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  • 平成26年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第2 総務省|
  • 不当事項|
  • 補助金

(3) 地域情報通信基盤整備推進交付金等の交付対象事業費の積算を誤ったため、事業費が過大となっていたもの[総務本省、青森県](7)


1件 不当と認める国庫補助金 6,353,583円

地域情報通信基盤整備推進交付金は、地域の知恵と工夫をいかしつつ効果的かつ効率的な情報通信基盤整備を促進し、もって地域の情報格差を是正する事業を実施する市町村等に対して、事業の実施に要する経費の一部について、国が交付するものである。そして、その交付対象経費は、光ファイバケーブル等の線路設備及びセンター施設等の施設・設備の設置に要する経費とされている。

また、地域活性化・公共投資臨時交付金は、地域活性化・公共投資臨時交付金制度要綱(平成22年府地活第4号、総行応第30号等)等に基づき、地域活性化等の速やかかつ着実な実施を図ることを目的として、公共事業及び施設費の追加に伴う地方負担の軽減を図り、国の施策と歩調を合わせ、地域における公共投資を円滑に実施することができるよう、地方公共団体が作成した地域活性化・公共投資実施計画に基づき実施する事業に要する費用のうち地方公共団体が負担する経費に対して国が交付するものである。そして、地域活性化・公共投資臨時交付金の交付対象事業は、地域活性化・公共投資実施計画を作成する地方公共団体が地域活性化等に資する事業の実施に要する費用の一部を負担する国庫補助事業又は地方単独事業とされており、地域情報通信基盤整備推進交付金の交付を受けて実施される事業は、地域活性化・公共投資臨時交付金の交付対象にすることができることとなっている。

本院が14道県管内の89市町村及び2連携主体において会計実地検査を行ったところ、1町において次のとおり適切とは認められない事態が見受けられた。

  部局等 交付金事業者
(事業主体)
交付金事業 年度 交付対象事業費 左に対する交付金交付額 不当と認める交付対象事業費 不当と認める交付金相当額 摘要
千円 千円 千円 千円
(7) 総務本省、青森県 西津軽郡深浦町 地域情報通信基盤整備推進交付金、地域活性化・公共投資臨時交付金 21、22 288,844 288,844 6,354 6,353 積算過大

これらの交付金事業は、深浦町が、同町内の全域に高速ブロードバンド環境を整備するために、光ファイバケーブル等の架空配線の敷設等を実施したものである。

そして、同町は、上記の敷設に当たり、複数の光ファイバケーブルを一束化するなどのために、1本当たり1.5mのスパイラルハンガー(参考図参照)を996本使用し、これに単価5,800円を乗じて、スパイラルハンガーの材料費を5,776,800円と積算していた。

しかし、上記の単価5,800円は1本当たり80mのスパイラルハンガーの単価であり、1本当たり1.5mのスパイラルハンガーの単価は820円であった。

したがって、適正な単価に基づいてスパイラルハンガーの材料費を算出するなどして、地域情報通信基盤整備推進交付金及び地域活性化・公共投資臨時交付金の適正な交付対象事業費を算定すると282,490,417円となり、本件交付対象事業費288,844,500円はこれに比べて6,354,083円過大となっていて、これに係る交付金相当額計6,353,583円が不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、同町において本件交付金事業の適正な実施に対する認識が欠けていたこと、青森県及び総務本省において本件交付金事業の審査及び確認並びに同町に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。

(参考図)

スパイラルハンガーの概念図
スパイラルハンガーの概念図の画像