の実施に関する特約条項」(以下「新信頼性特約」という。)を付すとともに、信頼性特約を付している履行中の契約についても、新信頼性特約へ変更することを契約相手方に要請することとしている。しかし、情報本部及び海上自衛隊航空補給処(以下「空補処」という。)が締結した契約において、信頼性特約が付されていないなどの事態や、このため適切な額の違約金を請求できなかったなどの事態が見受けられた。

したがって、防衛省において、情報本部及び空補処が締結した履行中の契約のうち信頼性特約が付されていないなどの契約については、新信頼性特約を付すことができるよう契約相手方と協議するなどするとともに、各調達機関に対して、新信頼性特約を付すことを定めた通達の趣旨及びその遵守の重要性を周知徹底したり、決裁書類の確認を的確に行うためにその書式を見直したり、契約上適切でない事態が明らかになった場合は迅速かつ的確な対応を講ずるよう教育や指導を行ったり、各調達機関の会計監査部門に対して新信頼性特約が適正に付されているかなどについて会計監査を実施させたりなどするよう、防衛大臣に対して25年9月に、会計検査院法第34条の規定により是正の処置を要求し及び是正改善の処置を求めた。

2 当局が講じた処置

本院は、防衛省内部部局、情報本部、空補処等において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。

検査の結果、防衛省は、本院指摘の趣旨に沿い、情報本部及び空補処を含めた全ての調達機関に対して、履行中の契約について信頼性特約等の付与状況を調査させ、信頼性特約等が付されていないなどの契約については、契約相手方と協議させて、特約条項を付すこととする変更契約を行わせるとともに、次のような処置を講じていた。

  • ア 各調達機関に対して、25年11月から26年1月までの間に教育等を実施して、新信頼性特約を付すことを定めた通達の趣旨及びその遵守の重要性を周知徹底した。
  • イ 各調達機関に対して、26年3月に通知を発して、決裁書類の確認を的確に行うために、新信頼性特約の付与状況を確認できるチェックシートを作成させることとしたり、アの教育等を実施した際に、契約上適切でない事態が明らかになった場合は迅速かつ的確な対応を講ずるよう指導したり、各調達機関の会計監査部門に対して、同年4月に通達を発して、新信頼性特約が適正に付されているかなどについて重点的に会計監査を実施させることとしたりした。