1件 不当と認める国庫補助金 1,222,072,000円
地域活性化・公共投資臨時交付金は、地域活性化等の速やかかつ着実な実施を図ることを目的として、地域活性化・公共投資臨時交付金制度要綱(平成22年府地活第4号、総行応第30号等。以下「制度要綱」という。)等に基づき、公共事業及び施設費の追加に伴う地方負担の軽減を図り、国の施策と歩調を合わせ、地域における公共投資を円滑に実施することができるよう、地方公共団体が作成した地域活性化・公共投資実施計画に基づき実施する事業に要する費用のうち、地方公共団体が負担する経費に対して、国が交付するものである。そして、制度要綱によれば、交付金の交付対象は、地方単独事業については「建設地方債の発行対象経費であるもの」などとされている。
本院が19都府県及び301市区町村において会計実地検査を行ったところ、東京都において次のとおり適切とは認められない事態が見受けられた。
部局等 | 交付金事業者 (事業主体) |
交付金事業 | 年度 | 交付対象事業費 | 左に対する交付金交付額 | 不当と認める交付対象事業費 | 不当と認める交付金相当額 | 摘要 | |
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千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(6) | 総務本省 | 東京都 | 地域活性化・公共投資臨時交付金 | 21、22 | 1,222,072 | 1,222,072 | 1,222,072 | 1,222,072 | 補助の対象外 |
この交付金事業は、東京都が、都の単独事業である市町村公立病院整備事業費償還補助事業(以下「償還補助事業」という。)として、市町村等が病院施設等の整備に伴い起債した過年度の地方債の償還に対して助成を行ったものである。
そして、東京都は、本件交付金事業として、償還補助事業を実施したとする実績報告書を総務本省に提出して額の確定を受けていた。
しかし、地方債の償還に対する助成に要する経費は、制度要綱で交付金の交付対象とされている「建設地方債の発行対象経費であるもの」に該当しないものであった。
したがって、償還補助事業は交付対象とは認められず、これに係る交付金1,222,072,000円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、東京都において本件交付金の制度に対する理解が十分でなかったこと、総務本省において本件交付金事業の審査が十分でなかったことなどによると認められる。