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  • 平成26年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
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  • 不当事項|
  • 補助金

(3)私立大学等研究設備整備費等補助金が過大に交付されていたもの[文部科学本省](22)-(26)


5件 不当と認める国庫補助金 23,433,000円

私立大学等研究設備整備費等補助金は、私立大学の研究設備に対する国の補助に関する法律(昭和32年法律第18号)等に基づき、私立大学における学術の研究を促進することなどを目的として、私立大学の研究設備の整備に要する経費等の一部を国が補助するものである。

この補助金の交付額は、同法等によれば、研究設備については、設備の購入に要する経費(以下「補助対象経費」という。)の3分の2以内の額とすることとされている。そして、補助対象経費が500万円以上であることが交付の要件とされていることから、下限額(500万円)未満の場合は補助の対象とならないこととされている。また、保守管理料及びソフトウェア(設備と一体不可分であり、かつ、経費を区分できないものを除く。)の整備に係る経費は、補助の対象とならないこととされている。

本院が、29学校法人において会計実地検査を行ったところ、5学校法人において、補助の対象とならない保守管理料やソフトウェアの整備に係る経費を補助対象経費に含めていたため、国庫補助金計23,433,000円が過大に交付されていて、不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、学校法人において補助対象経費についての理解が十分でなかったこと、文部科学省において実績報告書等に対する審査が十分でなかったことなどによると認められる。

前記の事態について、事例を示すと次のとおりである。

<事例>

学校法人東北学院は、平成23年度に実施した「大型ディスプレイGIS表示システム」の整備に係る経費を対象として、補助対象経費を8,820,517円(国庫補助金5,880,000円)と算定していた。

しかし、同法人は、補助の対象とならない保守管理料452,760円及びソフトウェアの整備に係る経費4,226,662円を補助対象経費に含めていた。

したがって、これらを除外すると、補助対象経費が500万円未満となることから、本件補助事業は、補助の対象とならず、国庫補助金5,880,000円が過大に交付されていた。

以上を事業主体別に示すと次のとおりである。

  部局等 事業主体 補助事業 年度 補助対象経費 左に対する国庫補助金交付額 不当と認める補助対象経費 不当と認める国庫補助金 摘要
          千円 千円 千円 千円  
(22) 文部科学本省 学校法人栴檀学園 運動機能解析装置システム等 20 12,922 8,614 12,922 8,614 補助の対象とならないソフトウェアの整備に係る経費を除外すると補助対象経費が500万円未満となるもの(東北福祉大学)
(23) 文部科学本省 学校法人東北学院 大型ディスプレイGIS表示システム 23 8,820 5,880 8,820 5,880 補助の対象とならないソフトウェアの整備に係る経費等を除外すると補助対象経費が500万円未満となるもの(東北学院大学)
(24) 学校法人トヨタ学園 SPMコントローラ 21 14,999 9,999 5,384 3,590 補助の対象とならないソフトウェアの整備に係る経費を補助対象経費に含めていたもの(豊田工業大学)
(25) 学校法人電波学園 ドライビングシミュレータ(D3Sim)等 20 76,300 50,850 5,475 3,634
(愛知工科大学)
(26) 学校法人同志社 粉体・薄膜・バルク体形状・組織観察特性評価装置 24 15,130 10,087 2,572 1,715
(同志社大学)
(22)—(26)の計 128,172 85,430 35,175 23,433