四国旅客鉄道株式会社(以下「会社」という。)は、鉄道営業法(明治33年法律第65号)等に基づき橋りょう、トンネル等の鉄道構造物の定期検査を実施することとしており、会社が定めた実施基準等に基づき、保線区等で定期検査として全般検査を2年に一度実施するなどして、構造物の健全度を変状の進行性等により判定するなどしている。そして、全般検査の結果、詳細な検査が必要と判断された場合には個別検査を実施し、橋りょうについては、個別検査の結果等により、橋りょう修繕計画を毎年度作成して修繕工事を順次実施することとしている。しかし、橋りょうの定期検査等において、修繕工事が必要な健全度と判定されてから修繕工事が早期に実施されていなかったり、全般検査の検査記録が適切に整備されていないために構造物の維持管理に有効に活用できるものになっていなかったりしている事態が見受けられた。
したがって、会社において、定期検査等の結果により、修繕工事の実施時期を定めるなどした橋りょう修繕計画を適切に作成して、修繕工事を着実に実施するための具体的な方策を検討したり、全般検査の結果が適切に記録されるよう、記録すべき項目を明確にするとともに、検査記録の適切な整備を図ることについて保線区等に対して周知したりするよう、四国旅客鉄道株式会社代表取締役社長に対して平成25年10月に、会計検査院法第36条の規定により意見を表示し及び改善の処置を要求した。
本院は、会社の本社において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、会社は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。